和風曲制作の必需品!4つの和風音階とオススメ和楽器音源をご紹介
長い冬が終わり、SONICWIREのオフィスがあるここ札幌は桜真っ盛りです。桜をイメージさせるような楽曲といえば、和風曲を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
映画やアニメのBGM、果てはポップミュージックやボカロ曲まで、日本を代表する名曲の中には数々の和風曲が存在しますが、三味線や琴などの和楽器が醸し出す和風の響きの良さは理屈抜きで素晴らしいものです。
そこで、今回は和風曲を作る際に役立つ4種類の和風な音階と、オススメの和楽器音源をご紹介します。
※「1.音階編」では簡単なキーやスケールの話が登場します。キーやスケールについては、以下ブログ記事内で解説しています。
民謡音階
民謡音階は、歌モノでもよく耳にする音階で、和の雰囲気だけでなくカッコよさも兼ね備えています。
まずは聞いてみましょう。なお、以降の参考音源はすべて「ド(C)」の音を基準にしたCキーのものとなっています。
構成音:ド/ミ♭/ファ/ソ/シ♭
民謡音階は、以前の記事でも紹介したマイナー・ペンタトニックスケールと同じ音で構成されており、ロックなどのジャンルにもピッタリな音階です。
律音階
律音階は、雅楽や日本の伝統音楽などでよく使用される音階で、華やかな日本らしさを演出することができます。
構成音:ド/レ/ファ/ソ/ラ
都節音階
都節(みやこぶし)音階は、三味線や琴の基本的なチューニングにも使用されている音階です。どことなくダークな雰囲気を併せ持つ魅力的な響きとなっています。
構成音:ド/レ♭/ファ/ソ/ラ♭
都節音階は筆者が和風音階の中で一番好きな音階で、メタルのギターソロやEDMのリードシンセなど、ハードなジャンルにさらなるインパクトを与える飛び道具としてよく使用しています。
琉球音階
琉球音階は、沖縄の伝統音楽で使用されている音階です。非常に個性的な響きが特徴で、和風なだけでなく南国の雰囲気も楽曲に取り入れることが可能です。
構成音:ド/ミ/ファ/ソ/シ
ポップミュージックの世界では、沖縄出身のアーティストを中心に琉球音階を使った有名な楽曲がいくつもありますね。
音階編まとめ
どの音階を使うか迷ったときは、民謡音階を使っておけば間違いなし!和楽器と組み合わせて使うことで、どんな楽曲も和風テイストに仕上げてくれます。
ここからは、和風曲を作る際に欠かせないオススメの和楽器音源を楽器別にご紹介いたします!
和楽器音源は、日本のメーカーであるSONICA INSTRUMENTS社とPREMIER SOUND FACTORY社が、和の心を正確に捉えた製品を多数リリースしています。
三味線
- メーカー:SONICA INSTRUMENTS
- カテゴリ:ソフト音源
『TSUGARU SHAMISEN – VIRTUOSO JAPANESE SERIES』は、何といっても音がリアルな三味線音源です。豊富なアーティキュレーションを駆使することで、生演奏と錯覚してしまうほどのフレーズを生み出すことができます。筆者も普段の制作で愛用しているオススメの一本です。
琴
- メーカー:SONICA INSTRUMENTS
- カテゴリ:ソフト音源
『KOTO 13 VERSION 2 – VIRTUOSO JAPANESE SERIES』も、先にご紹介した『TSUGARU SHAMISEN – VIRTUOSO JAPANESE SERIES』と同様にリアルなサウンドが魅力の琴音源です。音階編で紹介した都節音階など様々な調子(スケール)が収録されており、琴を全く知らない方でも本格的なフレーズを生み出すことができます。
96kHz/24bit のスーパーハイレゾサウンドで収録された『PRINCESS KOTO KAGUYA』は、比較的お買い得ながら、サウンド/アーティキュレーションともに一切引けをとらない”雅(みやび)”な音源です。
尺八
- メーカー:SONICA INSTRUMENTS
- カテゴリ:ソフト音源
『TSUGARU SHAMISEN – VIRTUOSO JAPANESE SERIES』は、静から動へ荒々しい息使いとともに豹変するような、尺八特有の表現を演出することができる音源です。多彩な機能が搭載されており、オーケストラから歌モノまでどんな場面でも使えます。
例のごとく96kHz/24bitのスーパーハイレゾ・サウンドで収録された『SHAKUHACHI PREMIER G』は、長さの異なる3本の尺八を収録しており、楽曲のキーに合わせてベストなものを選ぶことができます。
総合音源
『CHRONICLES MIYABI』は、三味線/尺八/琴がまとめて収録されており、シネマティックな雰囲気の和楽器アンサンブルフレーズを生み出すことができます。「Noise」パラメーターでサウンドの空気感を調節することも可能です。
和楽器に特化した音源ではありませんが、世界中のエスニック音源を収録した『ETHNO WORLD 6 COMPLETE』は、琴や尺八、太鼓など和風曲を制作する際に役立つサウンドが多数収録されています。
まとめ
和風な雰囲気は、日本の伝統的な音階/楽器を取り入れることで簡単に演出することができます。他にもメロディーを4度でハモるなど様々なアプローチの方法があるので、興味のある方は調べてみてください!
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