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#10【超入門】楽曲の表現力をアップ!アレンジ作業の基本的な流れ!

2026年4月11日 18:53 by sua

前回の記事では、コード進行の作り方を解説しました。
今回はアレンジの手順について、概要を解説します。

 

 

1. アレンジについて

 

曲作りにおけるアレンジとは、骨組み状態の曲から最終的な完成イメージを形にする工程です。
 
曲の構成(Aメロ、Bメロ、サビなど)に応じてリズムフレーズを細かく編集し、グルーヴ感(音楽のリズムが生み出す、心地よいノリのこと)や展開を作ります。また、エレキギターをメインにしてロック調にするなど、楽曲をどのように聴かせたいか調整します。

作曲(骨組み)状態を確認

 

 
前回の記事までに作成したリズム、メロディ、ハーモニーの骨組みを確認します。コード進行による展開の変化はありますが、リズム感が一定で曲の雰囲気も変わりません。物語性が薄く、どのような楽曲なのか伝わりにくい状態です。
 

今回のデモソングでは、この骨組みの状態から以下のアレンジ作業を行いました。
 

  • ドラムのフレーズアレンジ
  • ピアノのフレーズアレンジ
  • リズム用楽器にベース音源を追加
  • ハーモニー用楽器にストリングス音源を追加
  • 装飾フレーズとしてグロッケン音源を追加

アレンジ作業後

 

 

これら5つのアレンジ作業により、デモソングがバラード調の楽曲に仕上がりました。
 
冒頭はゆったりと落ち着いた雰囲気で始まります。5小節目の階段状のコード進行を利用し、6小節目から徐々に演奏の手数や勢いを増します。最後は明るく爽快感のある雰囲気で締めくくります。全9小節の短い楽曲の中に、3段階の印象変化を感じさせる展開を作りました。

 

2. フレーズのアレンジ

ドラムのフレーズアレンジ

 

リズム用トラックにはドラム音源を使用しています。しかし、作曲段階では基準となるフレーズを繰り返しているだけで、ドラムらしいフレーズにはなっていません。

 
作曲講座ブログ用
 

これは曲の方向性が決まっておらず、ドラム音源を仮の状態で使用していたためです。
 

そのため、アレンジ作業において正式にドラム音源を採用しました。ループフレーズの状態から、コード進行の展開をより明確に印象付けるフレーズアレンジを行いました。

  • コード進行の展開に応じて既存ノートの配置タイミングを調整
  • 5小節目からシンバル音を使用
  • 5小節目以降、2小節ごとの小節切り替わりタイミングでタムタム音を使用
  • 6小節目からハイハット音を使用
  • アクセントとしてスネアドラムのダブリング(同じ音を2つ以上重ねる)箇所を設ける

 
作曲講座ブログ用
 

ノートと楽器音の対応など、各アレンジの詳細については別記事で解説します。画像からも、前半と後半で音数が異なっていることが分かります。

ドラムフレーズのアレンジ後

 

 

これが今回のデモソングにおける最終的なドラムアレンジです。

ピアノのフレーズアレンジ

 

次にピアノのフレーズアレンジです。作曲段階ではコード進行を確認するため、次のコードに切り替わるまで音を伸ばした最低限の状態になっています。

 
作曲講座ブログ用
 

ハーモニー用のメイン音源としてピアノを正式に採用します。コード進行用トラックを複製し、新たにピアノのフレーズアレンジ用トラックを作成して以下のアレンジを行いました。
 

  • 各コードの構成音を鳴らすタイミングや数を増やす
  • 2オクターブ下の低音領域にノートを追加する

 
作曲講座ブログ用
 

アレンジの方向性は2種類ですが、最終的なノートの構造は複雑になります。
 
最初から複雑なフレーズを想定して編集したわけではありません。メロディやドラムを含めた全体の雰囲気を確認し、物足りない箇所へコード構成音を徐々に増やします。その結果として最終的なフレーズ構造が完成します。
 

フレーズアレンジは一期一会
フレーズアレンジはその時の感性で形作られます。完成した音源を模写しない限り、全く同じフレーズを再度作ることは困難です。

ピアノフレーズのアレンジ後

 

 

これが今回のデモソングにおける最終的なピアノアレンジです。

 

3. リズム、ハーモニー用にサブ楽器を追加

 

リズム用とハーモニー用のメイン楽器のアレンジが完了しました。続いて、それぞれのパートにサブ楽器を1つずつ追加します。

リズム用楽器にベース音源を追加

 

まず、リズム用楽器として超低音を支えるベース音源[GM 034]Electric Bass (Finger)を追加します。
 
超低音域を担当するベース音源で和音を弾くと、音が濁りコードの輪郭がぼやけます。そのため、基本的にはコードの根音(ルート音)を支える役割として単音でノートを配置します。

 
作曲講座ブログ用
 

ドラムのフレーズに合わせてノートを散らし、ベースラインにリズミカルな動きを与えます。ベース音源の追加により、デモソング全体の音域がC0まで拡張されました。

 

ハーモニー用楽器にストリングス音源を追加

 

次に、ハーモニー用楽器として音の広がりを拡張するストリングス音源Angel & Strings NoteExpを追加します。

 
作曲講座ブログ用
 

ストリングスのフレーズは、基本的にコード進行をそのまま踏襲します。同音程が続く箇所は結合して音を伸ばします。メインのピアノとは対照的に、動きの少ないフレーズに調整してください。

 

 

4. 装飾フレーズを追加

 

ドラム、ピアノ、ベース、ストリングスといった曲の土台を支えるパートとは別に、装飾フレーズを追加します。

 

装飾フレーズがなくても楽曲は成立します。しかし、アクセントとして取り入れることで派手さはなくとも印象に残る効果を生み出せます。

装飾フレーズとしてグロッケン音源を追加

 

装飾フレーズにはグロッケン(鉄琴)音源Glowing Brightを使用します。

 
作曲講座ブログ用
 

ノートの配置は非常にシンプルです。Glowing Brightはエフェクト処理をせずとも、最初からディレイ(やまびこのように音を繰り返す効果)が含まれています。楽曲の雰囲気をサポートする良いアクセントになるため、装飾フレーズとして採用しました。

 

 

5. 全楽器のアレンジフレーズを重ね合わせる

 

ドラム、ピアノ、ベース、ストリングス、グロッケンの5つのアレンジフレーズを重ね合わせます。これで本記事冒頭の「アレンジ作業後」の楽曲が完成します。

 

 

曲は楽器フレーズの集合体
個別のフレーズ単体では頼りなく聴こえる場合があります。しかし、すべての楽器が組み合うことで、理想のイメージが形になり1つの楽曲として完成します。

 

最初から完成形を100%イメージできなくても問題ありません。基準となるフレーズを作り、様々な楽器でアレンジを積み重ねることで、最終的に楽曲を完成させることができます。

 

>次の記事:#11【超入門】溜めと連打を操ろう!ドラムのフレーズをアレンジ!

 

次の記事では、ドラムのフレーズをアレンジする際のポイントを解説します。