【DTM必須テク】印象がガラリと変わる!?440Hz以外のチューニングで作曲してみよう
現在、世界の標準的な音の基準ピッチは440Hz(「ラ」の音)と定められており、ソフト音源においてもデフォルトのピッチは全て440Hzとなっています。
しかし、オーケストラや吹奏楽などの演奏では楽曲のピッチが440Hzより高めになっていることも多く、実際には440Hzだけでなく様々なピッチで楽曲が演奏されています。
楽器の演奏経験がある方にとっては当たり前の話かもしれませんが、打ち込みメインで作曲をするDTMerの中には「ピッチを変える」という発想が無く、440Hz以外のピッチを試したことがない方も多いと思います。
そこで本記事では、楽曲のチューニングを変えて雰囲気を一変させる方法をデモサウンド付きでご紹介いたします!
440Hzより高いチューニングの例①
まずは実際にチューニングの違う同じフレーズを聴き比べてみましょう。1つ目は440Hz、2つ目は443Hzになっています。
※ヘッドフォン/イヤフォンで聴くことをオススメします。
[440Hz]
[443Hz]
[使用音源]
- メーカー:PREMIER SOUND FACTORY
- カテゴリ:サンプルパック
どうでしょうか?443Hzの方が少し雰囲気が明るくなっていますね!
実際のピアノの調律は442Hzにチューニングされることも多く、ピアノソロ含め生音がメインの曲を作る際はチューニングを高めにする選択肢も持っておくと表現の幅が広がります。
例えば、曲の質感が重たいときにEQでハイを上げるなどミックス的なアプローチではなく、チューニングを変更して質感を軽くする手段も考えられます。
チューニングを変更する際は、基本的には全パートのピッチを揃えましょう。ピッチの異なる音が合わさると「うねり」が発生し、違和感が生じてしまいます。
440Hzより高いチューニングの例②
生音系の楽曲以外でも、チューニングを高くするテクニックは使用できます。
以下の例は、『SERUM』というシンセサイザーを使用した電子サウンド主体のフレーズです。1つ目は440Hz、2つ目は445Hzになっています。
[440Hz]
[445Hz]
[使用音源]
先ほどのピアノフレーズよりも明確に変化が確認できると思います。
言葉ではなかなか説明が難しいですが、445Hzの方がより未来感が増している気がしますね!
440Hzより低いチューニングの例
基準となるピッチが定まっていない古い時代では、現在よりも低いピッチで楽曲が演奏されることが多々ありました。クラシックの曲では、当時実際に演奏されていた低いピッチで演奏されることもあります。
以下のエスニックなフレーズにおいて、低いピッチにするとどうなるか変化を確認してみましょう。1つ目は440Hz、2つ目は435Hzになっています。
[440Hz]
[435Hz]
[使用音源]
435Hzの方は何とも言えない独特な雰囲気が出ていて、味わい深い曲調に変化しています。
現代において曲のピッチを下げるという発想は中々出にくいですが、自由な発想で個性的なサウンドを生み出す一つの武器として頭にインプットしておきましょう!
ソフト音源のチューニング変更方法
ソフト音源のピッチ変更は、音源によってそれぞれ違うので各製品のマニュアルを確認してみましょう。
代表的な例として、「KONTAKT PLAYER」 というエンジンを使用した音源は上部タブに「Tune」という項目あり、ここでピッチを設定することができます。
音源によっては「Hz」ではなく「cent」というピッチの単位でしか調節できないこともあります。その場合は目的のHzをcentに変換して値を設定しましょう。
音のピッチを好きなタイミングで自由自在に変更できるのは、DTMの強みの一つです。数えきれないほどの楽曲がサブスクで聴ける現代において、個性でリスナーを惹きつける手段の一つとして440Hz以外のピッチで作曲してみてはいかがでしょうか?
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