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初心者もベテランも制作が捗る「音楽理論ツール」から作編曲のアイデアを得よう!

2022年3月4日 21:48 by rym

作編曲をしている人なら、誰しもスランプや作曲/アレンジの方法で悩んだことがあるかと思います。

経験者であれば「無意識に同じようなパターンのメロディばかり書いてしまう」「コード進行がワンパターンになってしまう」、初心者であれば「メロディに合うコードが分からない」「書いたメロディを聴いてみるとどこか違和感がある」・・・悩みは人それぞれですが、創作の上ではそういった停滞は誰にでも起こりうることです。

 

さて突然ですが、皆さんは「音楽理論ツール」をご存知でしょうか?
これは簡単に音楽理論に則った制作ができるようアシストしてくれる製品のことで、前述のような作曲のお悩みにも対応できる、優秀な機能を携えた製品が多数存在します。
今回はそんな「音楽理論ツール」の中から、作編曲のインスピレーションとして活用いただける3つのソフトウェアをご紹介します。

MIDIエフェクトの起動方法

まず紹介の前に、音楽理論ツールの中でも「MIDIエフェクト」と呼ばれる製品の起動方法をおさらいしておきましょう。MIDIエフェクトは通常のプラグインとは少し勝手が違い、単体では音が出ません。音楽理論ツールから音源へとMIDI情報を送信するためのルーティングと呼ばれる作業を行う必要があります。
ルーティングの方法はDAWによって異なりますが、ここでは代表的なDAW3種での使用方法をご紹介します。

※DAW名をクリックで参考画像を表示します

Cubase の場合

  • 音を鳴らすための音源(シンセなど)と、音楽理論ツールを1トラックずつ起動
  • 音源トラックを選択した状態のインスペクタ内で、MIDI Inputのドロップダウンメニューから音楽理論ツールを選択

Studio One の場合

  • 音を鳴らすための音源(シンセなど)と、音楽理論ツールを1トラックずつ起動
  • 音源トラックを選択した状態で [i] ボタンをクリックし、「イン」のドロップダウンメニューから音楽理論ツールを選択

Logic Pro の場合

  • 音を鳴らすための音源(シンセなど)を起動
  • インスペクタ上の「MIDI FX」のボックスから音楽理論ツールを選択

※DAWのバージョンによって画面上の表記が異なる場合がございます。

※上記に記載のないDAWにつきましては、各ソフトウェアの取扱説明書をご参照ください。

※GarageBand、Reasonなど、一部MIDIルーティングに対応していないためにご利用いただけないDAWもございます。ご使用のDAWの仕様を予めお確かめください。

1. AIが自動で作編曲『INSTACOMPOSER』

『INSTACOMPOSER』は、AIが最大5トラックの楽器のメロディ、フレーズを自動生成する作編曲支援ツールです。

ボタン1つでMIDIフレーズを生み出す作曲家向け音楽理論ツール!
税込価格 ¥15,598
  • メーカー:W.A. PRODUCTION
  • カテゴリ:ソフトウェア/ツール

使い方は非常に簡単で、各トラックの楽器の種類やキーやスケールを選択し、「GO」ボタンをクリックするだけ。これだけで設定と音楽理論に則った、“それっぽい”メロディや楽器のフレーズを自動生成してくれます。フレーズの密度やコードの複雑さの調整が自由に行えるので、ワンパターンになる心配もありません。

 

また、ドラッグ&ドロップでフレーズをエクスポートできたり、コード進行の手動変更にも対応しているため、生成したフレーズの扱いも非常に手軽です。

▼こんな方にオススメ!

  • リズムや展開など、自分の固定観念から外れたアイデアが欲しい方
  • 特定のコード進行に合わせた、シンセやベースなどのバッキングフレーズを手軽に作りたい方
2. 鍵盤初心者でも本格的な作曲・演奏ができる『CHORD PRISM』

『CHORD PRISM』は、あらゆるコード進行とそれに合わせたメロディを体感的に演奏できる作曲支援ツールです。

あらゆるコード進行におけるベースライン、メロディー、アルペジオなどを生成するツール!
税込価格 ¥10,483
  • メーカー:MOZAIC BEATS
  • カテゴリ:ソフトウェア/ツール

見た目はいかにもピアノの経験が必要そうなツールですが、楽器経験は一切必要ありません。

指定したキーとスケールに合うコードが画面左側「Chord Generator」の鍵盤に割り当てられ、いずれかのキーを入力すると割り当てられたコードが演奏されます。画面右側「Smart Scale / Multi Arp」の鍵盤には、そのコードに沿ったスケールの音階のみが割り当てられるため、適当に演奏してもスケールから外れない音楽理論に則ったメロディが演奏できます。
また、「Chord Generator」の黒鍵でコードにバリエーションをつけることができ、「Smart Scale / Multi Arp」の黒鍵でスケールに沿ったアルペジオ・パターンを再生します。
 

25鍵以上のMIDIキーボードをお持ちの場合は、左手の指一本でコードを鳴らし、右手で簡単にメロディを演奏できます。
 

またGUIからコードの構造や変化が視覚的に把握しやすいので、鍵盤楽器の演奏経験はあるけどコードの知識に自信がない方にもおすすめです。

▼こんな方にオススメ!

  • 楽器の経験はないが、即興で演奏する楽しさを体験したい方
  • 作曲や編曲はまだ苦手だが、自分が思った通りの曲の展開でメロディを作り込んでみたい方

バーチャルトラックメーカー ミディ氏による紹介配信もございますので、是非併せてご覧ください!

3. 作ったメロディにコードを割り当て『SCALER 2』

『SCALER 2』は、インプットしたMIDIデータやオーディオデータを分析し、それに最適なコードを提案する音楽理論ツールです。

作曲家のアイデアを刺激する便利ツール!
税込価格 ¥6,118
  • メーカー:PLUGIN BOUTIQUE
  • カテゴリ:ソフトウェア/ツール

インストゥルメントとして起動したら、本製品内にMIDIをレコーディングしてメロディを分析させます。するとそのメロディにマッチするコードをリストアップしてくれるので、好きなコードをドラッグ&ドロップで配置・並び替えするだけで進行が完成してしまいます。

 

またメロディの分析を行わずにジャンルを指定すると、そのジャンルに適したコード進行を提案してくれる「SONGS」機能を搭載しており、作ったことのないジャンルでも、インスピレーションを手軽に得られる優れものです。
今まで使ったことのないコードをもとにメロディをつけていくのも良いですし、自分の作ったメロディに普段とは違うコードを提案してくれる、ベテランのクリエイターにとっても様々な場面で活躍しうる製品です。

▼こんな方にオススメ!

  • コード進行にメロディをつけていく方法で作曲をしている方
  • 自分の作ったメロディに適切なコードが分からない方
  • 新しく作ってみたいジャンルの定番コード進行を勉強したい方

弊社SONICWIREスタッフによる、使用例の動画も公開しております!

まとめ

今回は作編曲にお使いいただける音楽理論ツールを3製品ご紹介いたしました。

 

音楽未経験の方にとっては「自然なコード進行」や「聴いていて違和感のないメロディ」を作ることがハードルになることもあります。
音楽に限らず、創作活動は「実際に手を動かして作る」ことが何よりも大切です。こういったツールのアシストを得ながら実際に制作経験と分析を重ねていくことで、制作のコツがスムーズかつ体感的に分かってくるのではないでしょうか。
 

またベテランの方にとってはスランプ時の駆け込み寺としてはもちろん、自分が普段作らないような楽曲の特徴や理論を学ぶきっかけにもなります。難解なコードや凝ったオシャレなコード進行もソフトウェアの力で簡単に生成できてしまうので、アレンジの引き出しを増やしたい方や理論学習のフックを得たい方にもおすすめです。
 

SONICWIREでは今回ご紹介した製品以外にも、音楽理論ツールをはじめとした制作に役立つソフトウェア/ツールを多数取り扱っています。是非以下ページよりご覧ください。

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