ボカロP“稲葉曇”さんに聞く!最新曲のボーカルトラックに使用しているプラグイン・エフェクトと、ソフトウェア音源、その設定をご紹介。
音楽制作の中で、ボーカルやコーラスといった”声”に挿すエフェクトというのは非常に重要です。エフェクト1つで音量や音像、距離感などの聴こえ方が大きく変わってくるため、楽曲の世界を形作るのに欠かせない大きな構成要素となります。
さらにこの企画では、次のクリエイターさんをご紹介で繋いでいくバトン方式を採用。記事中で次に紹介いただくクリエイターさんを発表いたしますので、そちらにもご期待ください!
今回 稲葉曇さんには、新曲「レイニーブーツ」をメインに、過去作品でも使用されているプラグイン・エフェクト、ソフトウェア音源を教えていただきました。稲葉曇さんのどこか儚さを感じさせる中毒性のある楽曲をまずは一度お聴きください。
[01] WAVES MV2
音量を整えるために使います。
「LOW LEVEL」を上げて小さい音を持ち上げます。
[02] iZotope Neutron3
「Track Assistant」機能を使ってAIに音作りしてもらったあと、微調整して好みの音に近づけます。
EQ、コンプ、エキサイター、Sculptorの4つをこの一台で使ってます。
iZotope『NEUTRON 3 ADVANCED』製品ページ »
[03] FabFilter Pro-Q3
EQです。すごく使いやすくていろんなトラックで使ってます!
ユキの場合はいつも16000~18000Hzから上をカットしてます。キラキラ成分を抑えられて温もりが増します。
また、タ行などの子音が飛び出る帯域をダイナミックEQで抑えます。
ユキとミクが一緒に歌っている『ノンユース』では、それぞれで担当する帯域を決めて、お互いに補完するような感じにしてました。
[04] Waves REQ(Renaissance Equalizer) 2
EQです。1000~2000Hzあたりをブーストしてオケに負けないようにします。
EQは3つ使いましたが、音作り→Neutron3のEQ、カット→Pro-Q3、ブースト→REQの様に役割を分担してます。
Waves『RENAISSANCE EQUALIZER』製品ページ »
[05] Waves Doubler 4 Stereo
ダブラーです。音が広がり雰囲気も作れる必須アイテムです!
曲によってかけ具合をだいぶ変えてます。
[Send01] Steinberg Stereo Delay
ディレイです。Cubase付属のプラグインです。
ユキの低音がぼわぼわするのが嫌なので結構ローカットしてます。
[Send02] Steinberg REVerence
リバーブです。Cubase付属のプラグインです。
リバーブとディレイは特に拘りなくDAW付属のものを使ってたので、クリエイターバトン企画で紹介されてるものを一通り調べてみようかなと思ってます…笑
[Stem] FabFilter Pro-Q3
各ボーカルトラックとボーカルのリバーブなどをまとめたトラックのEQです。
ミックス作業の終盤にオケとの兼ね合いで調整します。
FXpansion BFD3
ドラムです。一番最初に買った音源です。音の生っぽさが良いです。
今回はキックだけ別のサンプルを使ってました。
IK Multimedia MODO BASS
ベースです。自由度が高くとても使いやすいです。
IK Multimedia『MODO BASS』製品ページ »
KORG M1
マルチ音源です。プリセットをカスタマイズして使います。
パンフルートが好きでよく使ってます。
いつもやってるのは、制作途中の音源を好きな曲が入ったプレイリストに入れて、散歩しながら聴くことです。
何年も聴いている曲の後に流れるので粗が見つけやすいです。
次は誰にバトンが引き継がれるのかお楽しみに!
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