KV331社『SYNTHMASTER 3』製品レビュー by 浅田 祐介 氏
サウンド・プロデューサー/ANYTHING GOES ltd.代表取締役/一般社団法人JSPA代表理事の浅田祐介 氏から、先日待望の最新バージョンがリリースされたシンセサイザー、KV331『SYNTHMASTER 3』のレビューをいただきました!
待望の『SYNTHMASTER 2』からのバージョンアップ。KV331には『SYNTHMASTER ONE』というシンセもあるので一瞬新規ラインアップかと思いますが、こちらは2からのバージョンアップの様です。
今回のバージョンアップなのですが、ほぼ新規ラインアップと言って良いくらいの刷新。まずはUIが『SYNTHMASTER ONE』に近い明るい青を基調にしたものに変更されました。さらに『MASSIVE』や『SERUM』のように、LFOやENVなどの動作がUI上に反映されるようになりました。
これは最近のシンセでは必須の機能で、特にモジュレーションが何が・どこに・どれくらい掛かっているのかを視覚的に確認できるのは助かります。
さらに2からの変化として、以前はほぼ固定だった各モジュールの接続がモジュラーシンセのように自由に組むことができるようになりました。これは今自分の仕事で出番が多く、同じくモジュラー構造の『Phase Plant』の対抗馬になり得るなぁと思いました。
また、2ではちょっと硬いかな、と思っていた音色の傾向も『SYNTHMASTER ONE』の良さも取り入れ、太く厚い音も簡単に作れるようになりました。そして個人的に嬉しいのはオシレータのグラニュラーシンセシス。これもモジュラーが自由に組めるので、良くある2〜3のオシレータのうちの一つをつぶすことなく音色を作れます。
正直言って至れり尽くせりで、シンセ中級者〜上級者はこれ一つでいけるのではと思うくらいのクオリティと機能を持った『SYNTHMASTER 3』。
とにかくSYNTHMASTERのユーザーは文句なくバージョンアップしていいと思います。
[JSPAメールマガジンより]
1968年東京生。1995年にフォーライフからアーティストとしてデビュー。4枚のアルバムをリリース。サウンドプロデューサーとして、Chara、傳田真央、Crystal Kay、玉置成美、CHEMISTRY 、織田裕二、キマグレン等々、数多くのアーティストでヒット曲を送り出した日本を代表するサウンドプロデューサーの一人。また近年はミュージシャンズxハッカソン、TECHSなどのエンターテック系イベントの企画運営や、デザイナーYUMA KOSHINOとの音楽レーベル「Blind Spot」主宰など、活動の幅を広げている。
ANYTHING GOES ltd. 代表取締役 / 一般社団法人JSPA代表理事
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label KV331, SYNTHMASTER, シンセサイザー