#11【超入門】溜めと連打を操ろう!ドラムのフレーズをアレンジ!
前回の記事では、楽曲の表現力を向上させる基本的なアレンジ手法を紹介しました。
今回は、ドラムフレーズのアレンジに焦点を当てて詳しく解説します。
1. ドラムのフレーズアレンジ
まず、作曲段階で制作した基準となるドラムフレーズを確認します。

現在は基準フレーズを最後まで複製した状態です。曲の展開に応じて、使用する楽器の増減や小節内の手数を増やすなど、パートごとに編集を加えていきます。
今回のデモソングにおけるパート分けは下図の通りです。

アレンジ作業で追加したドラムの楽器音は以下の通りです。
- バスドラム : 基準の”A0″以外に”B0″と”C1″の音色も使用
- スネアドラム : 基準の”A#0″以外に、ダブリング用として”D1″を使用
- クラッシュシンバル : 第1サイクルから第2サイクルへの移行パートから使用
- ライドシンバル : 第2サイクルからビートを刻む用途で使用
- タムタム : 次の小節への切り替わりを強調する用途で使用
次に、各楽器音を追加する際の考え方とフレーズアレンジの例を紹介します。
2. 溜めと連打を組み合わせる
打楽器系のフレーズアレンジでは、次の音を鳴らすまでの溜めの長さの変化と、短い間隔で鳴らす連打フレーズを組み合わせます。これにより、複雑で躍動感のあるフレーズを構築できます。
3小節目のバスドラム(A0)とスネアドラム(A#0)を確認してください。3拍目(3.3)までは1拍ずつ規則正しく鳴っています。しかし、3拍目から4小節目にかけての2拍間で、3/4拍(矢印箇所)の溜めから1/4拍の3連打(青枠)へ繋げ、最後は1/2拍分の溜めを置いています。

3小節目のクラップ(D#1)はスネアドラムと同じタイミングで鳴っています。楽器ごとに溜めの長さや連打のタイミングを変えることで、さらに深みのあるフレーズを構築可能です。
複雑なフレーズの多用は曲のメリハリを損なう要因となります。規則的でシンプルなフレーズと、溜めや連打を取り入れた複雑なフレーズをバランスよく組み合わせることが重要です。
3. サイクルと小節の切り替わりを演出
セクションの切り替わりやサイクルの移行では、使用楽器や手数を増やしてポイントを強調します。これにより、曲の展開をわかりやすく印象付けることができます。
デモソングでは、第1サイクルから第2サイクルへ切り替わる5小節目に、クラッシュシンバル(C#2)を追加しました。さらに5小節目終盤の4拍目からタムタム(B1, G1)の2連打を入れ、小節の切り替わりを強調しています。

また、画像下部のバスドラムとスネアドラムは、1小節内で3連打→2連打→4連打と連打数と溜めの長さを変化させています。1小節を通した複雑なフレーズによって、セクションの移行を際立たせています。
4. ビートを刻む音を追加
セクションやサイクルが切り替わるタイミングでビートを刻む音を追加すると、展開の明示に有効です。
デモソングでは第2サイクル(6小節目~)から、ライドシンバル(D#2)による8ビートのリズムを追加しています。

今回は基準フレーズに後から音を追加しましたが、最初からビートを刻む音を入れておく手法もあります。逆に、最初はビートのみのシンプルな構成にし、後からバスドラムやスネアを追加してグルーヴを強化するのも効果的です。
完成イメージに合わせて、最適なタイミングでアレンジを加えてください。
5. 同じ楽器の異なる音色を組み合わせる
実際の打楽器は、叩く位置や速さによって音が変化します。例えばバスドラムの場合、ペダルから足を離すタイミングで余韻の長さや引き締まり方が変わります。
デモソングで使用したドラム音源[GM 134]Rock kitには、余韻の異なるバスドラムが複数収録されています。これらを使い分けることで、よりリアルなグルーヴ感を演出できます。

また、スネアドラムも”A#0″と”D1″に異なる音色が収録されています。これらを同じタイミングで鳴らす「ダブリング」を行い、アクセントを強化しました。

ダブリング用のノートは、ごくわずかに後ろへずらし、ベロシティを下げるのがコツです。微かに聞こえる程度に調整することで、効果的なアクセントとなります。

今回紹介した手法を組み合わせることで、表現力豊かなドラムフレーズを作成できます。様々な音源や音色を試し、独自のユニークなリズムトラックを構築してください。
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