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「劇伴だけではなく歌モノの弦音源としても非常に使えます。」/ 『TOKYO SCORING STRINGS』 Review – 浅田 祐介 氏

2022年1月7日 12:05 by kta

サウンド・プロデューサー/ANYTHING GOES ltd. 代表取締役/一般社団法人JSPA理事の“浅田 祐介”氏から、日本が誇る“室屋光一郎ストリングス”の演奏をキャプチャーしたストリングス音源、IMPACT SOUNDWORKS『TOKYO SCORING STRINGS』のレビューをいただきました!

■ 『TOKYO SCORING STRINGS』
浅田氏:

シンセフェスタ2021でもご紹介させていただきましたが、日本が誇るストリングス・サウンドのライブラリー。こちらは日本を代表するセッション・ストリングス・アンサンブル“室屋光一郎ストリングス”を“相澤 光紀”氏が、サウンドシティ・スタジオのAstでレコーディングしたというもの。LASSやHollywood Stringsなど海外発のストリングスライブラリーは沢山あるのですが、名前の通りハリウッド映画のような「壁」を作るのには適していますが、細かいパッセージを聴かせるときに少し工夫が必要だったりします。

こちらのライブラリーはアタックの速さ、トランジェント部分の情報量の多さ、海外の音源と比較して各パートのピッチが揃っている、などを要因にしてフレーズが聴こえ易く、オクターブ駆け上がりの7連フレーズなども抜けて聴こえます。そういった意味では劇伴だけではなく歌モノの弦音源としても非常に使えます。

こちらのライブラリー、IMPACT SOUNDWORKS社のアンドリュー氏が日本が好きで、そのサウンドトラックで聞くことが出来るストリングスサウンドをキャプチャーしたい、使いたいとの思いから実現したとのことですが、海外の人がイメージする日本のストリングスサウンドとして聴くと非常に興味深いです。

[JSPAメールマガジンより]

浅田氏が触れている通り、IMPACT SOUNDWORKSのAndrewは日本のサウンドトラックやアニメ作品を敬愛しています。

当時は実現が難しかったリモート・レコーディングも昨今ではスタンダードになり、海外から”室屋光一郎ストリングス”に演奏を依頼することが可能になりました。

『TOKYO SCORING STRINGS』を通してより多くの作曲家が室屋さんのサウンドに触れ、海外のコンポーザーからのリモート・レコーディングの機会が増えていくことで、日本のストリングスが世界のスタンダードになる日も近いかもしれません。

これからも引き続きご注目ください。

日本が誇るストリングス・サウンドをその手に。
税込価格 ¥69,949
  • メーカー:IMPACT SOUNDWORKS
  • カテゴリ:ソフト音源

浅田 祐介
(Producer / Composer / Arrange)

1968年東京生れ。1995年にフォーライフからアーティストとしてデビュー。4枚のアルバムをリリース。サウンドプロデューサーとして、Chara、傳田真央、Crystal Kay、玉置成美、CHEMISTRY 、織田裕二、キマグレン等々、数多くのアーティストでヒット曲を送り出した日本を代表するサウンドプロデューサーの一人。また近年はミュージシャンズxハッカソン、TECHSなどのエンターテック系イベントの企画運営や、デザイナーYUMA KOSHINOとの音楽レーベル「Blind Spot」主宰など、活動の幅を広げている。

ANYTHING GOES ltd. 代表取締役 / 一般社団法人JSPA理事

浅田 祐介 氏 Twitter »