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#11【超入門】溜めと連打を操ろう!ドラムのフレーズをアレンジ!

2026年4月1日 10:57 by sua

前回の記事では、楽曲の表現力をアップさせるための基本的なアレンジ作業の例を解説しました。
本記事では、アレンジ作業の1つであるドラムフレーズのアレンジに焦点を当てて、より詳しく解説します。

 

 

1. ドラムのフレーズアレンジ

 

まず、作曲段階で制作した基準となるドラムのフレーズを確認します。

 
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現在はこれをただ最後まで複製しているだけですが、ここから曲の盛り上がりに合わせて、音数を増やしたり、叩く楽器を変えたりして変化をつけていきます。
 

今回のデモソングでは、曲の展開を以下のように分けてアレンジしました。

 
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また、上図の展開の変化に応じて追加したドラムの楽器音は以下の通りです。

 

  • バスドラム     : 基準の「A0」以外に「B0」と「C1」の音色も使用
  • スネアドラム    : 基準の「A#0」以外に「D1」の音色をダブリング用に使用
  • クラッシュシンバル : 第1セクションから第2セクションへの移行パートから使用
  • ライドシンバル   : 第2セクションからビートを刻む用途で使用
  • タムタム      : 次の小節への切り替わりを強調する用途で使用

 

次に、各楽器をどのようにアレンジしていくかについて、考え方の例を解説します。

 

2. タメと連打を組み合わせる

 

ドラムなどの打楽器系のフレーズをアレンジする際は、次の音を鳴らすまでの「タメの長さ」を変化させることや、短い間隔で連続して音を鳴らす「連打フレーズ」を組み合わせていくことで、より複雑なフレーズを作ることができます。
 

例えば、3小節目のバスドラム(A0)とスネアドラム(A#0)のフレーズを確認してみます。3拍目(3.3)までは1拍ずつ規則正しく音が鳴っていますが、3拍目のバスドラムの次の音が鳴るまでは、3/4拍(矢印箇所)しかタメておらず、タメの長さを意図的に変化させています。そして16分音符の3連打(青枠)に繋がり、最後は1/2拍分しかタメずに音を鳴らすという、タメの変化と連打を組み合わせたフレーズにしています。

 
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ただし、複雑なフレーズを多用しすぎると曲の展開にメリハリがなくなってしまいます。規則的でシンプルなフレーズと、タメや連打を取り入れた複雑なフレーズを組み合わせて、メリハリを意識して構築することを推奨します。

 

3. セクションと小節の切り替わりを演出

 

曲の展開が変わるタイミング(Aメロからサビへ行く直前など)には、「ここから展開が変わる」ということを強調するために、ドラムの手数を増やして盛り上げる、いわゆる「フィルイン」と呼ばれるテクニックを使います。
 
デモソングでは、展開が切り替わる5小節目にクラッシュシンバル(C#2)の派手な音を追加したり、小節の最後にタム(B1,G1)の「ドドン」という音を入れて、小節の切り替わりを強調しています。

 
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また、普段は一定のリズムを刻んでいるバスドラムとスネアについても、手数を増やしています。
このように、ドラム全体の密度を上げることで、曲の展開にメリハリが生まれます。

 

4. ビートを刻む音を追加

 

曲の展開が変わったことを伝えるには、ハイハットやライドシンバルなどの「ビートを刻む音」を登場させるのが効果的です。
 
デモソングでは、後半の6小節目からライドシンバル(D#2)の音で8ビート(8分音符を主体としたリズムのこと)を刻んでみました。

 
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今回は「途中からビートを足す」ことで盛り上げましたが、逆に「最初は刻んでおいて、静かな場面で抜く」という引き算のアプローチも有効です。「どこで盛り上げたいか」に合わせて、シンバル系楽器の抜き差しを調整してみましょう。

 

5. 同じ楽器の異なる音色を組み合わせる

 

実際の打楽器では、楽器を叩く位置や速さ、叩いた後の処理の違いなど、叩き方によって音の鳴り方が変化します。例えば同じバスドラムでも、フットペダルを踏んで音を鳴らした後に足を離すタイミングで、音の余韻が変わったり、引き締まった音になったりします。
 
今回のデモソングで使用しているドラム音源には、音の余韻が異なるバスドラムの音が複数収録されています。毎回同じバスドラムの音を鳴らすのではなく、余韻の違うバスドラムの音色を組み合わせて使うことで、また違ったグルーヴ感を演出することもできます。

 
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また、スネアドラムについても「A#0」と「D1」で異なる音色が収録されていましたので、同じタイミングで異なる音色のスネアドラム音をダブらせて、アクセントをつけるような使い方をしました。

 
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なお、ダブらせるための音はわずかにノートを後ろにずらし、ベロシティ(音の強弱を調整できるパラメータ)を下げて微かに聞こえる程度に調整しました。これによって、隠し味としてメインのスネアに馴染み、自然なアクセントになります。
 

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今回のデモソングで使用したフレーズのアレンジ手法は以上です。これらの手法を組み合わせることで、デモソングのドラムフレーズのようなアレンジが可能です。ぜひ様々な音源や楽器の音色を使って、ユニークなリズムトラックを作ってみてください。

 

 

 

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