【初心者必見】基本のピアノ打ち込みテクニック
「楽器の王様」とも称されるピアノは、クラシックからポップスまで、そして楽曲の主人公となるメロディから陰の立役者である伴奏まで、あらゆる場面で使用されている楽器です。
それゆえ、DTMで作曲をする際にもピアノのフレーズを打ち込む機会が数多くありますが、ただノートを打ち込むだけではいかにも機械が演奏したかのような、味気のないフレーズとなってしまいます。
ピアノが弾けるならMIDIキーボードを使ってノートをリアルタイム入力できますが、筆者のように全くピアノが弾けない人は諦めるしかない……なんてことはございません!
今回はStudio OneというDAWを使って、ピアノが弾けない/苦手な方向けに、打ち込んだ平坦なピアノのフレーズが生演奏のように生まれ変わる基本的な3つのテクニックをご紹介します!
ピアノだけでなく、他の楽器のフレーズを打ち込む際にも役立つDTMの基本的な知識でもありますので、ぜひマスターしよう!
[今回使用したピアノ音源]
ベロシティで強弱をつけよう
ピアノのフレーズをリアルなサウンドに近づける第一歩は、打ち込んだノートのベロシティを一つ一つ丁寧に調整して強弱を付けることです。
まずは、ノートのベロシティがすべて同じフレーズと、一音ごとに変化をつけたフレーズを聴き比べてみましょう。
どうでしょうか。ベロシティに変化をつけると、「人間がピアノを弾いている」感じがでてきましたね。
ベロシティを変化させることで、楽曲に音楽的な表現をつけることができます。例えば「この部分を強調して印象付けたい!」、「力強さを表現したい!」ときはベロシティの値を大きくし、「優しい感じを表現したい」、「静かな雰囲気にしたい」ときはベロシティを弱くするなど、自身の感性に身を任せて自由にベロシティを調整しましょう!
よくわからないという方は、小節の一拍目だけベロシティを大きくするだけでも人間らしさがでてきますので、試してみましょう。
わざとタイミングをずらそう
実際の生演奏ではジャストタイミングで出音されることはなく、プロの演奏でも僅かながらタイミングのずれが生じます。
非常に些細な変化ではありますが、このタイミングのずれが楽曲に人間らしさを与え、生きた音を奏でるのです。
Studio One では選択したノートをランダムに前後にずらしたり、ベロシティの値をランダムに変更する「ヒューマナイズ」という機能が備わっており、手軽に人間らしいサウンドに近づけることができます。
「ヒューマナイズ」適用後、拡大してみるとノートの位置が少しずれているのがわかります。サウンドも確認してみましょう。
さらに人間味が増しましたね!
DAWによっては「ランダマイズ」や「クオンタイズ」の設定などでもノートの位置をずらすことが可能ですので、調べてみましょう。
ダンパーペダルを使おう
ピアノには「ダンパーペダル」と呼ばれるペダルがついており、このペダルを踏むことで音を響かせる(伸ばす)ことができます。
多くのピアノ音源にはダンパーペダルの動作を再現する機能が備わっており、コントロールチェンジ(CC)を使用することでペダルの動作をコントロール可能です。
コントロールチェンジとはMIDIに関する様々な情報をコントロールするパラメーターのことで、音の強弱を表現するベロシティもコントロールチェンジの一種です。
ダンパーペダルを調節するコントロールチェンジはCC64と名づけられており、この値が64以上のときはペダルを踏んだ状態(音が響く)、63以下のときはペダルから足を離した状態となります。
まずは、Studio One上でCC64(Sustain Pedal)の値を調節するレーンを表示させましょう。
「Sustain Pedal」レーンが表示されましたね!
次は実際に値を入力してみましょう。
ダンパーペダルを使う際は、楽曲の中でコードが変わるときにペダルを踏み変える必要があります。踏み変えずにコードが変わると、前のコードの音が響き続けて次のコードの音とぶつかってしまうので注意しましょう。
一番最初に聴いたベロシティが一定のフレーズと聴き比べてみると、その差は歴然ですね!
ペダルを踏んだ時のリッチな響きが欲しいときは、コントロールチェンジでダンパーペダルのサウンドを再現しましょう!
打ち込みを補助してくれる音源
ここまでは打ち込みテクニックでリアルなピアノフレーズにする方法をご紹介しましたが、ベロシティを一音ずつ調節したりと、手間がかかる中々に大変な作業となります。
もちろんその大変さがDTMの醍醐味かつ楽しさでもありますが、『EZ KEYS 2』というピアノ音源にはまるで人間が弾いたかのようにベロシティの強弱を付けてくれる「Humanize」という機能が備わっています。
DAWにもベロシティの値をランダムに変更する機能が搭載されていますが、『EZ KEYS 2』はプロのピアノストが演奏したかのような”人間らしい”表現を適切に付けてくれます。
他にもメロディに対して伴奏を提案してくれる機能や、メロディにフィットするコード進行を提案してくれる機能など、たくさんの便利機能が搭載されていますので、ラクをしたい場合はこのようなツールに頼るのも一つの手でしょう。
まとめ
今回はベタ打ちのフレーズを生演奏のようにするテクニックをご紹介しましたが、シンセサイザーを多用している場合など、ジャンルや楽曲によっては機械的なサウンドの方が良く聞こえるときもあります。
あえて打ち込み感のあるフレーズに仕上げることも恐れずにチャレンジしていきましょう。
また、コントロールチェンジはベロシティやダンパーペダルだけでなく、音に様々な表現を付けることができる便利機能ですので、DTMの更なる上達を目指す方はぜひ勉強してみましょう!
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