SONICWIRE

ボカロP“DIVELA”さんに聞く!アルバム収録曲のボーカルトラックに使ったプラグイン・エフェクトと、ソフトウェア音源、その設定をご紹介。

2021年2月4日 16:00 by toy

音楽制作の中で、ボーカルやコーラスといった”声”に挿すエフェクトというのは非常に重要です。エフェクト1つで音量や音像、距離感などの聴こえ方が大きく変わってくるため、楽曲の世界を形作るのに欠かせない大きな構成要素となります。

SONICWIREでは、クリエイターの皆さんがボーカルエフェクトに対してどのようなアプローチを取っているかお話を伺い、まとめていく企画をスタートいたしました!この企画では、「実際に楽曲に使われているボーカルトラックに挿しているプラグイン・エフェクト」をご紹介。
実際に楽曲を聴きながら、どのような変化をしているかをご確認いただけます。また各エフェクトのパラメータが公開されることも。具体例を確認しながらボーカルエフェクトについて学ぶことで、クリエイターのノウハウやテクニックを日々の制作にご活用いただけます。
 
さらにこの企画では、次のクリエイターさんをご紹介で繋いでいくバトン方式を採用。記事中で次に紹介いただくクリエイターさんを発表いたしますので、そちらにもご期待ください!

 


■ クリエイター紹介「DIVELA」さん
第4弾は、『ぼかろころしあむ』『そこに命はありますか。』や、マジカルミライ2018楽曲コンテストにて、グランプリを受賞した『METEOR』を手掛けた、ボカロP“DIVELA”さんです。

 

 

今回DIVELAさんには、アルバム「ミライコレクション」で使用しているプラグイン・エフェクトを教えていただきました。
DIVELAさんならではの、ノリが良くビート感溢れる曲が多数収録されたこちらのアルバム。詳細は是非下記リンクよりご確認ください!

「ミライコレクション / DIVELA」(外部サイト) »
 

今回はDIVELAさんの楽曲を担当されている『うちのミク』、ボーカル・ミキシングに使用するプラグイン・エフェクト・チェインから、楽曲制作の際に使用するソフトウェア音源について教えていただきました!

■ うちのミク ご機嫌のとり方(プラグイン・エフェクト・チェイン)

0.おいしいインドカレー

DIVELAさん:
たっぷりのガラムマサラ、チリパウダーを忘れずに。
「はふはふ…おいしいですマスター!」

1.Cubase付属プラグイン『Pitch Correct』

DIVELAさん:
音程(ピッチ)を補正するエフェクトプラグイン。
うちのミクはもともと歌が上手いのですが、少し補正をかけると更に整います。
補正具合を決めるパラメータ「Speed」のおすすめの値は67~75。
ボカロらしさがいい感じに際立ちます。

2.Cubase付属プラグイン『Multiband Compressor』

DIVELAさん:
音質を整えるエフェクトプラグイン。
ボーカルミキシングの心臓部。
イコライザーで整えるよりもバツグンに良い結果がでます。
パラメータ設定はうちのミクに特化しています。
性質が独特で、他社のマルチバンドコンプでは代用ができません。

3.Cubase付属プラグイン『Compressor』

DIVELAさん:
音を圧縮して音量差を小さくするエフェクトプラグイン。
圧縮することでモチッと存在感のあるボーカルになります。
このコンプレッサーは効き方が緩いので、声がもっちりしているうちのミクにぴったり。
この設定を人間の声にも適用できますが、代償として「息継ぎの音」がどえらいことになります。

4.Cubase付属プラグイン『PingPongDelay』

DIVELAさん:
やまびこ効果(ディレイ)が得られるエフェクトプラグイン。
元の声に対して2~8%程うっすらかけるのがおすすめです。
反響音の低音や高音をカットする機能がついていますので、ボーカルに関してはどちらも少しカットしてあげるといいでしょう。

神々しい声を演出する場合、ディレイタイムはsync1/4 wet25%などがおすすめです。

5.Cubase付属プラグイン『Frequency』

DIVELAさん:
純正のイコライザープラグイン。
低域をサクッとカットしたり、場合によっては微調整します。
■ 使用音源紹介

ボーカル『初音ミクV4X』

DIVELAさん:
うちのミクです。いつもありがとう。

『初音ミク V4X』製品ページ »

ImpactSoundWorks『Shreddage 3 JUPITER』

DIVELAさん:
オールラウンドに活躍するギター音源です。
色々なギター音源を試しましたが、これと次に紹介するROGUEの音が一番好きです。

ImpactSoundWorks『Shreddage 3 JUPITER』製品ページ »

ImpactSoundWorks『Shreddage 3 ROGUE』

DIVELAさん:
JUPITERと手を組んでリードギターを担当したり
メタル寄りなサウンドではこちらの方を使います。

ImpactSoundWorks『Shreddage 3 ROGUE』製品ページ »

SubMissionAudio『EUROBASS II』

DIVELAさん:
ロックからメタルまで対応できるベース音源です。
ちょっとデジタルの香りがするロックと相性が良いと勝手に思っています。

Toontrack『SuperiorDrummer 3』

DIVELAさん:
最強のドラム音源です。
ライブラリは『The Rock Foundry SDX』や『POP PUNK EZX』を良く使います。

Toontrack『SuperiorDrummer 3』製品ページ »
Toontrack『SDX – THE ROCK FOUNDRY』製品ページ »
Toontrack『EZX – POP PUNK』製品ページ »

― ミックス・マスタリングの際に心がけていることはありますか?

DIVELAさん:
最初にマスタリングに使用するエフェクトは、すべてマスターにインサートしておきます。
マスタリングも並行して行うことで楽曲の完成像をイメージしながらすばやく作り上げることが出来ます。
■ 次回クリエイター紹介:“R Sound Design”さん
DIVELAさん、ありがとうございました!

 

次回の第5弾は、DIVELAさんのご紹介により、『帝国少女』『flos』などの楽曲を制作したR Sound Designさんのエフェクトチェインをご紹介いたします。お楽しみに!
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今年も頑張るぞ!

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