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世界的プロデューサーの「ヴィンテージ・シンセ」を多数収録。Cradle『The Prince』

2026年6月15日 17:00 by mak

Cradle『The Prince』

刺さる人にブスリと刺さる製品を携えるCradle社から、今回はクリエイター向けのソフト音源『The Prince』をご紹介!

これはプロデューサーFrank Dukesの膨大なヴィンテージ・シンセ・コレクションから抽出された、130種以上のサンプルを基に構築された2レイヤー式シンセサイザーです。のちに数々リリースされた同社のブレないソフト音源の言わば”祖”の位置づけとなります。

Drake、The Weeknd、Frank Oceanといったアーティストとの仕事で知られるFrankの「エモーショナルで質感豊かな音作り」の哲学が反映され、250以上のプリセットはいずれも彼自身がキュレーション/作成したもの。

2つの独立したサンプルレイヤーをブレンドコントロールで自在にミックスでき、LFOによる揺らぎや震え、フィルターによる周波数の動きなど「静的でない、生命力のある音」が簡単に生み出せます。

注目ポイント

パッド、ブラス、プラック、キー、オルガン、リードといった多彩なカテゴリーのプリセットが用意されており、楽曲の雰囲気やフックとなるメロディのインスピレーション源として機能します。

各レイヤーは独立してチューニング、フィルター、エンベロープ、LFOを設定でき、リンク/アンリンク機能により同時編集も可能なためサウンドデザインの自由度は非常に高いと言えます。

ノイズやディストーション、コーラス、ディレイ、リバーブといったエフェクトも内蔵され、プリセットを読み込んだ瞬間から即戦力となる音色を使用でき、自分好みのサウンドへの調整も簡単に行えます。

サンプル選択画面で特性別にフィルタリングし、直感的な言葉から目当ての音にたどり着けるフローは慣れると便利です。

ソフト音源 「The Prince」 | SONICWIRE

筆者もときおり使用しますが、かなり個性の強いサウンドなので、既存の曲に当て込む使い方よりも『The Prince』のサウンドに触発されて曲を作るほうがメインになるかなと思います。

オススメしたい人

まず、Frank Dukes本人のヴィンテージ機材コレクションへのアクセス権を得られると考えれば極めて高い価値があります。

実際にこれらの機材を揃えるには数百万円規模の投資とメンテナンスが必要であり、それを回避しながら本質的な音色を手に入れられるのは大きな利点です。

一方で、プリセット主体の設計思想であるため完全にゼロから音を作り込むタイプのシンセサイザーとしての柔軟性は限定的であり、モジュラー的な深い編集を求めるユーザーに物足りなさを感じる可能性があります。

テクノやハウスといった幾何学的に構築されたエレクトロニック・ミュージックよりも、有機的で感情的な質感を求める楽曲制作に向いています。