Steinway Dをその適応能力ごとキャプチャしたTOONTRACK『EKX – ORCHESTRAL GRAND』
TOONTRACK『EKX – ORCHESTRAL GRAND』
TOONTRACKのEZ KEYS 2用の拡張音源に少し久しぶりな新作『EKX – ORCHESTRAL GRAND』が登場。
SUPERIOR DRUMMER 3のコアライブラリー等でも使用された、「完璧」と評価されたベルギーのGALAXY STUDIOSにて、イマーシブサウンドにも造詣深いトーンマイスターPatrick Lemmensの手により収録されています。
クラシック、映画音楽、ポップミュージックからジャズまで、さまざまなジャンルに適応するSteinway D-274の能力が、EZ KEY 2の柔軟なマクロコントロールを通じて再現されます。
- メーカー:TOONTRACK
- カテゴリ:ソフト音源
「完璧」なホール、19本のマイクアレイ
収録に使用されたGALAXY STUDIOSのメインホールは外部ノイズから完全に遮断された大きな容積を持ち、Steinway Dの繊細なタッチから轟雷のような響きまで、あるいは近年の流行でもあるIntimate(近距離の弱音)なサウンドまでを雑味なくキャプチャするには最適な環境です。
SUPERIOR DRUMMER 3のコアライブラリー収録時にも使用されたスタジオですので、サウンドの融和性については文句なし。
クラシックをはじめとしたあらゆるジャンルの音楽の収録を指揮したPatrick Lemmensは、Neumann U87, Schoeps MK-4といった高品質マイクをさまざまな距離、さまざまな角度に設置。つまりは、高い適応能力を誇る「ピアノ」という楽器をその適応能力ごとキャプチャしたのです。
サラウンド、バイノーラル、イマーシブと、映画音楽でたびたび試された没入型サウンドに対しても豊富な見識とともに携わってきたPatrick氏だからこそ成しえた、最高峰のピアノサウンドの一つといえるでしょう。
それが証拠に、これまでのTOONTRACK社のピアノ音源が500MBほどであったのに比べ、本製品は7.5GBという突然の大容量。もちろん容量イコール品質というわけではありませんが、使用されるサンプルの多さ、サウンドメイクにおける自由度の高さが容量に現れることは確かです。
ORCHESTRAL…にとどまらぬ、豊富なプリセットとMIDI
では、実際に使用する際には結局自分がすべて演奏してDAWに録音しなければいけないのかというのが気になるところ。
もちろん腕利きのピアニストに依頼してMIDIレコーディングするのもよいのですが、本製品のプリセット(ミキサーテンプレート)や収録MIDI フレーズにはクラシック用途のみならずポップやジャズにも対応するようデータが取り揃えられています(製品ページにてご確認ください)。
もちろんほかのシリーズ製品に収録されたピアノフレーズを本製品のサウンドで演奏させるのも、本製品に収録のフレーズをシリーズ製品のサウンドで演奏させるのもよし。EZ KEYS 2という母艦を通じて、ぞんぶんに可能性を探ってみてください。
2024/10/17記:上記のデモ演奏の動画タイトルが「Arabesque No. 1 E Minor」となっていますが、動画内に記されているように、正しくは「Arabesque No. 1 E Major」です。