【音効ピックアップ】UXを聴覚から向上!「インターフェース」サウンド特集
はじめに
突然ですが、筆者は子供の頃から古めのSF映画が好きで、色々な作品を観る中でも共通して心が躍るシーンがあります。
それは「空中に浮かぶ蛍光色のラインでできたキーボードや計器を、指や超能力で操作するシーン」です。
バーチャルなキーボードが打鍵されたり計器のメーターが動くたびに鳴る、あのアナログシンセサイザー的な「ピコピコ」音は、いくつになってもロマンを感じさせるものです。
今ではARゴーグルとバーチャルデスクトップにより、「空中に浮かぶディスプレイを操作して、しかも操作音が出る」という体験は、SF映画の世界を飛び出し、いつの間にか現実のものとなりました。操作音も非日常的な派手なものというより、日常に溶け込むスタイリッシュなものがメジャーになり、筆者としては、納得はしつつも少し寂しい気持ちでいます。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、デジタルなUI(ユーザーインターフェース:ユーザー体験の媒体となる操作画面)には、大抵の場合、それに見合う「操作音」が当てられています。
「カチャカチャ」という音からキーボードの打鍵を想像するように、また「パラパラ」という音から本のページがめくれる様子を想像するように、私たちは「動作」と「サウンド」が結びついている経験をもとに、「サウンド」を聴くだけで「その動作」をイメージします。
ただ、デジタルデバイスではキーボードや本のようにはいきません。操作音をミュートにしていた場合、タップやフリックといったデジタルな操作をしても、指とデバイスが物理的にぶつかり合うコツコツという音が部屋に響くだけで、少なくとも聴覚からは「文字を入力する」や「資料のページをめくる」といった動作の意味をイメージすることは非常に難しいです。
そのため、「タップ」や「フリック」といったユーザーによる操作に「それらしいサウンド」で意味を与えることは、特にデバイスに慣れていない人を意識する場合、ユーザー体験の面で非常に重要になってきます。
「それらしいサウンド」が出るのは単純な操作の時だけではありません。例えば、USBの取り外しに失敗した時には、何とも気の滅入るサウンドがポップアップと共に飛び出してきます。これは「ユーザーの行動によって、何かまずい事が起きている」と知らせるために、あえて気が滅入るサウンドを当てているのです。
本記事では、このような「インターフェースを想定して作られたサウンド」を収録した効果音パックの中から、ソフトウェアの映像同期サウンドや、映像作品やゲームのサウンドとして商用利用可能な、比較的新しい製品を厳選して紹介します。
『USER INTERFACE FX COLLECTION』
これぞUIサウンド集!様々なサウンドを集めた総合パッケージ
『USER INTERFACE FX COLLECTION』には、モバイルゲームやユーティリティツールのインターフェースに適したベーシックなショートサウンドが大量に収録されています。
サウンドは「スワイプ」「ポップアップ」「シャットダウン」などの操作や「受信」「送信」「勝利」「敗北」などのシチュエーション別にタグ付けされており、デジタルなシンセサウンドからアナログな素材をイメージしたサウンドまで様々です。
収録サウンドのほとんどが5秒前後のショートサウンドであるため、プレビューやザッピングも行いやすく、スムーズなワークフローでサウンドを選ぶことができます。
これ一つで様々な場面に対応できる、大容量ながら使いやすさも抜群の網羅的な製品です。
- メーカー:SOUND IDEAS
- カテゴリ:効果音
『MODERN UI』
3,800以上ものデジタルサウンドを収録した大容量UIサウンド集
『MODERN UI』には、「デジタル」「バーチャル」「インタラクティブ」といったイメージのインターフェースにぴったりなサウンドが大容量で収録されています。
「承認」「拒否」「ポップアップ」「選択」などユーザー行動の基本をおさえたサウンドから、インパクト音やフーシュ音、SF的なドローン(持続音)など、シーンを問わないサウンドまで収録。加えて、同じカテゴリのサウンドに対して「ラージ」や「スモール」といった異なるサウンドサイズが用意されており、様々なインターフェースや演出要求にフィットします。
また、制作現場を意識した製品展開に定評がある効果音メーカー“BOOM Library”らしい徹底されたサウンドクオリティも特徴的。「インターフェース向けサウンド」のイメージを覆す、さながらSF映画のようなストーリー性を感じさせるサウンドに仕上がっています。
日常に溶け込むようなIoT製品やユーティリティツールのみならず、没入感が求められる動画作品などのメディアにも対応する、リッチな質感のデジタル効果音集です。
『CASUAL UI』
アナログな質感!ありそうでなかった生録音中心の素材をもとにしたUIサウンド集
『CASUAL UI』には、カラフルな演出が特徴的なカジュアルゲームやYouTubeやTikTokなどで見る解説動画を強く意識した、派手で華やかなサウンドが収録されています。
「フリック」「タップ」「ペアリング」「スクロール」など、ゲームやユーティリティツールで役立つサウンドが網羅的に収録されていることは『MODERN UI』と同様ですが、本製品の最大の特徴は、「生録音を元にしたアナログなサウンド」が充実していることです。
本製品は、ニーズに合わせて3つのバージョンがリリースされています。
そのなかの一つである「CONSTRUCTION KIT版」には、様々なマテリアルをもとにしたサウンドが収録されています。例えば「ダイスを振る音」や「コイントス」「トランプを切る」などのゲームに頻出のサウンド、食器や木材、ウインドチャイムを鳴らすなサウンド、唇を合わせて「ポワッ」と鳴らすコミカルなサウンドなどが、生音ならではの質感を残したまま使い易い形で収録されています。
そのほかに、より汎用性が高くなるように編集されたサウンドが揃う「DESIGNED版」や、「CONSTRUCTION KIT版」と「DESIGNED版」のセットがお得に手に入る「BUNDLE版」もあり、様々なニーズに対応します。
冒頭にあるように、本製品はカジュアルゲームや解説動画が強く意識されています。そのため、ピンポイントな用途で他製品には無いポテンシャルを発揮する効果音ライブラリといえるでしょう。
- メーカー:BOOM Library
- カテゴリ:効果音
- メーカー:BOOM Library
- カテゴリ:効果音
『OPERATION SOUNDS』
日本発!テーマごと、単品でお求めやすい実用効果音集
『OPERATION SOUNDS』は、国内効果音メーカー「ポケット効果音」が展開している装飾音シリーズで、様々なテーマごとにパッケージされたショートサウンドを収録しています。
テーマは「タブレット」「インフォサウンド」「レトロゲーム」など様々で、日本発ブランドならではの、耳なじみが良く汎用性が高いサウンドが特徴です。
また、本製品は一音単位で購入が可能なシングル販売に対応していることも大きな特徴です。
一音ごとにデモを聴いて購入するサウンドをお選びいただけるため、個人で活動するクリエイターやモックアップ用のサウンドをお求めの方にもお薦めです。
- メーカー:ポケット効果音
- カテゴリ:効果音
『OPERATION SOUNDS』シリーズは、本記事の公開時点で実に16製品がリリースされています。ぜひ自分に合うテーマを見つけてください!
いかがでしょうか?今回は「インターフェース」というテーマで、高品質でフレッシュな効果音パックを紹介いたしました。
効果音は「適材適所」。成果物のクオリティに対する要求や様々なリソースの制約に応じて、最大のポテンシャルを発揮するようなチョイスができることが理想的です。ぜひ各製品ページからサウンドを試聴して、じっくりと検討してみてください!
SONICWIREでは、ほかにも様々な効果音パックをリリースしています。
UIサウンド以外にも、ゲームに登場する人間やモンスターのフォーリー・サウンドや、各種トレイラームービーの制作を盛り上げるシネマティック・ヒットなど、制作現場で役立つ便利な製品が多数ラインナップされているので、是非チェックしてみてください!
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