

【ソニコン ゲスト審査員】作曲家”ハマダコウキ”氏、スペシャルインタビュー!
SONICWIREが主催する楽曲コンテスト「ソニコン SONICWIRE CONTEST 2025 – 歌モノ編 -」が、2025年3月18日(火)よりスタート!
今回、ソニコンのゲスト審査員を務める作曲家”ハマダコウキ”氏にスペシャルインタビューを実施しました。
現在も社会人として働きながら、人気アニメの楽曲提供、ボカロP活動、バンド活動と多方面で活躍するハマダコウキ氏。その音楽制作の原点に迫ります。
音楽との出会いは「ゆず」
– まずは音楽との出会いと、音楽を始めたきっかけを教えて下さい!
ハマダ:小学5〜6年生くらいの頃に、親がたまたま買ってきたゆずさんのベストアルバムを聴いて、すごくハマったのが音楽との最初の出会いです。そこからはもうずっと聴いていて憧れだったので、「ギターをやってみたい!」って親に伝えて、中学に入る直前のタイミングにアコースティックギターを買ってもらい音楽をはじめました。
中学時代も変わらずゆずさんが好きだったので、当時リリースしていた確か300曲ぐらいは全曲アコギで暗譜してましたね。
– ゆずさんに強く惹かれたところは何だと思われますか?
ハマダ:今となっては明確には覚えていないんですが、ゆずさんの後にJ-POP/J-ROCKに分類されるアーティストやバンドを好きになっていったので、やはりメロディーがしっかりあるところに惹かれたのかなって感じます。
– 中学校のご友人でギターなど音楽をされている方はいましたか?
ハマダ:周りでは僕が最初だったので、友達に声をかけて一緒に演奏してみたり、皆で文化祭に出て披露したりはしていました。
あとは、友達の友達でエレクトーンをやっている子がいて、その子がエレクトーンの流れで既にDTMをやっていたんです。そのときに「曲って作れるんだ!」って思って、その頃からなんとなく作曲を意識するようにはなっていました。
– 音楽制作をされるようになったのはいつ頃からでしょうか。
ハマダ:中学2年生くらいの頃にニンテンドーDSの音楽ゲーム「大合奏!バンドブラザーズ」をよく遊んでいて、ゲーム内の作曲機能を使って耳コピや打ち込みをし始めたのが最初の音楽制作だと思います。
そのあと高校に上がって自分のノートパソコンを買って、最初は好きな曲のカバーアレンジから始めて、高校1年生の終わり頃からVOCALOIDを使ったオリジナル楽曲の制作と投稿を始めました。
– 若くしてボカロP活動をされていたんですね!当時の覚えてるエピソードはありますか?
ハマダ:ボカロ曲を投稿し始めてから、ちゃんと聴いてもらえるんだなっていう印象はありました。それと、当時2曲目か3曲目を投稿した時点で「メロディメーカーだ」というコメントをもらって「自分ってメロディメーカーなんだ…!」と思った記憶があります。
会社員を続けながら人気アニメソングを手掛ける作曲家に
▲ハマダ氏が作曲・編曲を手掛けた、アニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』のエンディング主題歌「ヒロガリズム」のエンディング映像は、現在YouTubeで800万回再生を突破し、広く注目集めている。
– 高校から大学に進まれて、卒業後は就職の道に進まれたんでしょうか。
ハマダ:ボカロPとしての活動は続けながら、大学卒業後は一般企業に就職しました。就職して上京したタイミングでバンド活動も始めたり、曲作りは相変わらずすごく好きだったんですが、新卒2〜3年目までは「作った音楽がお金になって仕事になる」みたいなイメージは全然湧かないまま過ごしていました。
– そこから、作家としての活動をスタートされたきっかけを教えてください。
ハマダ:新卒3年目くらいの時期に、音楽仲間10人ぐらいで草津に温泉旅行に行ったのがきっかけです。友達の中には、既にメジャーシーンで活躍してる子もいたりして、そこで「せっかくみんなで行くなら、旅先で曲を作ろう」という流れになって。
当時も作曲は好きでずっと続けていましたが、それがプロに通用する訳ないという少し諦めた気持ちもありました。ですが、いざ作ってみるとお題に対して曲を作るというのが「割とできるぞ」っていう感覚と、周りの人達と比べても負けている訳ではない気がして。ちょうどその時に「作家向いてるんじゃない?」って勧めてもらって、今の事務所に入ったという感じです。
– 以前ご出演されていたラジオ番組で、週四で働きながら制作されているとお聞きしました。現在でもお仕事は続けていますか?
ハマダ:今はちょっと減らして週三で働いています。今朝も会社の人とミーティングして、データを納品して、午後にこのインタビューを受けて…という感じで働いています。自分の場合は人と話さないとメンタルがダメになるので、この働き方が合ってるなと思っています。
– 仕事と制作を両立する上で意識されていることはありますか?
ハマダ:寝ないとパフォーマンスが落ちちゃうので、「絶対に寝る」っていうのは決めています。
あとは「無理せず立ち止まらない」ことですかね。信頼を得るためにはサボらず努力し続けないとダメですが、無理して動けなくなると元も子もない。
自分の場合はメロディを考えるのが全く苦じゃなくて、移動中やお風呂などで四六時中メロのことを考えてしまってます。これは人によっては凄く努力してるように見えると思うのですが、自分的にはそこまで頑張ってる感覚はなくて。
周りと比較して自分を奮い立たせるのも大切ですが、自分が続けられるところに努力値を振るのが良いんじゃないかな〜という気がしますね。自分は憧れた人のようにはなれなかったですが、他の人も自分のようにはなれないという自信も持つようにしています。
– 作家としての活動の比重を増やされてから、心境の変化があればお伺いしたいです。
ハマダ:会社員でも同じですが、「すごく努力しているのになかなか評価されない」みたいなことってあったりするじゃないですか。ボカロPや音楽活動も同じで、良い曲が作れたからといって、必ずしも曲が評価されたりバズったりする訳ではなくて。
アニメのテーマソングなどに携わる機会が増えましたが、評価を受ける前後で音楽に対する取り組み方や努力の仕方が変わった感覚はありません。自分の作曲やメロディに対する意識と今いる環境が非常にマッチしてるんだなと感じていて、そういう「自分を評価してくれる環境」に出会えたことはとても運が良かったなと思っています。今自分はチャレンジャーの時期だと思うので、機会をいただければなんでも挑戦したい気持ちですね。
審査員として「誰かの何かのきっかけになれたら」
– 2022年のソニコンで特別賞を受賞されましたが、当時の率直な感想をお聞かせください!
ハマダ:それこそ、作家としてデビューする直前にソニコンに応募して特別賞をいただいたんですよね。ちょうど自分がアニソン的な文脈にはまるのかを試行錯誤していた時期に作った曲が、受賞した「曖昧なミュージック」だったんです。
狙った作風が評価を受けて、手応えを感じましたね。さらに、審査員の皆さんから「メロディが良い」というコメントをいただき、「やっぱり俺の強みはメロディなんや!」と実感したのを覚えています。とても嬉しかったですね。
– ゲスト審査員として参加されるにあたって意気込みをお伺いしたいです!
ハマダ:はい。大変恐れ多いです。「この審査員の中に俺が並んでいいの…?」という気持ちもありますが、僕がソニコンがきっかけでアニソンやゲーム楽曲を作れるようになったように、自分が審査することで誰かの何かのきっかけになれたら良いな、という気持ちで務めさせていただきます!
– 最後に、今回ソニコンに参加される方へメッセージを頂きたいです。
ハマダ:まず、出してみましょう!!!曲を作って誰かに聴いてもらう、これが出来る人間は本当にごくごく僅か、それだけでSSRです。自分はこれが好きなんだという熱は、きっと伝播していきます。良いきっかけになると思うので、ぜひ皆さんの熱と癖がこもった作品を聴かせてください!
SONICWIREが主催する楽曲コンテスト「ソニコン SONICWIRE CONTEST 2025 – 歌モノ編 -」が、2025年3月18日(火)よりスタート!皆さん奮ってご応募ください!

高校時代からVOCALOIDを使用したオリジナル楽曲を動画投稿サイトにて公開し始め、2018年から3ピースバンドLemontic(レモンチック)のギター・ボーカルとして活動。
作詞作曲、編曲、プロデュースのほか、映像制作なども担当。
キャッチーなメロディラインとキラキラしたサウンド、バンド編成のアレンジを得意とする。
また音楽制作の傍らITベンチャー企業の役員も務めるなど、異色のキャリアを積み上げている。
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