ボカロP“Aqu3ra”さんに聞く!ニューアルバム収録曲のボーカルトラックに使ったプラグイン・エフェクトと、その設定をご紹介。
音楽制作の中で、ボーカルやコーラスといった”声”に挿すエフェクトというのは非常に重要です。エフェクト1つで音量や音像、距離感などの聴こえ方が大きく変わってくるため、楽曲の世界を形作るのに欠かせない大きな構成要素となります。
さらにこの企画では、次のクリエイターさんをご紹介で繋いでいくバトン方式を採用。記事中で次に紹介いただくクリエイターさんを発表いたしますので、そちらにもご期待ください!
今回Aqu3raさんには、2019年4月6日に公開された『ロンリーユニバース』で使用しているプラグイン・エフェクトを教えていただきました。
心地よいシンセ・サウンドと細部まで作り込まれたビートが特徴的なこの楽曲ですが、ボーカルトラックのエフェクトチェインはどのように構成されているのでしょうか。
― ミックス・マスタリングの際に心がけていることはありますか?
MIXも作曲だと思っているので作曲と同時進行で進めています。
マスタリングで音のバランスが変わる事もあるので、作曲途中でマスタリングチェインを刺した状態のMIXを確認したりしています。
MIXの工夫次第で曲の展開を感じたり出来るので、毎回違うやり方をして遊んだりしています。
今回の楽曲のボーカルに挿されているプラグイン・エフェクトは下記の14種類。またプラグイン・エフェクトに加え、ソフトシンセ2種類も紹介。
実際に設定されているパラメータを参照できるよう、操作画面のスクリーンショットもご提供いただきました!是非画像をクリックして、それぞれのプラグインに設定されているパラメータも参考にしてみてください。
Waves『DeEsser』
先にディエッサーで歯擦音を抑えます。
ナチュラルなディエッサーで気に入っています。
Cubase付属プラグイン『Compressor』
音の強弱を整えるためにコンプレッサーです。
Cubase付属プラグイン『Studio EQ』
不要なローのカットとディエッサーで失ったハイの音域を上げています。
Xfer Records『OTT』
serumで有名なxferが出しているフリープラグインです。
シンセはもちろんベースやドラム、マスターまで何にでも使用しています。
自分はDepthとDnwdのノブだけで調整します。
SPL『Transient Designer Plus』
アタックを上げて滑舌を良くするために使用しています。
オートメーションをかけて調整することもあります。
Softube『Saturation Knob』
Softubeが出しているフリープラグインです。
浅い歪みから深い歪みまで使えるサチュレーションで気に入っています。
かけたエフェクトを馴染ませるために薄くかけています。
Waves『Manny Marroquin Distortion』
ナチュラルなディストーションが得られるので気に入っています。
Waves『Manny Marroquin Distortion』製品ページ »
Blue Cat Audio『Blue Cat’s Chorus』
サビの広がりを加えるためにコーラスを入れています。
Waves『CLA Vocals』
各チャンネルのボーカルをまとめる役割として使用しています。
maag audio『EQ4』
超高域をブーストすると空気感が増えて現代的なボーカルになる感じが好きです。
Cubase付属プラグイン『Roomworks』
空間を作るためのリバーブです。
Cubase付属プラグイン『Stereo Delay』
音を太くするためのディレイです。
Waves『H-Delay Hybrid Delay』
ロングディレイです。
Waves『H-Delay Hybrid Delay』製品ページ »
Waves『Manny Marroquin Delay』
ディレイとリバーブです。音の広がりを感じたい箇所で使っています。
Waves『Manny Marroquin Delay』製品ページ »
Xfer Records『Serum』
太い音を作りやすいのでbassに使用することが多いです。
LennarDigital『Sylenth1』
1番よく使うシンセです。コードのバッキングやpluckに使用しています。
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