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#17【超入門】歌声を際立たせよう!バックコーラスを追加して歌声に立体感を演出!

2026年4月1日 19:35 by sua

前回の記事では、「Piapro Studio NT2」のパラメータを使った歌声の調整について解説しました。
本記事では、メインボーカルを支えるバックコーラスの作り方を解説します。

 

 

1. バックコーラス用トラックを追加

 

バックコーラスも、コード進行制作やサブ楽器の追加といったこれまでの伴奏アレンジ手法を組み合わせることで作成できます。
 

まずはメインボーカル用トラックを右クリックして「トラックを複製」を選択し、バックコーラス用トラックを追加します。

 
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シンガーを切り替えたい場合は、顔アイコンをクリックして歌声ライブラリを選択します。

 
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今回のアレンジでは、メインボーカル用トラックを含めて以下の4トラック構成にしました。

 

  • メインボーカル用トラック      : 「Original」
  • ハモリ用バックコーラストラック   : 「Dark」
  • ユニゾン用バックコーラストラックA : 「Whisper」
  • ユニゾン用バックコーラストラックB : 「Whisper」

 
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「Whisper」のトラックをAとBの2つ用意している理由は、左右で異なるパラメータ調整を行うためです。詳しくは後述します。

 

2. バックコーラスのフレーズアレンジ

 

トラックを追加したら、バックコーラスのフレーズアレンジを進めます。
 

まずはメインボーカル用トラックのピアノロールを開き、右クリックメニューの「トラックレイヤー」から編集対象のトラックを選択します。

 
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今回はハモリ用の「Dark」トラックのみアレンジを行うため、「Dark」のトラックレイヤーを追加します。
 

トラックレイヤーを追加すると、複数トラックのノートを同時に確認しながら編集できます。明るいノートが現在の編集対象で、暗いノートが他トラックのノートです。

 
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他トラックのノートをクリックするか、右クリックメニューから前後のトラックレイヤーを選択すると、編集対象を切り替えられます。

白鍵1個飛ばしの音程にノートを配置

 

ハモリフレーズの基本的な手法として、コード進行制作で解説した「白鍵1個飛ばし」でノートを配置する方法が有効です。

 
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逆方向への階段状フレーズにする

 

メインボーカルが階段状のフレーズになっている箇所では、逆方向の階段状フレーズを当てると効果的です。
 

デモソングでは、メインボーカルの音程が上っていくフレーズに対し、音程が下がっていくハモリフレーズを作成しました。

 
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フレーズの一部を休符(ミュート)にすると、コーラスが鳴った瞬間の印象を強調できます。サビなどの盛り上がるセクションでのみバックコーラスを鳴らすなど、強調したいポイントを意識して取り入れてみてください。
 

動きの少ない静かなフレーズにする

 

メインボーカルが動きの激しいフレーズの場合は、逆に動きの少ない静かなハモリを組み合わせることで、バリエーション豊かな響きを与えられます。
 

今回は6小節目まで、「B3」の音を軸にした動きの少ないフレーズを繰り返すアレンジにしました。

 
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このように、「白鍵1個飛ばし」や「階段状フレーズ」、「静と動の意識」など、これまでの伴奏アレンジ手法をバックコーラスにも応用できます。
 

なお、「Whisper」を使ったユニゾン用トラックは、メインボーカルと全く同じフレーズを歌わせるため、ノートの編集は行わず、次項のパラメータ調整のみを行います。

 

3. パラメータの調整

 

フレーズアレンジが完了したら、パラメータを調整します。
 
今回は以下の3つを調整しました。

 

  • 音量の調整    : 音量を下げる
  • パンの調整    : 音の定位を左右に振る(中心を避ける)
  • ブレシネスの調整 : 息の成分を増やして輪郭をぼかす

 
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いずれもメインボーカルを邪魔せず、歌声に立体感を出すための調整です。
 

音量とパンの調整は必須ですが、ブレシネス(息の成分)の調整は必要に応じて行います。輪郭をぼかすことで、音量を下げるだけでは得られない奥行き感を演出できます。

 
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「Whisper」のユニゾントラックを2つ用意した理由は、上図のように左右それぞれのパンに振り分けて音を鳴らすためです。
 

音の発声タイミングを極小単位でズラす

 

また、リージョン位置を極小単位でずらし、発声タイミングを少し遅らせることでもコーラス感を強調できます。極小単位で調整する場合は、スナップをオフにしてください。

 

 

これは厳密にはパラメータ調整ではありませんが、特有のコーラス感を演出できます。特に、同じフレーズを重ねるユニゾントラックには、この「タイミングずらし」を取り入れることを推奨します。
 

 

4. 歌声の比較

 

最後に、メインボーカルのみの歌声と、バックコーラス込みの歌声を比較して確認します。

メインボーカルのみの歌声

 

 

バックコーラス込みの歌声

 

 

バックコーラスが加わることで歌声が左右に広がり、全体的に煌びやかな雰囲気が加わりました。

 

>次の記事:#18【超入門】曲を完成させよう!最後の仕上げとなるミックス調整の流れ!

 

次の記事では、歌声と伴奏を含めた曲全体のバランスを整え、楽曲を完成させるためのミックス調整の手順を解説します。