ボカロP “sasakure.UK”さん に聞く!最新アルバム「未来イヴ」の楽曲制作で使用した、推しプラグイン・エフェクトと、ソフトウェア音源、サンプルパック、その設定をご紹介。
DTMをはじめとした音楽制作の中で、ソフトやプラグイン・エフェクトの存在は非常に重要です。音色やエフェクト1つでもサウンドの聴こえ方が大きく変わってくるため、これらの選定は楽曲の世界を形作るのに欠かせない大きな構成要素となります。
SONICWIREでは、クリエイターの皆さんが楽曲制作に対してどのようなアプローチを取っているかお話を伺い、まとめていく企画、題して「クリエイターバトン」を実施中です!今回の記事では、実際に楽曲制作に使われたソフトやプラグイン・エフェクト、音源などをご紹介します。
普段から楽曲制作をされている方も、趣味で曲を制作している方も、これから作曲をやってみようと思っている方も、クリエイターが普段どんなソフトやプラグインを“良い”と思って使っているのか、是非読んで参考にしてみてください。
第14弾は、sasakure.UKさんにご担当いただきました!sasakure.UKさんは、ボカロPとして「*ハロー、プラネット。」、「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」へ書き下ろしされた「トンデモワンダーズ」、初音ミク「マジカルミライ」10th Anniversaryのテーマソングである「フューチャー・イヴ」などの楽曲を手掛ける他、自身が楽曲をプロデュースをするバンド「有形ランペイジ」など、幅広く活動をされています!
今回 sasakure.UKさんから、“熱い想い”がひしひしと伝わってくるご回答をいただき、この先はsasakure.UKさんに執筆いただくことになりました。どのようにして楽曲が生み出されているのか、あの曲のあの音はこうやって作られたのか!などなど、是非最後までご覧ください!!それでは sasakure.UKさん、よろしくお願いします!
OSTERさんが紹介してくれたDTM企画!ご紹介ありがとうございます。
ということで、今回は僕がリリースしたニューアルバム「未来イヴ」の楽曲を作る中で
沢山使ったシンセ、音源、推したいと思ったプラグイン・エフェクトなどをまとめてみました。
『初音ミク』
「未来イヴ」の楽曲でも初代からV4、NTまであらゆるミクに歌ってもらっています。
ざっくりですが楽曲の背景で―
機械っぽいのか、ヒューマノイドっぽいのか、感情的なのか、無機質なのか…
などの世界観を踏まえてそれぞれ適したミクに歌ってもらいます。
例えば「ショウタイム」って歌詞を歌わせるとき「ショウ」は初音ミクV4の声、「タイム」は初音ミクV3の声で混ぜる、みたいな事もやります。
『初音ミク V4X』特設ページ ≫
『初音ミク NT』特設ページ ≫
『KAITO』
お気に入りは “エ” 段の発音です。
(♪ホシデエエエエェェェエ↑)
Digital Performer 内蔵音源 – 「PolySynth」「BassLine」
アナログシンセ感がサウンドに馴染んで使いやすく、moog等のアナログシンセの音と重ねて使ったりもしています。
「トンデモワンダーズ」では、”古き良き”をテーマにしているので、あえて単音でこれらのシンセを使って制作しました。
Native Instruments – 「FM8」
耳障りがよい、それでいて存在感のある音が作れるシンセです。
細かくシンセの鳴りも調整できます。
楽曲「化孵化」「NEONEO」で使いました。
Mntra Instruments – 「Atma」
「ÅMARA(大未来電脳)」でベル系の音や民族系の音色に使っています。
Native Instruments – 「MASCHINE」
音楽ゲームをプレイするような感覚でバシバシ叩きながらリズムを作れる音源です。
ライブやMVで、よく僕がポチポチ演奏しているアレ!アレです。
YMCK – 「Magical 8bit Plug(1,2)」
僕が大好きな音楽ユニット、YMCKのYokemuraさんが作ったシンセです。
ファミコンを沢山遊んだ人はわかると思うんですが、サウンドの立ち上がりの“実機感”がとても好きです。
『ポジネガ*ミステイカーズ』でこのシンセを沢山使っています!
WAVES – 『S1 STEREO IMAGER』
使いやすく、視覚的に音の位置をイメージしやすいのでおすすめです。
珍しい使い方かもしれませんが、最近の僕はDAWのパンを使わずに(!)ほとんどこのプラグインで
左右のパンや広がりを整えています。
WAVES『S1 STEREO IMAGER』製品ページ ≫
Sonnox Oxford – 「Oxford Reverb」
中低音・高音で別々のものを鳴らしたり、他のリバーブと混ぜて使う事も…
D16 Group – 『TORAVERB 2 / SPACE MODULATED REVERB』
飛び道具的な…低音や高音をカットして使う事が多いです。
D16 Group『TORAVERB 2 / SPACE MODULATED REVERB』製品ページ ≫
D16 Group – 『DECIMORT 2 / HIGH QUALITY BIT CRUSHER』
音の解像度をクラッシュする、つまり解像度を思い切り下げるためのエフェクトです。
DTMをしていて突如破壊衝動に駆られたときに使います。
楽曲『フューチャー・イヴ』『ディカダンス』などで使っています。
D16 Group『DECIMORT 2 / HIGH QUALITY BIT CRUSHER』製品ページ ≫
Positive Grid – 「BIAS AMP 2」
有形ランペイジ最強のギター操り手・佐々木さんに教えてもらってからよく使っています。
ギターアンプなのでギタートラックに挿して使うのは勿論ですが、
僕の場合はボーカル・シンセなどに使います。
楽曲「ファンタズマ」などではサビやシンセに挿して薄く重ねて使ったりしています。
少し荒さが出て攻撃的な、ザラザラしたニュアンスが加わります。
Freakshow Industries – 「Backmask」、「MISHBY」
これを挿すとサウンドがどこに向かうのか果てしなくわからなくなります。
ÅMARA(大未来電脳)ではたくさん不思議な音が鳴っていますが、サウンドメイクの際にかなりお世話になったプラグインです。
僕のサウンドメイクでは普遍的な音の中にランダム性のあるハッとした要素を入れたくて使う事が多いです。
アルバム制作の中で使ったサンプリング音源をいくつかまとめてみました。
(SONICWIREさんいつもありがとうございます!!)
UNDRGRND – 『LIQUID ELECTRONICA』
TOUCH LOOPS – 『HIP-HOP PSYCHEDELIA』
- メーカー:TOUCH LOOPS
- カテゴリ:サンプルパック
INDUSTRIAL STRENGTH – 『SWISS CHRIS BREAKBEATS』
最近はあえてBPMを早くして、半分のテンポのループと同時に鳴らして、どちらでものれるようなニュアンスのループを目指して作ったりしています。
- メーカー:INDUSTRIAL STRENGTH
- カテゴリ:サンプルパック
BIG FISH AUDIO – 『BLISTER PAK』
(アルバム“幻実アイソーポス”を制作していた頃から使っているかも…)
MOTU – Digital Performer
バウンスした音の傾向など、自分に合っているなと思っているのでずっと使い続けています。
ボーカロイド楽曲のグルーヴは特にピッチのラインと縦の線(リズム)がとてもネックになってくるので、
タイミングのずらしやすさ、ピッチの調整しやすさでかなり重宝しています。
みなさんに一つだけ、“いま僕が伝えたい一番大切なこと”をお伝えしたいです…
(※露骨な宣伝。)
個人的にも思い入れが強い楽曲たちなので、
是非ぜひ沢山聞いてくれたら嬉しいです。
New Vocaloid Album – 『未来イヴ』
スピーカーひとつとっても、機種ごとに聴こえ方は全部違ってくるので、
モニター用のスピーカーをはじめ、ヘッドフォン、イヤホン、スマートフォンのスピーカーまで、あらゆる環境で曲を聴いて微調整しています。
- スタジオで聞く時の音
- 友達の家で聞くときの音
- スマートフォンや車のオーディオ等で聞く音
- 寝起きに聞く時の音
自分の耳を過信しすぎないように常に心がけています。
言ってしまえば自分がいいなと思ったミックスならばなんでもOK!!だと思っています
例えばドラムが大きいミックス、ボーカルが小さめのミックス、シンセが左右から自由に飛び交うミックスなど色々試してみて、自分が心地よいと思えるミックスバランスを探してみてください!
第13弾 ≪ OSTER project さん |
第15弾 準備中 ≫ |
次は誰にバトンが引き継がれるのかお楽しみに!
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