【初心者必見】ギターに関する基礎知識と種類紹介
ギターはブルースやジャズなどから現代のロックやポップスまで幅広いジャンルで使用されている楽器です。ただし、ギターと一口に言っても、素材や構造、奏法や併用する機材などによって、奏でられる音色は幅広く、無限大です。
ギターの無限の可能性を自分の作品や音楽活動に最大限活かすためには、まずギターについて詳しく知ることも大切です。ギターとその周辺機材に関する細かい知識を身につけることで、頭の中で思い描いているサウンドをアウトプットできるようになるでしょう。
今回は、ギターについて基本的な知識が少ない/どんなギターがあるのか知りたいといった方に向けて、ギターの基礎知識と代表的なギターの種類について紹介していきたいと思います。
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ギターの各部の名称について
本記事を読み進めていく上で、ギターにおける各部の名称や専門用語が出てきます。より理解を深めるためにも、まず最初に図に記されている各部の名称を憶えておきましょう。
大まかなギターの種類紹介
本記事を読み進める前に頭に入れておいてほしいアコースティックギターとエレクトリックギターの分類を図にまとめてみました。アコースティックギターもエレクトリックギターも、細かく分けると沢山の種類が存在しますが、大きく分けると図の通りシンプルに分類できます。
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アコースティックギター
一般的に「アコギ」と呼ばれるアコースティックギター(以下、「アコギ」という)は、6本の弦を持ち、ひょうたんのようにくびれたボディが特徴です。厳密にいうと、アコギは「フォークギター」と「クラシックギター」の2種類に大別されますが、一般的に「アコギ」という言葉はフォークギターのことを指して使われているケースが非常に多いです。
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フォークギター
ポップスを中心として幅広いジャンルで使用されており、シンガーソングライターがよく弾き語りで使っているイメージが強いのが、フォークギターです。一般的には金属製のスチール弦が使われているため、その音色は明るく、綺麗で爽やかです。弾き語りのイメージが強いギターですが、バンドサウンドとの相性も良く、そのキラキラとしたサウンドはバンドサウンド全体にさらに厚みを持たせ、華やかにしてくれます。
また、フォークギターの内部に「ピックアップ」と呼ばれるマイクの役割をするパーツを取り付けることで、アンプなどに接続できるギターを「エレクトリックアコースティックギター(エレアコ)」と呼びます。ライブで弾き語りがしたいけど、どのアコギを買おうか迷っている方は、まずはエレアコの中から探してみると、1本でいろいろな場面に対応できるので良いと思います。
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クラシックギター
クラシックギターはその名の通り、クラシック音楽を弾くこともありますが、ポップスやボサノバなどでもよく使われています。別名、ガットギターやナイロンギターと呼ばれることもあります。全体的な見た目はフォークギターと似ていますが、ギターの弦を巻いて固定するヘッド(先端)がバイオリンなどに近い構造になっていたり、弦の巻き方が違うなど、フォークギターとは大きく異なる部分があります。また、ナイロン弦が張られているため、音は「ポロン」と表現されるような柔らかく優しい音色が特徴です。
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エレクトリックギター
一般的に「エレキギター」と呼ばれるエレクトリックギター(以下、「エレキギター」という)は、木製のボディに取り付けられたピックアップを用いて弦の振動を拾い、電気信号に変換し、シールド(ケーブル)を経由してギターアンプから大音量で出力させるギターです。アンプなしで単体で鳴らすと非常に小さい音なので、基本的にはアンプに繋げて弾くことがほとんどです。ロックやメタルと聞いて連想するあのギターらしいクールなサウンドは、音を変化させる「エフェクター」という装置をつないで様々なエフェクト(効果)をかけることで鳴らすことができます。
エレキギターには大きく分けると、「ソリッドボディ・ギター」と「ホロウボディ・ギター」と呼ばれる2種類が存在します。
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ソリッドボディ・ギター
ソリッドボディ・ギターはボディに空洞のないタイプのエレキギターです。例えばテレキャスター、ストラトキャスター、レスポールといったモデルが存在します。
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ホロウボディ・ギター
ホロウボディ・ギターは、ボディ内部が空洞になっているエレキギターで、セミアコやフルアコと呼ばれるモデルが存在します。
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アコースティックギターの種類(代表的なもの)
エレキギターと比較するとそれぞれの違いは分かりにくいかもしれませんが、アコースティックギターにも、サイズや形、音色の特徴が異なる様々なモデルが存在します。ここからは、上記のアコースティックギターの分類の中でも「フォークギター」の種類に焦点をあてて、代表的なものを紹介したいと思います。
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ドレッドノート
ボディが非常に大きいことから、イギリス海軍の戦艦「ドレッドノート」が名前の由来となっています。ボディが大きい分、音量も大きく迫力のあるサウンドが特徴のアコギです。
大手ギターメーカーMartin社が発表したアコギのうち、「D-45」「D-28」などのように名前が「D」から始まるモデルのギターがこれに含まれます。現在はアコギの定番といえるボディの形状となり、他社でも似た形のアコギが多く生産され、ドレッドノートと表記されています。
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O(オー)シリーズ
このオーシリーズには、O(シングルオー)、OO(ダブルオー)、OOO(トリプルオー)と複数タイプあり、O→OO→OOOとOの数が増えるにつれて、サイズが大きくなっていきます。前述のドレッドノートと比較するとボディが小さいため、音量は小さくなりますが、より繊細な音を奏でることができます。また、スケール(弦長=ナットからブリッジまでの長さ)が短い設計なので弦のテンションが弱く、チョーキング(弦を押し上げる/引き下げて音程を変化させるテクニック)がしやすいギターでもあります。
以上の特徴から、チョーキングなどのテクニックを織り交ぜたアコギのギターソロを弾きたい方や、弾きやすいギターをお探しの方には相性の良いギターかもしれません。また、単純にボディサイズが小さいので、小柄な方でも弾きやすいギターでしょう。
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OMタイプ
ボディサイズはOOO(トリプルオー)、スケールはドレッドノートと同じという、2種類のアコギの要素を融合させたようなギターです。有名なモデルでは、定番のOM-28や最高モデルのOM-42などがあります。
OOOと比べると、OMはスケールがやや長いため、弦のテンションが強くなり、どっしりとした力強いサウンドが特徴です。「ボディは少し小さめがいいけど、力強いサウンドは残したい」といった方に良さそうなギターです。
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ジャンボ
一般的には、Gibson社が生産しているラウンドショルダー、スーパージャンボ、スクエアショルダージャンボなどの比較的大きいサイズのモデルのことを指しますが、他社のアコギでも同様に大きいサイズのアコギをジャンボと表記しているケースもあります。Gibson社でいうと、例えばJ-45、サザンジャンボ、ハミングバードといったモデルがこれにあたります。その大きなボディから奏でられる迫力のあるサウンドは、ジャカジャカとしっかりかき鳴らしたいミュージシャンにぴったりと言えそうです。
エレクトリックギターの種類(代表的なもの)
エレキギターはアコギと比べて、モデルごとに形の違いが明確だと思います。しかし、形以外にも、例えば搭載されているピックアップの種類や数、使われている木材やパーツ、ボディの大きさや重さなど、様々な細かい要素がそのギターの音色に大きく影響を与えています。
例えば、エレキギターに搭載されるピックアップは、歯切れの良いクリアなサウンドが特徴の「シングルコイル」と、サウンドが太くてパワフルかつノイズに強い「ハムバッカー」に分けられます。サウンドを左右する非常に重要なパーツの為、ピックアップを一つ別のものに変えるだけで全く違うサウンドが得られるのも、エレキギターの面白さと言えるでしょう。
エレキギターは下記以外にも非常に多くの種類が存在しますが、細かい要素にも触れていきながら、代表的なものをいくつか紹介したいと思います。
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テレキャスター
ソリッドギターの原点と呼ばれるギターです。ギターの大手メーカーFender社が1950年代から生産を始め、現在でも幅広いプレイヤーに支持されています。音のイメージとしては「チャキチャキ」というようなクリーンで歯切れのよい、明るめなサウンドが特徴です。主にリアとフロントで、2基のシングルコイル・ピックアップが搭載されています。
現代のポップスやロックはもちろん、ブルースやカントリーでもよく使われています。バンドで演奏する際には、コードを弾くリズムギターとソロなどを弾くリードギターどちらの役割にもなれる万能なギターですが、筆者個人的にはその歯切れの良いサウンドでコードを弾くのが好みです。明るく爽やかなロックなんかには相性抜群だと思います。ぜひ自分の好きな使い方を探してみてください。
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ストラトキャスター
基本的な構造はそのままに、テレキャスターに改良を加えて1954年に登場したストラトキャスターは、Fender社のギターではテレキャスターと共にスタンダードとされる、絶大な人気を誇るモデルです。こちらも現代のポップスやロックではもちろんですが、特に数々の有名なブルース・ギタリストにも愛されているモデルです。
ジャンル問わず幅広く使える万能なギターで、最初の1本をお探しの方にはオススメです。エレキギターに加えてストラップやシールド、アンプなど、演奏に必要なものを丸ごとお手頃価格で購入できる「初心者セット」にはストラトキャスター・タイプのギターが採用されていることも多く、非常に弾きやすい初心者向けのギターと言えるでしょう。
ピックアップは、基本的にリア、ミドル、フロントで3基のシングルコイル・ピックアップが搭載されています。演奏時は3基のシングルコイル・ピックアップ単体のサウンドに加えて、「リア+ミドル」と「ミドル+フロント」の計5種類のサウンドを演奏中に手軽に変更でき、それらをうまく駆使することでサウンドや演奏の幅も大きく広がるでしょう。
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レスポール
1952年にギター大手メーカーGibson社が発表した、特にロックギタリストを中心として、絶大な人気を誇るモデルです。いわゆるロックギターと言われて想像できるかっこいいサウンドからジャズ向きのおしゃれなサウンドまで幅広いサウンドを奏でることができ、様々な楽曲・ジャンルで使われています。非常にパワフルなサウンドが特徴なので、とにかく激しいロックを演奏したければ、相性抜群なレスポール一択と言っても過言ではないでしょう。
ピックアップは、基本的にはハムバッカーが採用されており、フロントとリアの2基搭載されています。Gibson社のギターのほとんどは、ハムバッカーが採用されています。
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SG
Gibson社から出ているSGはレスポールの後継機種で、その左右対称のダブルカッタウェイ(クワガタのような形)のボディが特徴のギターです。レスポールと比べると、ボディが薄く軽くなり、より低価格帯で販売されています。ピックアップはレスポールと同様にハムバッカーが2基搭載されており、ロックと相性抜群な厚みのあるサウンドを奏でます。
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フルアコ(フルアコースティックギター)
フルアコはボディ全体が空洞で、エレキギター用のピックアップが搭載されています。上述のソリッドギターより空洞がある分ボディサイズも生音の音量も大きく、「アコギっぽいエレキ」といったイメージのギターです。一方でアンプ等で大きな音量を出すとハウリングしやすいため、スタジオ練習やライブで使う際には注意が必要です。フルアコが奏でる綺麗で甘い音色は特にジャズとの相性抜群です。
ピックアップは、ハムバッカーが搭載されていることが多いですが、個数は1個だったり2個だったりとモデルによって異なります。
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セミアコ(セミアコースティックギター)
ボディの中央はセンターブロックと呼ばれる木の塊になっており、両端が空洞になっている構造のギターです。フルアコよりハウリングしづらくなっており、ソリッドギターとフルアコの中間のようなサウンドをしています。この独特な音色に歪み系のエフェクトをかけてパワフルなサウンドを活かすことも、クリーントーンでジャジーに弾くスタイルも可能です。ロックでもブルースやジャズでも、様々なジャンルにおいて使えるギターです。ピックアップは、基本的にハムバッカーが2基搭載されているものが多いです。
ギターを初めて買うなら…アコギとエレキどっち?
一本数万~数十万円するギター。実物のギターを購入検討している場合は、色々なギターを揃えるのは簡単なことではありません。
もし最初の一本で悩んでいるのであれば、どういう楽しみ方をしたいか考えてみましょう。例えば「弾き語りをしてみたい」「シンガーソングライターに憧れている」「アコギの優しく心地良い音色が好き」などといった方にはアコギがオススメ。
一方で、例えば「ロックやメタル系のサウンドが好き」「ロックバンドを組みたい」「ギターソロや有名なギターフレーズを速弾きしたい」「家で大きい音は出せないけど、ギターを弾いてみたい」などといった方にはエレキがオススメです。
また、特に初心者に注意しておきたい点もあります。
例えばアコギは一般的に、エレキギターと比べて弦の張り具合が硬く、弦も太いので、慣れないうちは指が痛くなりやすかったり、弾くのが難しく感じるかもしれません(慣れると指先の皮が厚くなって全く痛みを感じなくなります!それまでコツコツ頑張りましょう!)。
一方で、エレキギターはそれ単体では音が小さく、「エレキギターらしい」音は出ないので、基本的にはアンプとシールド、必要に応じてエフェクターなどを併せて購入します。そのため、初期費用は「エレキギターの金額+数万円」ほどになるケースが多いです。最初にどのような機材を揃えるかについては、楽器店で相談すると良いでしょう。
自分でギターは弾けないけれど、DAWを使った作曲でギターの音を取り入れたい、という方にはギター音源をオススメします。豊富な演奏支援機能をもった製品を使えば、“ギターらしいフレーズ”を簡単に楽曲に取り入れることができます。
実物のギターよりも比較的安く手に入るので、アコギ/エレキどちらも揃えている方も多いです。まずは自分が欲しい音で決めてしまい、他に気になるものが出てきたら買い足していきましょう。
今回は代表的なギターの種類について紹介しました。ギターについて詳しく知ることは、ギタリストにとってはもちろん、ギターを弾かない/ギターのソフト音源を使う作曲者にとっても非常に重要です。知識を蓄えておけば、適切にフレットノイズを入れたり、ハンマリング/プリングを織り交ぜることで、よりリアルなギタートラックを制作できます。
本記事を通して、少しでもギターの知識が得られたり、より興味を持つ機会になっていれば幸いです。
今後もギターの様々な情報をお届けしていきますので、お楽しみに!
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