まずはこちら。サンプリングライブラリー界隈では珍しくドライな環境で独唱を収録した『TRAVELER’S SERENADE: VICTORIA』。

（ロクリアンを除く）古典音階にのっとったフレーズを総計3,000以上収録したもので、いわゆるサウンドメニュー方式で自由に呼び出して鳴らせます（各BPM、4種のキー毎に約180ファイルを呼び出し可能となります）。

ドライ収録なので、自分で納得いくまで、いかようにも作り込んでしまえるのがポイントです。

またSOUNDIRON社製品恒例、サウンドデザイン済みのAmbiences音色は、いつにもまして神聖な雰囲気をまとい、穏やかに白玉を奏でるだけで聞き手を深い精神世界へと誘ってくれるでしょう。

続いて、こちらは歴史あるホールEl Campanil Theatreの残響とともにBaldwin社のフルサイズピアノを丹念にサンプリングした『GRAND EL CAMPANIL PIANO』。

イマーシブサウンドを実現するべく新たに備わったSPACE機能が本製品にも搭載され、最大4レイヤーを空間内で自由に配置可能。

特徴的なホールの反射音が複数のNeumann製高品質マイクによって精細にキャプチャされ、虚ろなサウンドから華やかなサウンドまで、ピアノの誇る大きなダイナミクスが遺憾なく発揮されます。

こちらも、サウンドデザイン済みのAmbiences音色が天上の音楽の如く響き、インスピレーションを強く刺激してくれることが期待されます。

打って変わって、こちらは『HOPKIN INSTRUMENTARIUM: AQUAALT』でも取り上げた、巨匠バート・ホプキンの手による『HOPKIN INSTRUMENTARIUM: SQUIGGLY-AMEJEWAR』。

BUZZING BRIDGE、いわゆる「サワリ」を備えた弦楽器で、構造上シタールやタンブーラに類似しつつ、ピックアップとマイク、コンタクトマイクによる趣の異なったサウンドを混ぜ合わせることで、この楽器でしか得られないハードコアなプラックサウンドが奏でられます。

シンプルなサステイン音、モジュレーションの加わったサステイン音の使い勝手は言うまでもありませんが、スライド奏法など強烈なサブカル臭を漂わせた例外的サウンドのコンピレーションたるFXが魅力的。

フィルタやLFO、アルペジエイター、FX Rackといった充実の拡張機能も活用したならば、およそ自分では思いつかない新境地の音響へと辿り着くことになります。