黒沢ダイスケ氏:

昨今のギターアンプシミュレーターにおいては、IRデータを使ってスピーカーキャビネット部分のサウンドを表現することが一般的になってきましたが、IRを1個読み込むだけでいいのだろうか？もっと出来ることがあるのでは？という点に様々なメーカーが取り組んでいるという流れになっているように感じます。

こちらの『CABINETRON』では、複数のキャビネットのミックスをより直感的に行えるようにしたうえで、さらに高機能なEQやトーンマッチング機能も搭載した、超多機能IRローダーとなっています。

まず注目したいポイントはDimension Mixer。レーダーチャートともいえる多角形のグラフの中をマウスで動かすことによって、最大8個のIRデータのミックスを直感的に行うことが出来ます。

そしてポストでかけるEQも非常に優秀です。よくある微調整をするおまけ程度のものではなく、同社の『KIRCHHOFF-EQ』を元にしたもので、ここでミキシングのためのEQを完結出来てしまうほどです。

そして既存のサウンドに似せるトーン・マッチング機能も搭載しています。音のキャプチャーの方法は、トラックを鳴らして読み込ませるだけでなく、波形をそのままドラッグ＆ドロップで読み込めてしまうのも非常に便利です。

さらに、作り込んだサウンドをひとつのIRデータとしてエクスポート出来るので、外部IRデータを一つしかロードできないフットタイプのシミュレーター等にも適用が可能という、まさに至れり尽くせりのプラグインです。