米津玄師、Official髭男dism、藤井風、小袋成彬などのRec/Mixを手掛ける 小森 雅仁 氏による『ROOTONE』レビュー
直感的でシンプルな操作性と高音質を兼ね備えたプラグインをリリースする新世代プラグインデベロッパーLeapwing Audioから新作がリリースされました。
その名も『ROOTONE』はローエンドの拡張を目的としたプラグインです。
そんなタイミングで満を持してリリースされた『ROOTONE』。
早速様々なトラックにインサートして触ってみましたので、今回はその中からいくつか使用例をご紹介したいと思います。
キックでの使用例
まずはキックですが、60~40Hz辺りのサブハーモニクスを付加すれば超低域が不足しがちな生ドラムのキックでもぐっと重心の低いサウンドに出来ますし、逆に重心が低すぎる打ち込みのキックにパンチや付加したいときは「PUNCH」の帯域で100~120Hz前後を付加してみるのもオススメです。
DRIVEの効き方も音楽的で芯のあるキック作りに役立ちます。
また、サブハーモニクスの付加だけでなくそのダイナミクスとディケイを調整出来るところは気が利いていますね。
キックの音作りの際、サブハーモニクスの量感とディケイは必ずセットで考えなければならないので、この辺りは現場を熟知したLeapwing Audioならではと言えます。
ベースでの使用例
ベースに使う際はレンジの低いシンセベースや5弦ベースなどにHARMONICSセクションのSATURATIONでアッパーハーモニクスを付加することでベースラインを明瞭にする事が出来ます。
ボーカルでの使用例
次はボーカルですが、女性ボーカルが高いレンジで歌う曲では声のローミッドが不足してしまう事がありますが、そのような場合にはプリセットのVocal Chestを呼び出してみましょう。
ボーカリストの声に合わせて微調整すれば自然に声の胴鳴りの部分を補う事が出来ます。
その他、リードシンセやギターリフ、ソロ楽器に厚みを加える際にも役に立ちそうです。
積極的な音作りから微調整まで幅広く使えるプラグインと言えるでしょう。
(ミキシング/レコーディングエンジニア)
1985年生まれ
文化村スタジオ、ABS Recordingに勤務した後に独立。
米津玄師、Official髭男dism、小袋成彬、Yaffle、藤井風、iri、TENDRE、PEARL CENTER、宇多田ヒカルなどを手がける。
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