SONICWIRE

HEAVYOCITY『GRAVITY 2』ショートインタビュー / カワイヒデヒロ氏(fox capture plan)

2023年12月28日 17:00 by iro

作・編曲家 / ベーシストとして活躍するカワイヒデヒロ氏(fox capture plan)に、HEAVYOCITYGRAVITY 2』についてお話を伺いました。

日ごろから多くの劇伴作品に『GRAVITY』シリーズを含むHEAVYOCITY製品を愛用いただいているカワイ氏が感じた『GRAVITY 2』の特徴などをお聞きしましたのでご覧ください。

音楽とサウンドの世界に新たな息吹を吹き込むスコアリング・ツールキット
税込価格 ¥76,351¥41,993
  • メーカー:HEAVYOCITY
  • カテゴリ:ソフト音源

以前HEAVYOCITY 製品についてお伺いした際(HEAVYOCITY 製品レビュー参照)、初めて触れたHEAVYOCITY 製品は『GRAVITY』とお聞きしました。それ以降も『GRAVITY』をお使いになる機会はありましたか?

『GRAVITY』は劇伴音楽を作る上でスタメンといってもいいくらい使用頻度が高いです。最近も映画音楽で使用しました。

付き合いの長い『GRAVITY』の続編としてリリースされた『GRAVITY 2』ですが、収録サウンドはいかがですか?

『GRAVITY』はPad系が多く収録されていましたが、『GRAVITY 2』ではシーケンスっぽいパッチやモーフィングするPadがたくさんあるので、白玉を押さえるだけで雰囲気いいものが作れますね。

これまでお使いになっていたHEAVYOCITY 製品と比べて、『GRAVITY 2』の機能面はいかがでしょうか。

各Page(画面)で直感的にエディットできるようになったのは面白いですね!Macro SequenceやPerformance Pageでパッチを細かくエディットできるので、「この音色でこうしたい」っていう要望も叶えられますね。

  • ▲『GRAVITY 2』内の様々なコントロールをオートメーションさせるMacro Sequencer。各パラメータはそれぞれ個別にモジュレーションのレンジを設定することが可能。

  • ▲ロードしたサンプルソースのプレイバックに関する設定を行うPerformance Page。

『GRAVITY 2』でお気に召した点があれば教えていただけますか?

Mixer Pageが面白いです!中央の球(CHANNEL MIX REGIONS)を動かすと音に変化が生まれるので、RANDOMをオンにしてその変化に規則性をなくすことで、白玉を押さえるだけでずっと聴いていられます笑

▲Mixer Page。画面中央のCHANNEL MIX REGIONS にてポインタをドラッグしポジションを変更することで、ロードした3つのサンプルソースのミックス具合を調整する。ポインタ動作はオートメーションとして記録が可能な他、ポジションをランダム化させることが出来ます。

『GRAVITY 2』を既に制作でお使いになっているとのことで、どのような使い方をされましたか?

Mixer Pageの機能を使って、不快なサウンドを出す時のテクスチャーとしてや、緊急事態のシーンにデジタル音のフレイバーとして加えたりしました。ストリングスとの相性も良かったです。

『GRAVITY 2』は、『GRAVITY』の後継製品ではなくシリーズ製品という位置づけです。『GRAVITY』と『GRAVITY 2』では、収録サウンドの傾向など何か違いを感じましたか?

音色が洗練された印象です。『GRAVITY』はじっとりとしたPadが多いので雰囲気を作るのに使いやすいのに対して、『GRAVITY 2』は粒立ちの良いパッチが多い印象で、デジタルな要素を足したい時などに使いやすそうです。どちらもスリリングでシリアスな映像の音楽などで重宝しますね。

『GRAVITY』と『GRAVITY 2』、どちらを購入するか迷われている方は、どのように選ぶとよいでしょうか?

ざっくりですが、Pad系を充実させたいなら『GRAVITY』テクスチャー系が欲しかったら『GRAVITY 2』を。という感じです。『GRAVITY』に足りなかった要素が『GRAVITY 2』にはあるので、両方あれば事足りそうです(実際乱用しました笑)。両方揃えたら鬼に金棒です。

『GRAVITY 2』を含むHEAVYOCITY 製品は、既にデザインが施されている「仕上がった」サウンドが多く収録されており、他の劇伴向けのライブラリにも多くみられる傾向です。カワイ様が考えるそういった製品を使う利点や、その中でオリジナリティを出していく方法をお聞きできますか?

白玉を押さえるだけで雰囲気が作れてしまうので、音色をさらにエディットしたり、シーケンサーなどの機能で少しフレーズに変化を加えたりしています。あとはパッチの組み合わせで、まだ聞いたことがないサウンドを作れそうな可能性を感じます。

『GRAVITY 2』製品ページはこちら

カワイヒデヒロ(fox capture plan)
作・編曲家 / ベーシスト

叔父である川井憲次の影響で音楽に興味を持ち、独学で作曲をはじめる。大学卒業後より作・編曲家としてまたベーシストとして活動を開始。ジャンルやフォーマットにこだわらない音楽制作がこだわり。手がける楽曲は多岐にわたる。またfox capture planのベーシストとしても活動中。国内外の大型フェスへの出演やテレビドラマやCMなどの音楽を担当するなど、各方面から注目を集めている。

代表作(作・編曲 / ベース演奏)

劇伴「カルテット」「コンフィデンスマンJP シリーズ」「レッドアイズ 監視捜査班」「事故物件怖い間取り」「節約ロック」「イングレス」「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」、他多数

カワイヒデヒロ.com »

fox capture plan »

カワイヒデヒロ氏 X  »


リリース情報

fox capture plan feat.Chihiro Sings『不可思議のカルテ』

fox capture planが音楽を担当したTVアニメ「青春ブタ野郎」シリーズエンディングテーマ「不可思議のカルテ」のEDテーマを英詞Ver.としてセルフカバー。シリーズ最新作劇場版『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』の公開に合わせてのリリース。

ジャジーヒップホップのようなリズムに、ストリングス、ホーンも重なったリッチなサウンドで、楽器本来の柔らかさを表現したアレンジに、Chihiro Singsによる英訳詞、歌唱が加わった新たなバージョンとなっている。

『不可思議のカルテ』配信サービス