ハープシコードは、ピアノのようにハンマーで弦を叩く方式ではなく、" プレクトラム" というギターのピックのような部品が、弦を弾くようにして発音します。エディンバラ大学に保存されていた、18 世紀に制作されたハープシコードを1996 年に複製したものを収録。2 種類の" 8 フット（フィート）"弦とピッチが１オクターブ高い4 フット弦を使用。8 フットのセット弦のうち１種類には" バフ" という柔らかい革製の小さなパッド（ストップ）が付いており、これが各弦に触れることで、リュートのようにソフトな輪郭を持つサウンドが作り出されます。

このインストゥルメントは、エディンバラ大学の古典楽器コレクションとして保存されていた1637 年制作のオリジナルを元に、2000 年に複製されたものです。2 種類の８フットピッチの弦、そしてバフ・ストップを持っています。一般的に17 世紀のハープシコードは小さめで、18世紀のものと比べても全体的に一回り小さく、長さが短いのが特徴です。低音の音域もレゾナントが少なくなっています。

17 世紀に作られたオリジナルを複製したフレンチ・バロックギターです。5 つのコースは現代のギターのチューニングに対応しており、弦はガット製のものを使用します。トップ弦の E 以外は複弦（弦が二本張られている）になっています。

これはルネッサンス後期に開発された、当時の究極の伴奏用楽器です。ネックに拡張ネックを取り付け、従来のリュートの弦に沿って低音を奏でる6 本のベース弦が取り付けられています。これによって、ベースラインとメロディを奏でることができます。14 のコースに弦を一本ずつ張っています。

イングリッシュ・テオルボのオリジナルは既に実在していなく、17 世紀中頃に残された現存する幾つかの資料、図解や絵画などを元に複製されました。7 つのストップ（フレット）があるコースは全て複弦で、6 つのベース用コースもすべて複弦でオクターブずらしたチューニングになっています。コース弦の長さは約80 ㎝で、ベース弦は少しずつ伸びていき135cm にまで達します。そのため、イタリアン・テオルボの本来の音色を変えることなく、コース弦とベース弦を滑らかに移動できます。

プサルテリーは、あらゆる楽器の中で最も古いもののひとつです。聖書や古代ギリシャの文献にも登場しています。ダイアトニックな音階を持ち、コードやメロディを演奏することができます。片手にひとつずつ鳥の羽の軸で作られたバチを持ち弦をつま弾きます。弦はミュートせず、長いディケイを持つ優美な響きを誇る楽器です。

ネイカーズはアラビアに起源をもつ小さなドラムで、木製のドーム型のボディと動物の皮を使ったヘッドが特徴です。ペアで演奏され、13 世紀の十字軍の時代にヨーロッパから広まっていきました。ニつとも特定のピッチを持っていない点が、後出の典型的なペアドラムであるティンパニーなどと異なっています。このコレクションに収録されているものは、モンタギュー家の収集品からの複製です。

長いシェルを持つ中型のドラムで、両方の端に木製の輪で動物の革が取り付けてあります。革のテンションは調節が可能で、低音側には2 本のガット弦でできたスネアのスナッピーと同じメカニズムが搭載されています。

ティンパニーは、かつては屋外で使われていた楽器であり、18 世紀までにオーケストラにその存在を確立しました。ネイカーズの後継となる楽器です。現代のものと異なり、ヘッドには子牛の革が使われ、ヘッドの張りを調節するペダルがなくチューニングが固定されています。

ハーディ・ガーディは、ルネッサンス中期の代表的な楽器です。木製のホイール（回転板）がガット製の弦を擦ることで発音します。3 つのドローン弦と2 つのメロディー弦、さらに高音のドローン弦を持ち、メロディと持続音を同時に奏でることができます。シャントレルは、鍵盤を操作するとキーに取り付けられた小さな棒（タンジェント）によって弦を押し付けることで音階を指定します。トローンペットは弦の振動により唸りを上げる「うなり駒」を備えています。