

『初音ミク NT (Ver.2)』は、メジャーアップデートでどう変わったの?変更点・注意点・よくある質問まとめ
2025年3月18日にリリースされた『初音ミク NT』のメジャーアップデート『初音ミク NT (Ver.2)』。
ユーザーのみなさまは、もうお試しになりましたか?『初音ミク NT』をお持ちでない方も、39日間お使いいただける体験版で触れることができます。
今回は新しくなった『初音ミク NT』をよりディープに知っていただくべく、バージョンアップでの変更点や関連情報を一挙ご紹介。さらにユーザーの皆様からよくいただくご質問(FAQ)も取り上げますので、こちらの記事を機にぜひ『初音ミク NT (Ver.2)』の世界に足を踏み入れてみてください!
そもそも『初音ミク NT』って?
『初音ミク NT』は、クリプトン・フューチャー・メディアがオリジナルで開発したエンジンを搭載した歌声合成ソフトです。直感的な操作による幅広い歌声表現を得意とし、現在の「初音ミク」の最新バージョンとなっています(本記事執筆時点)。
特に筆者イチオシの機能は、直接ピッチ(音高)をペンで書き込める「ダイレクトピッチエディター」。細かいパラメーターと長時間格闘をする必要もなく、一発で理想の歌い方(しゃくりなど)を再現できる便利な機能です。
「VOCALOID」版とは何が違うの?
弊社では、並行して『初音ミク V4X』を販売していますが、この製品はヤマハ株式会社によって開発された「VOCALOID4」エンジンを採用しています。
歌声を作るソフトであることには変わりありませんが、その中身は全く違う仕組みで動いています。
※このため、VOCALOID版「Piapro Studio」や、ヤマハ社の「VOCALOID Editor」上で『初音ミク NT』の歌声を編集することはできませんので、ご注意ください。
バージョン1 → バージョン2での変更点
そんな『初音ミク NT』ですが、2025年3月18日にメジャーアップデートにあたるバージョン2が公開され、バージョン1のボイスライブラリーや発音機構(エンジン)を一から作り直すなど、大幅な更新が加えられました(社内開発コード:「M9」)。
またその刷新に合わせてボーカルエディター「Piapro Studio NT」にもアップデートが行われ、基本的な使用感はそのままに、新たな研究・開発を経て誕生した「Piapro Studio NT2」という形でリメイクされています。
この大規模な変更に合わせて、創作を支援するべく様々な機能の追加・見直しが行われました。本章ではそのアップデート内容をご紹介します。
変更点その1:ライブラリーを一から再構築。データサイズも削減!
前章で述べたように、今回のバージョンアップではボイスライブラリーの再構築が行われています。そのため、同じフレーズを同じ歌詞で歌わせたとしても、バージョン1とバージョン2では全く異なる結果が出力されます。
また(本製品に限らず)オーディオ・サンプルを多く扱うソフト音源のデメリットの一つでもある「膨大なライブラリー容量」も、処理方法を変更したことによって大幅削減。バージョン1のボイスライブラリーは3種類合計で約6GBに及びましたが、バージョン2では僅か1.5GB前後※と、従来から1/4程度まで削減されました。
※ダウンロードファイルや、圧縮ファイルの解凍に必要な容量は含みません。
変更点その2:創作を支援する機能群「Automatic Control」が追加
制作中の楽曲のスタイルに合わせた項目を数個選択するだけで、以下のパラメーターが自動で調整されるようになりました。
- ビブラート(長さ/深さ)
- ピッチカーブ
- 子音長
- アクセント(歌声の強弱)
選択項目の組み合わせを変えるだけでガラッと歌い方が変わる他、更にこだわりたいポイントは「Automatic Control」を使用しなければゼロから手動で調声することもできます。調声のスタートポイントを作ってくれる「実用性」をパワーアップしながらも、従来の「自由度」もしっかり維持されています。
既知の不具合を公開。フィードバックも募集中!
Piapro Studio NT2の「現状の仕様」と、「修正に向けて取り組んでいる既知の不具合」をお知らせするページをご用意しております。こちらは日頃よりアップデートが行われており、このページに記載されている不具合は、開発チームで改善に動いています。
問題によっては、一時的な解決策をご案内しているケースもございます。お使いいただく中で気になる点がございましたら、ぜひ一度ご覧ください。
『初音ミク NT (Ver.2)』の仕様・既知の不具合について »
またクリプトンでは、実際の使用シーンで発生した不具合や使用感に関するユーザーの皆様のお声を聞かせていただきたく、アンケートフォームと不具合報告フォームをご用意しています。
各フォームのリンクは、『初音ミク NT』の導入手順ページの中に記載しておりますので、「購入製品一覧」ページの製品欄にある「導入/認証情報」ページからご確認ください!皆様のご意見をお待ちしております。
よくあるご質問(FAQ)
さてここからは、『初音ミク NT (Ver.2)』の公開後にユーザーの皆様から寄せられたご質問の中から、特に件数の多いものを4つご紹介します!
またその他のご質問や、使い方についてのサポートはテクニカルサポート窓口にて承っておりますので、ご不明点はお気軽にお問い合わせください。
質問その1
すでに『初音ミク NT』を持っています。バージョン2は無料で使用できますか?
『初音ミク NT』の既存ユーザー様は、バージョン2を無料でお使いいただけます!
すでにバージョン1をお使いの方でも、バージョン2へのアップデートで追加料金がかかることはありません。
質問その2
『初音ミク NT』をバージョン2にアップデートしても、バージョン1は引き続き使えますか?
お使いいただけます。お手元のバージョン1のインストーラを使ったインストールや認証も引き続き行っていただけます。
ただし、バージョン1のインストーラ&アップデータのご提供は終了しておりますので、今後新たに入手いただくことはできません。
質問その3
現在『初音ミク NT』を持っているのですが、どうやってバージョン2にアップデートするんですか?
SONICWIREに『初音ミク NT』の製品登録がお済みかどうかで取得方法が異なります。
■SONICWIREに製品登録がお済みの方/ダウンロード版をお求めいただいた方
- 「購入製品一覧」ページへとアクセスします。
- 「HATSUNE MIKU NT」「HATSUNE MIKU NT / UPG DL」など、既にご登録済みの『初音ミク NT』のライセンスがあることを確認します。
- ライセンスの欄の下にある [導入手順] をクリックします。
- 表示されたページに記載された内容に沿って、導入をお進めください。
■これから製品登録をされる方
※パッケージ版や、弊社以外のショップにてダウンロード版をお求めいただいた方が対象です。SONICWIREサイト内で製品をお求めいただいた場合は自動で登録されますので、こちらに該当することはございません。
※『初音ミク NT』のご購入後にインストールを行われたことがある場合、SONICWIREへの製品登録はお済みです。
質問その4
バージョン1の作業ファイル(.ppsf)は、「Piapro Studio NT2」でもそのまま開けますか?
そのままではご使用いただけない可能性があります。
「Piapro Studio NT」「Piapro Studio NT2」は、どちらも作業データを「.ppsf」形式で保存していますが、これら2つのソフト内で使用されるパラメーターの仕様や種類は大きく異なっています。そのため、バージョン1の「.ppsf」ファイルをそのままバージョン2でロード(その逆も同様)した場合は、パラメータの設定が正しく反映されないことがあります。
万が一そのようなロード方法を行ったことにより当初調整していた表現などが崩れてしまった場合は、お手数ですが再調整いただくか、作業データを作成したバージョンの「Piapro Studio」での編集をお願いいたします。
機能も利便性も広がった、新しい「初音ミク」
ここまで見てきたように、『初音ミク NT』はバージョンアップによって、実制作での使いやすさ・柔軟性が大きく向上しました。特に目玉機能である「Automatic Control」は、細かな調整を手早く行いたいユーザーにも、時間をかけて音作りを突き詰めたいユーザーにも対応できるよう設計されています。
これまで『初音ミク NT』を使ったことがない方も、まずは「Original++」ライブラリーを39日間お使いいただける体験版をぜひお試しください。
もちろん『初音ミク NT(Ver.2)』の開発・改良は引き続き行われており、皆様の創作体験をより良くできるよう、開発チーム一同で取り組んでまいります。アップデート情報はサポート情報ページやPiapro Studio 公式サイトで都度公開していますので、ぜひご確認ください!
これまでにご紹介したように、バージョン1をご利用中の方は無料でバージョン2にアップデートいただけます。ぜひ『初音ミク NT (Ver.2)』を活用してみてください!その作業効率や表現の幅に、きっと「違い」を実感していただけるはずです。
folder NEWS, SONICWIREニュース, Virtual Singer, クリプトンDTMニュース, ソフト音源