音が出ない!困った時の確認ポイント3選!
DTMをやる上で時折起こってしまう「機材トラブル」ですが、そんな中でもありがちなのは「音が出ない」というシチュエーション。
「新しく買った機材を接続したら音が出ない」「昨日まで普通に使えていたのに突然音が出なくなった」といったトラブルはつきものですし、弊社テクニカルサポートでも「OSを更新したら…」といったようなお問い合わせが見受けられます。
今回はDTMをやる上で、そんな「音が出ない」状況から脱却するチェックポイントを3つのステップに分けてご紹介します。
なお、本記事ではオーディオインターフェースを使用している環境を想定していますが、PCにイヤホンやスピーカーを直接接続して使用している方にも共通するポイントが多いので、ぜひご覧ください!
まずは電源周りや、基本的な接続状況をしっかり確認
音が出ない時は、まず「オーディオインターフェース(以降「インターフェース」)周りの電源や、ケーブルの接続が正しい状態になっているか」をチェックしましょう。
上級者でもやりがちなミスですし、これが正しく実施されていない限りはどんなことをしても音は出ません。特に直近で機材の入れ替えやケーブルの挿し替えがあったとすれば、なおさら起こりがちなミスでもあります。
チェックポイント
- インターフェースやスピーカー(またはヘッドホン)の電源が入っているか
USB給電のインターフェースでも、本体側に電源スイッチが搭載されていることがあります。
- インターフェースとPCは確実に接続されているか
USBが半挿しになっていたりすることも…。
- インターフェースとスピーカーは確実に接続されているか
ヘッドホンをフットスイッチの端子に挿し込んでいるなど、インターフェースの正しい端子に挿し込まれているかも要確認です。
- スピーカーの電源が入っているか
ACアダプターの接続もしっかり確認しましょう。
上記の基本的な接続がしっかり行われている場合は、「ハードウェアかソフトウェアに起因している可能性がある」と断定できるので、まずは基本的な見落としが無いかをしっかり確認しましょう!
ハードウェア周りを確認
基本的な確認が済んだら、次はハードウェア(インターフェース、スピーカーなど)の故障や設定ミスの可能性を潰していきます。
チェックポイント
- PCやインターフェース、スピーカー側で音量を0にしていないか
インターフェースによってはミュートボタンが搭載されていることもあります。
- インターフェースはPC本体に直接接続しているか
USBハブなどに挿している場合は、電力不足でインターフェースが正しく動作しないことも少なくありません。電源が入っているように見えても、PC本体が認識しないこともあります。
- インターフェース、スピーカー、ケーブル、各種接続端子などが故障していないか
特に最後については確認に時間がかかるので、じっくり確実にやってみましょう。例えば、インターフェースやスピーカーなど一式そのままを他のPCに接続して音が鳴る場合は、PC本体や給電方法に問題があると断定できます。
逆に他のPCに接続しても音が出ない場合、インターフェースやスピーカー本体、またはケーブルの断線などが疑われます。
同じPCでも、接続するUSBポートを変更して音が鳴るようであれば端子の故障やコントローラーチップの相性問題が疑われますし、疑わしい箇所を1つずつリプレイスする方法で原因を特定していきましょう。
特にケーブルは消耗品のため、取り回しなどによっては寿命が短くなりがちです。故障する可能性の高いパーツからリプレイスを試みれば、最も効率的にチェックを進められます。
ちなみに筆者がハードウェアの問題を確認する時は、以下のような順番でチェックしています。
- ケーブルを交換する
インターフェースのUSBケーブル、スピーカーやヘッドホンのケーブル、変換アダプターなど。これにより音が出る場合は、ケーブルに原因があったことになります。
- 接続箇所を変えてみる
PC側のUSBポートなど。インターフェースにスピーカー&ヘッドホンの接続端子が複数ある場合は、挿し替えも試します。これにより音が出る場合は、元々ケーブルを挿し込んでいた箇所やPC側の設定が原因になっている可能性があります。
- ヘッドホンやスピーカーを別の機器(音楽プレイヤーなど)やPC本体に直接接続してみる
これによってヘッドホンやスピーカーから音が出る場合は、音響機器に問題が無いことが分かります。
- インターフェースを別のPCに接続したり、別のインターフェースを接続して音が出力されるか試す
「インターフェースを他のPCに接続すると音が出る」「PCに他のインターフェースを繋いでも音が出ない」場合は、PC本体に問題がある可能性があります。逆に「インターフェースを他のPCに接続しても音が出ない」「PCに他のインターフェースを繋ぐと音が出る」場合、インターフェースに問題がある可能性もあります。
ソフトウェア周りを確認
いずれの機材も故障していないことが確認できたのにまだ音が出ない場合は、ソフトウェア側の設定に起因している可能性があります。
一通りのハードウェアをPCに正しく接続し、PC内のサウンドに関連する設定を1つずつチェックしていきましょう。
チェックポイント
- 音声の出力デバイスが正しく設定されているか
特にDAWなどでは、OSの出力デバイス設定に関わらず個別に出力先を選択可能なものが多いです。特定のソフトだけ音が出ない現象が発生している場合は特に要チェックです。
出力先が複数列挙されるインターフェースの場合は、1つずつ選択して音が出ないかどうか確認しましょう。
- オーディオドライバーや付属ソフトウェアの再インストール
最新OS(特にmacOS)では互換問題が発生しがちです。稀に、あえてバージョンの古いドライバーを入れることで解決することもあります。
その他必要に応じて、インターフェース本体のファームウェアなどのアップデートが無いかもチェックしましょう。
- (DAWで音が出ない場合)マスタートラックのボリュームが下がっていたり、試用期間が終了した体験版プラグインがインサートされていないか
プラグインによっては、試用期間終了後に全く音を出力しなくなるものがあります。マスタートラックの他にも、各トラックがミュート・ソロモードになっていないか、プラグイン内のミュート機能がオンになっていないかなども確認しておきましょう。
- 他のアプリケーションがオーディオデバイスを専有していないか
PCの設定や使用するデバイスによっては、「排他モード」と呼ばれる機構によって同時に1つのソフトウェアでしか発音できないことがあります。他にサウンドを発している・発する可能性のあるソフトを全て閉じてみてください。
ソフトウェアの確認まで全て済ませても音が出ない場合、インターフェースのドライバーがお使いのOSに対応していないか、一緒にインストールされているその他ソフトウェアとの互換問題、またインターフェース本体の故障などが疑われます。
またWindowsの「OSの再起動」や、Macの「PRAM(NVRAM)リセット」や「SMCのリセット」など、蓄積しているキャッシュや設定をクリアするような操作で解決することもあります。
特定の環境固有でトラブルが発生することも十分にありえるため、(可能であれば)複数のPCを用意して動作の比較をするのもトラブルシューティングの常套手段です。もしも環境固有であると判断できた場合、最後の手段として「OSの再インストール」も選択肢に入ってくることも覚えておきましょう(バックアップを忘れずに!)。
PCのトラブルでは「冷静になる」ことが大切です
今回ご紹介した「音が出ない」状況に限らず、PCにまつわるトラブルへの対処は「とりあえず冷静になって、様々な可能性を模索しながら1つずつ地道に試す」ことが第一です。パニックになったり力ずくで解決しようとすると、状況がさらに悪化してしまうことも珍しくありません。
まずは一呼吸置いて、直近で設定や構成に変更を加えていないか、新しいソフトをインストールしたりしていないかを考えましょう。思い当たる節があって元の状態に戻せそうな場合は、正常に動いていた最後の状態に戻すことも検討してください。
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