【サンプルパック活用術】作曲家yamazo氏による楽曲制作テクニック
SONICWIREでは、サービス開始15周年を記念した特別企画として、多種多様なジャンルのループやワンショット、MIDI等の素材が収録された無償サンプルパック『SONICWIRE 15th Anniversary Pack』を公開しています。
『SONICWIRE 15th Anniversary Pack』
無償サンプルパックを使いこなすテクニックについて、アニメ劇伴を中心に数多くの人気楽曲を手掛ける作曲家”yamazo”氏にお伺いしました!
初めに
使用音源
まず配信でも解説した部分ですが、サンプルパックを使用した以外のトラックでは『EZ BASS』や『AVENGER』を使用しています。
シンセループに着想を得て『AVENGER』で似たフレーズに差し替えました。そのシンセコードに合わせて『EZ BASS』でベースを制作しています。詳しくは配信のアーカイブをご覧ください。
メロディ
配信後に制作したメロディ部分ですが、無償サンプルパックに収録されている『HATSUNE MIKU GLITCH VOCAL TOOL』のボイスサンプルを使っています。
制作したメロディのデュレーション(音の長さ)に合わせてボイスサンプルを適当に並べます。そのトラックにボコーダープラグインをインサートし、メロディのMIDI信号をそのボコーダープラグインに送ります。
そうすることで、並べたボイスサンプルが打ち込んだメロディの音程通りに再生されます。
(今回は『HARMONY』を使用しました)
気に入らない部分があればサンプルを入れ替え試してみましょう。
ただサンプルパックを使用してという企画なのでこんな回りくどいことしていますが、『初音ミク』に歌わせるのが一番です。
ミックス
ミックス関してはボーカルトラックに『METAFLANGER』、『RENAISSANCE VOX』、空間系が欲しいトラックに『CLA EPIC』を使用した程度で大きく手を加えていません。(「PtcII」はキーを合わせるためのピッチシフトプラグインです)
フェーダーでバランスをざっくり整えたらあとは『OZONE 10 ADVANCED』師匠におまかせします。
パラメータもほぼいじってません。 AIにまかせ、いいなと思えばそのままいじらない心の強さも時には必要です。
まとめ
簡単な解説になりましたが、私が一番伝えたいことは創作の初歩は自分へのハードルを上げすぎないことです。
フリーのサンプルパックのフレーズをそのまま使うことを恐れないでください。プラグインもプリセットのままで問題ありませんし、各トラックに無理に処理をしなくてもいいんです。それは中級者~上級者と進む過程で向き合えばいいのです。
まずはサンプルを並べて曲ができる喜びを感じてください。
1984年生まれ
ギタリスト・作曲家
専門学校卒業後、女性Vo.の二人組ユニットを結成し活動開始。
2009年解散後に作家活動に専念。
王道Jpopからロック、R&Bなどの楽曲も手がけ幅広くこなし、現在は劇伴のシーンにも活動の場をうつしている。
楽曲提供
KinKi Kids、AAA、斉藤壮馬、他
代表作品
「活撃刀剣乱舞」「SAOシリーズ」「A3!」
「ヤマノススメシリーズ(劇伴)」「美男高校地球防衛部シリーズ(劇伴)」
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