海外でヒットするJ-POPの共通点とは
■概要
2023年9月よりBillboard JAPANが新設した楽曲チャート「Global Japan Songs excl. Japan」では、日本での再生や購入を除き、世界で最も聴かれている国内アーティストの楽曲が20曲紹介されています。
「Global Japan Songs excl. Japan」(11/16公開分)
今回は、2023年11月16日に公開された上位20曲を分析し、楽曲の基本情報やサビに使用されたコード進行など、チャートインを果たした楽曲の共通点を探りました。
チャートインした楽曲
– YOASOBI「アイドル」
– King Gnu「SPECIALZ」
– imase「NIGHT DANCER」
– キタニタツヤ「青のすみか」
– 米津玄師「Lemon」
…etc
■チャートイン楽曲の特徴
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楽曲の長さ
– 4分以内:16/20曲
– 平均楽曲時間:3分43.5秒
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イントロ
– 冒頭歌い出し(イントロ無し):13/20曲
– 平均イントロ時間:5.1秒
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サビまでの時間
– 60秒以内:14/20曲
– 平均サビ到達時間:57.45秒
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サビ時間
– 30秒以内:14/20曲
– 平均サビ時間:27.75秒
■サビに頻出するコード進行
20曲中7曲で使用
「4361進行」(通称:丸サ進行、Just the Two of Us進行)
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使用曲①:YOASOBI「アイドル」
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使用曲②:imase「NIGHT DANCER」
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使用曲③:キタニタツヤ「青のすみか」
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使用曲④:椎名もた「少女A」
丸サ進行は、椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」に使用されたことで有名になったコード進行です。楽曲に少しジャズの要素を取り入れることができ、日本ではボカロ音楽や都会の夜をテーマしたCityPopに頻繁に使用されている印象があります。
20曲中3曲で使用
「1564進行」(通称:ポップパンク進行)
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使用曲①:米津玄師「Lemon」
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使用曲②:RADWIMPS「すずめ (feat. 十明)」
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使用曲③:優里「ベテルギウス」
日本では王道進行(4536進行)や前述の丸サ進行がメジャーですが、ポップパンク進行は、世界で最も使用されていると言われるコード進行です。1564進行のほかに、丸サ進行・王道進行と同じ4度から始まる「4156進行」や、マイナーコードから始まる「6415進行」など、起点を変えた形でも使用することができ、切なさと推進力のあるサウンドが特徴です。
■まとめ
今回は、海外でヒットしているJ-POPの特徴や、採用率が高かったコード進行をご紹介しました。
流行曲の特徴を知り、これまでと異なる視点から曲の冒頭やサビに注目して楽曲を聴くことで、新たな発見があるかもしれません。
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楽曲制作における基礎知識や現役クリエイターが楽曲で実践したテクニックを知り、実際の制作曲に要素として取り入れてみましょう。
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