

【AMPLE BASS 4】リアルなベースラインをもっと直感的に。ベースの打ち込みを加速する「Riffer 4」!
2025年4月に登場したAMPLE SOUND 社の人気ベース音源最新バージョン『AMPLE BASS 4』。

操作のしやすさはそのままに、Ample Sound v4エンジンの採用でオーディオ処理性能が向上。昨今の高解像度モニタにも対応する5K UIデザイン。『AMPLE BASS 4』のポテンシャルに合わせて、洗練されたトーンにプリセットを再設計するなど、全体の性能を底上げするアップデートが行われています。その中でも本バージョン最大の目玉は、「Riffer 4」へのアップデートです!
表現力豊かなベースラインの構築は楽曲のクオリティを左右する重要な要素です。しかし、その細やかなニュアンスをDAW上で再現するのは、時に根気のいる作業となりがちです。今回のバージョンアップにより、「Riffer 4」がその強力な解決策となるかもしれません。
本記事では、「Riffer 4」がベースライン制作においていかに武器となるのかをご紹介します。
Rifferについて
「Riffer」は、『AMPLE BASS』『AMPLE GUITAR』シリーズに内蔵された、強力なリフ(フレーズ)の作成・編集機能です。『AMPLE BASS』における「Riffer」の主な目的は、複雑で表現力豊かなベースラインを、直感的かつ効率的に制作できるようにすることです。前バージョンまでは、ベーシストには馴染み深いタブ譜を模した画面が採用されており、ノート一つ一つにピッチや長さはもちろん、ベロシティ(音の強弱)、演奏する弦の指定、アーティキュレーション(後述)、レガートの種類まで、細部にわたって設定でき、複雑なフレーズや多彩な奏法も直感的に扱えました。もしこれをDAW上に打ち込むとすれば、アーティキュレーションを変更するキースイッチの入力やオートメーションを書く必要があるため、演奏 / 発音するノートの入力以外にかなりの時間を要します。これらの手間を軽減し、豊富なアーティキュレーションや演奏表現を手軽に適用できるインターフェースは、多くのユーザーに愛用されてきました。リフのたたき台にも使えるプリセット・フレーズも多数収録されています。

▲『AMPLE BASS 3』の「Riffer」画面
以降で、よりベースラインの編集に特化してアップデートされた「Riffer 4」のポイントを詳しく見ていきましょう。
Riffer 4 のポイント01:
自分に合った編集スタイルを選べる「ピアノロール」
今回アップデートされた「Riffer 4」では、新たにピアノロール画面が追加されました。

▲『AMPLE BASS 4』でアップデートされた「Riffer 4」画面。ピアノロールでのリフ編集が可能に。
ここ数年でTOONTRACK 社のEZシリーズをはじめ、インストゥルメント内にピアノロールを内蔵する製品が増えています。ピアノロールという画面自体は多くのDAW に採用されていて、DTMに触れたことがある方なら馴染みのある編集画面です。しかし打ち込みを行う上で、「楽器の知識はあっても、それをDAWに入力するのが大変…」「トラック(インストゥルメント)ごとに違うキースイッチを覚えるのが大変」といった悩みはなかなか消えません。インストゥルメント自体にピアノロールを内蔵することによって、慣れ親しんだ操作性はそのままに、様々なインストゥルメントに対応する必要があるDAWでは難しい、その製品に特化した編集機能を盛り込むことが可能になります。「Riffer 4」のピアノロールも同様に、アーティキュレーションやレガートなどのコントロールを簡単に設定できる仕様となっています。もちろん、前バージョン同様の操作感を求める方は、変わらずタブ譜画面も使用できます。
Riffer 4 のポイント02:
直感的なノートのプロパティ編集
入力 / 選択したノートの一般的なノートプロパティ(開始・終了時間、ピッチ、ベロシティ、演奏弦など)は画面上部に表示され、直接数値を入力したり、マウスドラッグやスクロールホイールで感覚的に調整したりできます。ノートプロパティの「Legato」セクションでは、ハンマリング・オン/プル・オフやレガートスライドといった、音を滑らかにつなぐための様々なレガート奏法をドロップダウンからの選択で適用できます。これにより、機械的ではない、流れるようなベースラインも簡単に実現できます。

▲「Riffer 4」のノートプロパティ。ノートごとのノートオン / オフや、ピッチ、ベロシティ、アーティキュレーション、レガート、演奏弦などを設定する。
エクスプレッション&FXレーンを使えば、サステイン中にアーティキュレーションを変化させたり(例:サステインの途中からスライドアウトなど)、弦を擦る音やスライド時のノイズなど、演奏にさらなるリアリティを加える特殊な効果音(FX)を、ノートと同様に配置・編集できます。

▲「Riffer 4」のエクスプレッション・レーン&FXレーン。
プロパティ編集で特筆すべきは、弦の指定機能です。 ベースなどの弦楽器は、同じ音階でもどの弦で演奏するかによってサウンドやニュアンスが大きく変わり、フレージングにも影響してきます。「Riffer 4」のピアノロールは、どのノートがどの弦で演奏されるのかを線で繋ぐことで視覚化するストリング・ビジュアライゼーション・システムを採用。レガートさせたいのに一向にうまくいかず、よくよく確認したら2音目の弦が違った~などの「あるある」な沼も回避しやすくなっています。ノートの演奏弦を変更させたい時も、ドロップダウンからの選択や、フレットボード上の任意のフレットをクリックするのみで楽々です。フレットボード上で選択したフレットの音階も適用されるので、まだ打ち込みに不慣れなベーシストやギタリストの皆さんは、音階を気にせずノートを入力したら、演奏したいフレットをクリックするフローが便利かもしれません。

▲ストリング・ビジュアライゼーション・システムによって敷かれている線で、ピアノロール上のどのノートが何弦で弾かれるかが把握しやすくなっている。また、ノートを選択したあと、画面上部のベース画像で任意のフレットを選択すると、その弦 / 音階がノートに適用できる。
Riffer 4 のポイント03:
編集を加速するスマートなツール群
「Riffer 4」には、新たにコードトラックが追加されました。楽曲の制作中にコード進行が変わることはよくありますが、五度圏からコードを選ぶとリフ中の指定範囲にあるノートをコードに合わせてトランスポーズできます。キー(調)を指定してリフ全体の一括トランスポーズも可能で、音楽理論に基づいた整合性のあるフレーズ作りをサポートします。

▲「Riffer 4」で追加されたコードトラック。
また、ノートを選択した右クリックメニューには、Copy、Paste、Duplicate はもちろん、「Deoverlap Notes(同音程のノートの重複を除去)」、「Velocity Rounding(ベロシティを最も近い5または10に揃える)」、「Legato(同音程の次のノートまで長さを伸長)」といった、ベースライン編集に特化した便利な機能が用意されています。これらを活用することで、煩雑な手作業を大幅に削減できます。

▲ノート上で右クリックすると表示されるサブメニュー。ベースラインの編集に特化した項目が多い。
さらに、「Riffer 4」はDAW顔負けのMIDI CCエディターを搭載。ベースラインに微妙なニュアンスやダイナミクスを加えるピッチベンド、モジュレーション、ボリュームなど、各種MIDIコントロールチェンジ(CC)を視覚的なカーブで細かく編集できます。 カーブのプリセットも用意されているため、適用したいノートを選んでプリセットを選ぶだけの素早い編集も可能です。(タブ譜画面のモードでも使用可)

▲「Riffer 4」のMIDI CCエディター。ベンド、モジュレーション、ベロシティ、など任意に選択した5つのコントローラを編集可能。エンベロープ編集はフリーハンドでの編集も可能だが、対象のノートを選択した上でエンベロープのプリセットを選ぶと、ノートの長さに合わせたエンベロープを容易に入力できる。
おわりに:
Riffer 4でベースライン制作はここまで進化する
これまでにご紹介した機能を駆使してリフを仕上げた後は、ドラッグアンドドロップでDAW上にエクスポートして楽曲の一部となります。「Riffer 4」によって、これまで時間をかけて行っていた細かなノートの調整や、複雑なアーティキュレーションの打ち込み作業が、驚くほどスピーディかつ簡単に行えるようになるでしょう。アーティキュレーション変更も気軽に試せるようになるので、試行錯誤を繰り返しながら理想のニュアンスを追求でき、フレーズの表現力向上も見込めます。結果として、ベースライン制作がより楽しいプロセスへと変わり、楽曲全体のクオリティ向上はもちろん、モチベーションアップも見込めます。
そんな「Riffer 4」を搭載した『AMPLE BASS 4』、ぜひチェックしてみてください。
尚、『AMPLE BASS 3』までのユーザー様は、無償で『AMPLE BASS 4』の導入が可能です。詳しくは以下サポートページをご参照ください。
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