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オケ制作の時短術。Best Service(Sonuscore)『The Orchestra Complete 4』『TO – Forces of Fury』

2025年10月10日 18:18 by iro

シネマティックな楽曲やゲーム音楽の制作において、オーケストラ音源は欠かせない要素です。しかし、「細かなアーティキュレーションの設定に時間を要する」「膨大な選択肢に翻弄される中で締め切りが迫る」といった、制作の効率にまつわる悩みは尽きません。

Best Service社(Sonuscore)の『The Orchestra Complete 4』そして『TO – Forces of Fury』は、その課題を解決するべく開発された人気オーケストラ音源「The Orchestra」シリーズの最新作です。経験豊富な作曲家はもちろん、これからオーケストラに挑戦したい方にとっても、制作ワークフローを一新する力を持った、2つの強力なツールをご紹介します。

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複雑な作業をせず、アンサンブルを描く「Ensemble Engine」の革新

『The Orchestra Complete 4』と『TO – Forces of Fury』が属する「The Orchestra」シリーズの最も画期的な点は、演奏済みのフレーズを収録していないにもかかわらず「コードを入力するだけ」で、オーケストレーション・アレンジをリアルタイムに生み出すこと。その核となっているのが「Ensemble Engine」です。

制作体験を劇的に変える「Ensemble Engine」の仕組み

↑の動画で、明らかに打鍵している手の動き以上の細かいパッセージが演奏されているのが見て取れますね。

「Ensemble Engine」は、最大5つの楽器 / アーティキュレーションを読み込み、それぞれにアルペジエイターやベロシティ・エンベロープを割り当てることでフレーズを生成、アンサンブルを構築します。それによって、複雑なオーケストレーションを細かく記述することなく、最低限の作業でアンサンブルのスケッチを制作できます。

インスピレーションを頼りに、いくつかのコードで楽曲の骨子を素早く作成するさまは、まさに「オーケストラというキャンバスに、自由にスケッチを描く」ような制作体験を実現しています。

『The Orchestra Complete 4』

『The Orchestra Complete 4』は、「The Orchestra」シリーズの全タイトル『The Orchestra』『TO – Strings Of Winter』『TO – Horns Of Hell』『TO – Woods Of The Wild』『TO – Forces Of Fury』の収録内容すべてを網羅した完全版です。総勢80名編成のフルオーケストラに加え、ハープ、グランドピアノ、クワイア(合唱)などを収録。

先述のEnsemble Engine を駆使した825種類の精巧なアンサンブル・プリセットを有するアンサンブル用nki と、楽器 / アーティキュレーション個別のnki 約300種類がそろっていて、既存のプリセットベースのスマートなオーケストレーション構築から各パート手描きの制作まで対応します。

Ver.4で加わった新機能

今回のアップデートでは、新作『TO – Horns Of Hell』ライブラリの統合に加え、アンサンブル用nkiにも新機能が追加されました。

  • サウンドに深みを与える「Add 8va機能」
    楽器ごとにオクターブ上の音を追加できるAdd 8va機能を搭載しました。音響的な幅と豊かなテクスチャを与え、特に後述するキースイッチ・バリエーションと組み合わせることで、各セクションに独自の音色空間を持たせることが可能です。
  • 展開を最小限の労力で構築する「キースイッチ・バリエーション」
    強化されたキースイッチ・システムにより、1つのプリセット内にアルペジエイターやエンベロープの設定、Add8va機能のON / OFFバリエーションを4セット作ることができるようになりました。これにより、「イントロ」「メインA」「アウトロ」といった楽章セクションごとのアレンジを最大4つ用意し、キースイッチで簡単に切り替え。ダイナミックなスコア展開を最小限の労力で構築できます。

※各デモソングは、『THE ORCHESTRA COMPLETE 4』のプリセットを使用して製作されています。

『TO – Forces of Fury』

『TO – Forces of Fury』は、シネマティックな楽曲に特化した「The Orchestra」シリーズの最新作。現代の映画やゲームのスコアが要求する「規模感、緊張感、ドラマ性、エネルギー」を楽曲にもたらすために設計されています。

新たに録音されたアンサンブル・ストリングスと、アグレッシブなシネマティック・パーカッションを用いて、ハイ・インパクトなアンサンブルを構築し、トレーラーや壮大なシーンに必要な圧倒的なパンチ力と深みを提供します。

『The Orchestra Complete 4』の項で紹介した「Add 8va機能」や「キースイッチ・バリエーション」にも対応し、アンサンブル用nkiのプリセットも収録。複雑な設定をせずとも、即戦力として活用できる楽曲シーケンスを構築できます。

「音楽を最優先」する。

アーティキュレーションの充実や音色のクオリティに目を奪われ、気づけばエディットに多くの時間を費やしてしまう——そんなDTMでのオーケストラ制作におけるジレンマに応えるのが、『The Orchestra Complete 4』と『TO – Forces of Fury』です。あなたの制作スタイルに寄り添ったワークフローを提供し、あくまでも「音楽を最優先」にしたクリエイションを可能にします。

『The Orchestra Complete 4』製品ページ

『TO – Forces of Fury』製品ページ