EZシリーズを長年愛用するマイナスPによる
初めての『EZ KEYS』
インデックス
こんにちは。ワンオポのマイナスです。今回は、Toontrackの『EZ KEYS 2』の拡張パックをレビューをしてみたいと思います。
同社EZシリーズは長年愛用していますが、「EZ KEYS」は初めて触ります。他のEZシリーズ(EZ DRUMMER 3、EZ BASS)に共通するBandmate、Tap2Find、Grid Editorなどの便利機能はそのまま、鍵盤楽器でそれが使えるわけですね。僕はギターやらベースは弾きますが、鍵盤は人並み程度。僕はよくこう思います。
「フレージングとかおいしいボイシングがわからん!だれかやってくれ!」
「ここの落ちサビにメロウなピアノ、誰か….!」
はい、『EZ KEYS 2』の出番です。
拡張パックの音色の前に『EZ KEYS 2』のこの機能について書きたい!
指定したコードを弾いてくれる機能で、前のコードに応じて次のコードをサジェストしてくれる。コード選びのマンネリ化脱却や、リハーモナイズにも最適。13thとか9thみたいなややこしい装飾コードも円の外周にあるタブから指定すると鳴らしてくれる。
例えば、2小節目を自分の好きなコードにすると、前後のコードもサジェストし直してくれる。どんどん自分の好みのコードをいくつか並べていけば、はい、曲の断片できあがり。コードチェンジするタイミングも下段のシーケンサー部分で編集可能。MIDIパックに入ってるアルペジオなどにこのコードを追従させることができるので、フレーズも理想のものに近づけていくことが可能。ある程度理想に近づいたらDAWにドラッグ&ドロップして、細かくMIDI編集する、と。
また、普段聞きなれないコードを聞くと、曲のインスピレーションも湧き出ますよね。思いがけない進行がワンクリックで作れます。
う〜ん、こうなるとピアノの先生ですね。
「最近、同じコード進行ばかりだな」
「えっ…わたしのコード進行の引き出し、こんなに少ない?...」
はい、『EZ KEYS 2』の出番です()
ここからは音色について。拡張パックを2つ試しました。『EKX - SOUL ROADS』と『EKX - SINGER SONGWRITER』です。
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『EKX - SOUL ROADS』は、ソウル系、チル系、Lo-Fi系のジャンルにうってつけのエレピ音源で、Soul Roads OneとTwoの2つの楽器カテゴリ以下に16~17のプリセットがあります。プリセットをチェックしてみます。
あぁ!これですよ、エレピってこれだよね!的な音色の目白押し。欲しいエレピの音色をプリセットで見つけたら、Effectsボタンから、求めてる音色へ微調整していきます。
▲ ウィンドウ右上の「Effects」から「Amp」や「Reverb」、「Noise」などを簡単に調整可能。『EZ KEYS 2』内で音を決めることができる
プリセットによってその音色の肝となるパラメータが違うので、表示されるパラメータも変わってきます。エレピという楽器をよく知らない僕でも、すぐに理想の音色にたどり着けました。この「すぐに形になる」ところが同社EZシリーズ全部に通ずる最高なところなので、気になった方は他のEZシリーズの記事も読んでみるといいです。曲をつくる上でこの「スピード感」はすごく大事です。
■ EZシリーズ製品の記事(一部抜粋)
- TOONTRACK『EZ DRUMMER 3』製品レビュー by マイナスP氏(ワンダフル☆オポチュニティ!)
- TOONTRACK『EZ DRUMMER 3』製品レビュー by jon-YAKITORY氏
- TOONTRACK『EZ KEYS 2』製品レビュー by 浅田 祐介 氏
音色について。普段使うエレピ音源は「Logic Pro X」付属のエレピ音源なんですが、不満もなく、使い勝手がよくて、周りの評判も高くていいんですが、『EZ KEYS 2』の『EKX - SOUL ROADS』はそれを超えていると思いました。纏う空気感だったり、パラメータのいじりやすさ、極低音や極高音のリアルさ、アタック部分に乗るサーチュレーションによる存在感、など。実際に制作中の曲に使ってみて、ミックスするときにインサートするプラグインが少なくて済みました。というわけで、僕のエレピのファーストチョイスは『EZ KEYS 2』の『EKX - SOUL ROAD』になったのであった…
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デリケートな音色を持つピアノを収録したEKX拡張音源!
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次は、アップライトピアノの音源。
これ、めっちゃいいぞ。歌モノ作ってる人によくあると思うんだけど、「落ちサビはノスタルジックなピアノにしたいぜ…」にピッタリな音色を作れる。
「ゴージャスなピアノじゃなくて、部屋で一人で弾いてる感じのやつ」
「曲のフックに空気感のあるピアノがほしい」
「あ、アンビエントぉ…」
はい、出番です。
ノスタルジックな音色プリセットがたくさん入ってて、雰囲気抜群。UKロックで聴けるメロウな感じとかすごく合います。Coldplayの一枚目のアルバムとか思い出した。空気感をたっぷり含んでて、音色が曲を呼んでいます。アコギと合わせたくなる….っていうか、もうアコギとこのEKXだけで成立する音楽を追求したくなってくるな….
おっと、脱線してしまうところだったぜ…
無論、プリセットには明るめのオーソドックスなピアノもあるので、そこからLOWを抑えてPOP ROCKのピアノバッキングにするもよし。この明るめの音色も好みで、ピアノ音色選びのコレクション入りが決定しました。細かい部分ですが、Velocityカーブの調整が見やすくて使いやすかったです。
ピアノバッキングの音色参考として、僕のソロアルバム「MERO2」の中から「Curtain」を『EZ KEYS 2』の『EKX - SINGER SONGWRITER』に合わせてアレンジしたバージョンを作ったので聴いてみてください。
▲ EZシリーズでアレンジいただいた「Curtain feat.初音ミク」
▲ 原曲「Curtain」はこちらから
メイン伴奏の音色は、下の画像の明るめプリセットから作って、途中の落ちパートは無加工のプリセット1番、曲の合間に出てくるオブリはSOUL ROADSで入れてみました。ドラムもベースも同社『EZ DRUMMER 3』と『EZ BASS』。
『EZ DRUMMER 3』のレビュー時にも書きましたが、ビギナーさんにおいては、いじれるパラメータの選択肢が多すぎることが現在のDTM関連ソフトにおける罠です。こだわりがそこまでない場合や、とりあえずいい音がでたらOK!な人にはしっくりくることでしょう。
いやぁ、やはりEZシリーズは使いやすいぜ…他のEZシリーズを触ったことがある人で、鍵盤系もほしいと考えてる人は間違いなくこれがいいですよ。まず、操作性に迷わないからソフトの使い方を覚える時間を省ける便利性と、サジェストコードで新しい響きに出会える未知性、他のEKXの拡張性もある、と….
こりゃあ、他の拡張パックもお迎えするしかねぇな….!!(財布
EKX - ソウル・ローズ
2種の"Rhodes"エレクトリックピアノをキャプチャー『EZ KEYS 2』専用拡張音源
¥11,000 ¥8,800(20%OFF)
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EKX - シンガー ソングライター
デリケートな音色を持つピアノを収録したEKX拡張音源!
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2009年からじーざす、マイナスの二人でサークル活動開始。
じーざすの持ち味である8bitサウンド+αにコミカルな歌詞を合わせた楽曲で、
国内外から支持を集める。ゲームや様々なアーティストに楽曲を提供。
ミックス、マスタリングはマイナスが担当。
代表曲:
「リモコン」「しんでしまうとはなさけない!」「ぼうけんのしょがきえました!」
「にっこり^^調査隊のテーマ」等
【鏡音リンレン】リモコン【MV】/ Remote Control
【鏡音リンレン】しんでしまうとはなさけない!【MV】/ Shindeshimautowa Nasakenai!
【鏡音リンレン】ぼうけんのしょがきえました!【オリジナルMV】/ Bouken No Sho was deleted
【鏡音リンレン】にっこり^^調査隊のテーマ【ワンオポ/OriginalMV】/ Niccori^^ Survey Team Theme
【関連情報】
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