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【解決!DTMガイド】音源やエフェクトを追加できる「プラグイン」の規格を解説

2024年6月21日 13:00 by fum

DTMをはじめてみると、VST、AU、AAXといった単語を頻繁に目にする事と思います。これらは「プラグイン」と総称される「追加音源」や「追加エフェクト」の規格(フォーマット)を表すもので、プラグインを使用するにはそのフォーマットに対応するDAW等の“ホストアプリケーション”が必要です。

プラグイン導入時のワクワクはDTMの醍醐味のひとつです。そんなプラグイン・ライフで失敗しないために、当記事ではDTMビギナーに役立つ、主要なプラグイン規格について解説していきます!

プラグインとは?

DTMにおけるプラグインとは、ソフトウェア音源や、ソフトウェア音源やオーディオ・エフェクト、MIDIエフェクトを総称したものです。ユーザーは好みのプラグインを追加する事で、様々な楽器を演奏したり、新しいエフェクト効果を得る事ができるようになります。オーケストラ音源やシンセサイザー音源など「楽器」を追加するインストゥルメント・プラグイン、リバーブやコンプレッサーなどを追加するエフェクト・プラグイン、そのほかにもAIを使用したフレーズ生成をおこなうツールなど、プラグインの種類は多岐に渡ります。

プラグインには代表的な3つの規格があり、プラグインの導入を検討する際には、自身の環境で使用可能な規格に注意する必要があります。

プラグインの代表的な規格

VST (Virtual Studio Technology)

Steinberg社によって1996年に公開されて以降、音楽制作を飛躍的に進化させてきた業界標準のプラグイン規格。多くのサードパーティ製品に採用されており、最も幅広い動作環境に対応している。

AU (Audio Unit)

Apple社開発によるmacOS 環境専用のプラグイン規格。Logic ProをはじめGaragebandやMainStageといったApple製品、Studio One、Live、FL Studio、Digital Performerなどのサードパーティ製DAWでも動作可能。

AAX (Avid Audio eXension)

Avid社開発によるPro Tools専用の独自規格。Pro Tools 10まで採用されていた32bit規格「TDM」「RTAS」に変わり、64bitベースの新しい規格として誕生。CPU処理によるAAX Nativeに加え、専用のDSPカード上での低レイテンシー処理を実現するAAX DSPの2種類が存在する。

SONICWIRE製品ページ内で確認できる、動作対応を示す各種アイコン

SONICWIREの製品ページには、対応するプラグイン規格や対応OSを示すアイコンが表記されています。

プラグイン規格

1. VST対応

VSTやVST2(バージョン2)の規格に対応する製品。VST3をサポートする環境でも動作可能。

2. AU対応

AU規格に対応する製品。

3. AAX対応

AAX規格に対応する製品。

4. VST3対応

CPUの負荷軽減、GUIのサイズ変更など、パフォーマンス向上に繋がる様々な処理に対応したVSTの最新バージョン、VST3規格に対応する製品。

対応OSなど

5. STAND ALONE対応

スタンドアローン(スタンドアロン)と呼ばれる独立型の動作システム。独自エンジンの搭載などにより、DAWを使用することなく使用が可能な製品。

6. Windows 対応

Windows OS で動作可能な製品。

7. macOS 対応

macOS で動作可能な製品。

DAWごとの対応状況

自身のDTM環境で使用しているDAWがどのプラグイン規格に対応しているのかしっかりと確認をしておく必要があります。主なDAWの対応状況はこちらです。

DAW
VST3
AU
AAX
Bitwig Studio 5
Cubase 13
Digital Performer 11
FL Studio 21
Live 12
Logic Pro 11
Pro Tools 2024
Studio One 6
※Studio One Prime Editionは非対応

※2024年6月時点の対応状況を記載しています。

VST規格は多くのDAWで使用する事が可能です。LogicについてはAU規格、Pro ToolsについてはAAX規格のみが動作対象となっています。

プラグインの格納場所

プラグインをインストールすると、然るべきフォルダへプラグインのファイルが格納されます。ホストアプリケーションとなるDAWは、これらのフォルダから読み込みを行い、プラグインを使用可能にします。VST2については、Windowsで特定の格納場所が定められていないため、DAW側で読み込み先の指定が必要になるなど注意が必要です。

Windows / macOS での代表的な格納場所はこちらです。

VST3

Windows

C:\Program Files\Common Files\VST3

macOS

(Machintosh HD)/Library/Audio/Plug-Ins/VST3/

VST2

Windows

C:\Program Files\VSTPlugIns

C:\Program Files\Steinberg\VSTPlugins

C:\Program Files\Steinberg\Cubase\VSTPlugins など

※プラグインを格納した階層がDAWの読み込み先と異なる場合は、DAW側で読み込み先の指定が必要になります。

macOS

(Machintosh HD)/Library/Audio/Plug-Ins/VST/

AU

macOS

(Machintosh HD)/Library/Audio/Plug-Ins/Components/

AAX

Windows

C:\Program Files\Common Files\Avid\Audio\Plug-Ins\

mac

(Machintosh HD)/Library/Application Support/Avid/Audio/Plug-Ins/

インストールしたプラグインがDAWから読み込めない場合は、DAW側が参照しているフォルダとインストール先のフォルダが異なっている場合があります。DAWが参照しているフォルダを選択したうえで再インストールをするか、DAW側でプラグインの読み込み先を追加する事で使用出来るようになるでしょう。


動作対象の注意点はあるものの、基本的には難しい手順を踏む事なく、誰でも簡単に導入する事ができる拡張アイテム、プラグイン。あんな事もこんな事もできる、様々なプラグイン製品がラインナップされていますので、たくさん試してDTM環境を充実させましょう!

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