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【ギター初心者必見】ピックアップセレクターについて

2024年7月17日 18:30 by sym

ギタリストの皆さん、ピックアップセレクターをうまく使いこなせていますか?ピックアップセレクターを使えば、たった1本のギターでも幅広いサウンドを楽しむことが可能です。

今回は、ピックアップセレクターについて紹介していきます。


ピックアップセレクターとは?

ピックアップセレクターとは、使用するピックアップを選択するスイッチのことです。

例えばストラトキャスターの場合、画像内の円で囲ったレバーを前後にカチカチずらすことで、使用するピックアップを瞬時に切り替えることができます。一般的なギターには2個または3個のピックアップが搭載されており、ピックアップを使い分けることで、たった1本のギターでもいろんなサウンドが楽しめます。

ピックアップポジションごとの音の違い

各ポジションはそれぞれ音のキャラクターに違いがあります。ギターのネック側に一番近いピックアップは「フロントピックアップ」、その真反対のブリッジに一番近いピックアップは「リアピックアップ」と呼ばれます。ストラトキャスターのようにピックアップが3つ搭載されているものは、フロントとリアの間に「センターピックアップ」と呼ばれるピックアップがあります。

各ポジションの音色の特徴を簡潔にまとめると、以下のような違いがあります。

  • フロントピックアップ

    甘く太めで、温かいサウンド。他よりこもったサウンドですが、優しいトーンが特徴です。ジャズやブルースなどのギターが目立つジャンルや曲においては、フロントが多用されている傾向があります。

  • センターピックアップ

    フロントとリアの中間のようなサウンドです。音の太さと鋭さが程よいバランスで、ニュートラルな印象のサウンドが得られます。音がこもり過ぎず、抜けも良くて存在感があるので、バッキングでバンドサウンドをしっかり支えたい時にも役立ちます。

  • リアピックアップ

    音が鋭く、ジャキジャキと歯切れが良いサウンド。輪郭がはっきりしているので、フレーズが聞き取りやすいです。そのため、少し目立たせたい「ここぞ」という場面でリアに切り替える、という使い方も良いでしょう。爽やかなポップスやロックなどと相性が良いです。

    アンプの設定次第ではかなりキンキンしてしまうので、注意が必要です。リアを積極的に使いたい際は、リアのサウンドを基準にサウンドメイクをしていくと良いでしょう。

基本的な特徴とオススメの使い方は上記の通りですが、「この奏法の時はこのピックアップ」と決まっているわけではないので、自分のギターの特徴や音の好みなどで自由に選んで問題ありません。もちろん、群を抜いてお気に入りのポジションがあれば、一つのポジションだけで演奏しても良いでしょう。弾いてて一番心地良いポジションを見つけましょう!

ピックアップセレクターの仕組み(ストラトキャスター・タイプの場合)

ピックアップセレクターの仕組みは、ギターに搭載されているピックアップの個数によって異なります。

一般的なストラトキャスターはピックアップが3個搭載されているので、下記のように5通り(5WAYと表現されます)のサウンドを選択できます。

  • フロント(①のみ)

  • フロント+センター(①と②)

  • センター(②のみ)

  • センター+リア(②と③)

  • リア(③のみ)

※下の画像で、茶色く塗りつぶされたピックアップが使われます。

ストラトキャスターにおいて、「フロント+センター」と「センター+リア」のように2個のピックアップを同時に使うことを「ハーフトーン」と言います。ただし、2個のピックアップを同時に使うからといって、音量が倍大きくなるわけではありません。ハーフトーンはマイルドなサウンドが特徴で、フロントやリア単体の際に生じる低音やキンキンする高音に悩まなくて済む一方で、パコパコした音になるなど比較的好みが分かれやすいサウンドをしています。

また、5種類のサウンドを簡単に切り替えられて便利ですが、フロントとリアでサウンドの差が大きいため、「リアが扱いづらい」という声が多いのもストラトキャスターの一つの特徴です。低音域が多めのモコッとしたフロントに合わせてサウンドメイクすれば、真反対のリアは高音が出過ぎてしまいます。簡単に5種類のサウンドを切り替えることはできても、5つのポジション全てで理想的な音を出すにはセッティングの工夫が必要です。

上記では一般的なストラトキャスターの紹介をしましたが、パッと見普通の5WAYでもフロント+リアのハーフトーンが鳴らせたり、他のスイッチと併用してセンター+リアのハーフトーンにフロント追加、3つのポジション全部鳴らすような特殊な機能を持つギターもあります。

ピックアップセレクターの仕組み(レスポール・タイプの場合)

一般的なレスポールはピックアップが2個搭載されているので、下記の3通り(3WAYと表現されます)のサウンドを選択できます。

  • フロント(①のみ)

  • フロント+リア(①と②)

  • リア(②のみ)

※下の画像で、茶色く塗りつぶされたピックアップが使われます。

前述の通り、ストラトキャスターでは2つのピックアップの同時使用を「ハーフトーン」と呼ぶと紹介しましたが、レスポールでは一般的に「センターポジション」という表現が使われます。

レスポールのピックアップセレクターには、「RHYTHM」と「TREBLE」の文字が記載されています。「RHYTHM」側にレバーを倒すとフロントピックアップ、「TREBLE」側にレバーを倒すとリアピックアップが使われます。

よくあるトラブル

ピックアップセレクター周りでよく生じるトラブルとして、「ガリ音」と呼ばれるものがあります。これは、ピックアップセレクターでピックアップを切り替えるときや、ボリュームとトーンのつまみを回した時などに発生するノイズのことです。このノイズは主に、埃が入ったり、錆び付くことが原因として挙げられます。ピックアップセレクターやボリューム/トーンのつまみをいじる度にノイズが発生するのは厄介なので、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。


今回はピックアップセレクターについて紹介しました。ピックアップセレクターのように手元で行う操作で音を細かくコントロールできると演奏の幅がグンと広がると思います。まだうまく使いこなせていない方は、これを機に自分のお気に入りのピックアップポジションを探してみてはいかがでしょうか。

本記事を通して、少しでもギターの知識が得られたり、より興味を持つ機会になっていれば幸いです。

今後もギターの様々な情報をお届けしていきますので、お楽しみに!