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#21【超入門】音の存在感をコントロールしよう!コンプレッサーを使った音圧の調整方法!

2026年4月1日 10:26 by sua

前回の記事では、周波数ごとに音量を調整できるイコライザーの使い方を紹介しました。
今回は、音の粒を揃えて音圧を調整する「コンプレッサー」の使い方を解説します。

 

 

1. コンプレッサーを使う方法

 

コンプレッサーは、大きすぎる音量を圧縮し、音のバラつきを抑えるエフェクターです。これによって音圧を調整します。「Cubase LE」でコンプレッサーを使用する方法は、大きく分けて2つあります。
 

  • チャンネルストリップ内蔵のコンプレッサーを使用する方法
  • 「Cubase LE」収録、または別途用意したVSTプラグインのコンプレッサーをインサートスロットに追加する方法

 

チャンネルストリップに備わっているコンプレッサーを使う

 

「Cubase LE」のチャンネルストリップには、コンプレッサーが内蔵されています。各チャンネルの「e」ボタンからチャンネル設定を開き、使用します。

 
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デフォルトではオフ(グレーアウト状態)です。使用する際はダブルクリックしてオン(ハイライト状態)にしてください。

VSTエフェクトをインサートして使う

 

「Cubase LE」収録、または別途用意したVSTエフェクト版のコンプレッサーを、各チャンネルのインサートスロット(Inserts)に読み込んで使用することも可能です。

 
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コンプレッサーの種類によって、操作感や機能、効き具合が変わります。目的に合わせて好みの方法を選んでください。
 

今回のデモソングでは、伴奏トラックにのみチャンネルストリップのコンプレッサーを使用しました。さらに「VSTDynamics」をマスターチャンネルにインサートし、音量を均す「リミッター処理」を施しています。

 

2. チャンネルストリップのコンプレッサーの使い方

 

基本的な使い方は、まずスレッショルドで圧縮の基準となる音量を設定します。その後、レシオ、アタック、リリースの3つのパラメータで圧縮の強さやタイミングを調整します。
 

基本パラメータは、チャンネルストリップ上のノブ(つまみ)で調整できます。「e」ボタンをクリックすると詳細な操作画面が開き、より細かな調整が可能です。

 
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どちらの画面でも、基本の調整を行えます。

 
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  • スレッショルド(THRESHOLD): 圧縮の基準となる音量
  • レシオ(RATIO): 基準値を超えた音に対する圧縮比率
  • アタック(ATTACK): 基準値を超えてから圧縮が始まるまでの時間
  • リリース(RELEASE): 音量が基準値を下回ってから圧縮が解除されるまでの時間

 

スレッショルド(THRESHOLD)

 

圧縮の基準となる音量を設定します。
 

値を下げるほど小さな音も圧縮の対象となり、効果が強くなります。値を上げるほど大きな音だけが圧縮され、効果が弱まります。スレッショルド値を超える音がなければコンプレッサーは機能しません。

レシオ(RATIO)

 

基準値を超えた音に対する圧縮比率を設定します。
 

低い値(例:2.00:1)では自然な圧縮となり、ダイナミクス(最小音量と最大音量の差)を保ちます。高い値(例:8.00:1)では音量を均一化する効果が強まります。基本は低い値から設定を始めます。音の存在感を強調したい場合は高い値を試してください。

アタック(ATTACK)

 

基準値を超えてから圧縮が開始するまでの時間を「ms(ミリ秒)」単位で設定します。アタックを速くするとすぐに圧縮が始まり、音の粒が揃います。遅くすると音の立ち上がり(アタック成分)が強調され、パンチや迫力が増します。
 

リリース(RELEASE)

 

音量が基準値を下回ってから圧縮が解除されるまでの時間を「ms(ミリ秒)」単位で設定します。速すぎると不自然な音の揺れが生じることがあります。遅すぎると次の音にまで圧縮が残ります。音を聴きながら最適なポイントを探してください。
 

コンプレッサーで圧縮した後はMAKE UPで音量を補正します。「Cubase LE」のチャンネルストリップ内蔵コンプレッサーは、デフォルトでオートメイクアップ(自動補正)がオンになっています。そのため、手動での調整は原則不要です。

 

3. コンプレッサーの調整

 

ボーカルのコンプレッサー処理

 

『初音ミク V6』のボーカルトラックにチャンネルストリップのコンプレッサーを使用する場合は、以下の数値を参考にしてください。それぞれのパラメータは画像で示している箇所で調整できます。

 

  • レシオ     : 2.00:1~4.00:1
  • アタック    : 1ms~20ms
  • リリース    : 100ms~300ms

 

 
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伴奏トラックのコンプレッサー処理

 

今回のデモソングでは、レシオを8.00:1と強めに設定しました。アタックとリリースはデフォルト値のままです。この設定を伴奏トラック全体に適用しています。

 
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複数の音源をまとめて処理する場合は、以下の範囲で軽めに圧縮します。これによりダイナミクスを自然に残せます。

 

  • レシオ     : 1.50:1~2.50:1
  • アタック    : 30ms~50ms
  • リリース    : 100ms~300ms

 

コンプレッサーの調整に絶対の正解はありません。目的や音源、処理の単位(個別かバスか)によって適切なパラメータは変化します。極端な設定が面白い効果を生むこともあります。自分の耳で確かめながら自由に調整してください。

 

4. リミッター処理について

 

「Cubase LE」収録の「VSTDynamics」には、リミッター機能が備わっています。これを使うと、レシオを極端に高い値(∞:1など)に設定した強力な圧縮が行えます。
 

リミッターのOUTPUTを下げて0dBを超えないように設定することでも、クリッピングを回避できます。

 
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完全に防げるわけではありませんが、音量バランスを整えてもクリッピングが発生する場合はリミッターを試してください。
 

今回のデモソングでは、すべてのトラックにこのリミッターを適用しています。

 

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