【DTM用語集】ピアノロールって?よく使うツールを覚えて打ち込んでみよう!
前回は「トラック」についてご紹介いたしましたが、今回はDAWのインストゥルメントトラックにMIDI(演奏フレーズ)を打ち込む画面「ピアノロール」をご紹介します。
また、ピアノロールへMIDIを打ち込む際に使用する「ツール」も併せて覚えましょう。
ソフトウェア音源を演奏させる音符にあたる「ノート」等のMIDIデータを打ち込む画面の一つで、多くのDAWに採用されています。ピアノの鍵盤を縦にしたような見た目で、打ち込んだノートの「音程」や「長さ」が把握しやすく、感覚的にメロディやリズムを打ち込むことができます。その他、ノートの「強弱」や、ソフトウェア音源の機能をコントロールするための様々な要素の調整もこの画面で行えます。本記事では、ピアノロールにノートの入力/編集を行うための機能を中心に見ていきます。
『ピアノロール』の画面構成を解説
縦軸は「音の高さ」
左側にピアノの鍵盤が表示されていて、ピアノロールに入力するノートの音程は、この鍵盤に準じます。鍵盤に記載されているC1、C2、C3・・・はその鍵盤の音名表示、英語式の音名(CDEFGAB)でオクターブを表しています。ピアノでいう、基準となる真ん中の「中央ド(C)」は、多くのDAWではC3にあたります。
殆どのソフトウェア音源では、上にいくほど高い音、下にいくほど低い音になります。打楽器のソフトウェア音源では各鍵盤に楽器が一つずつ割り当てられていたり、一部のソフトウェア音源では特定の鍵盤に機能のON/OFFスイッチなどを割り当てて、ノートの入力で操作するものもあります。
横軸は「音の長さ」
ピアノロールの横方向は時間軸となっており、DAWを再生すると左から右に向かって流れていきます。下図のピアノロールに表示されている棒状のもの1つ1つが、ピアノロールに打ち込まれたノートです。ピアノやギターなど複数の音色を重ねて和音を演奏する場合は、同じタイミングで各音程のノートを入力します。
ノートの長さは鍵盤を押している時間(音符の長さ)にあたります。バイオリンやトランペットなど、演奏時に音色の長さを調整する楽器は、打ち込むノートの長さで音色の長さを調整します。音色が極端に短い打楽器や奏法は、ノートの長さが音色の長さに影響しないものが多いです。
上部は「小節線」
ピアノロールの上部には右に進むにつれて増加する数字が書いてあり、それぞれが楽譜の小節数に対応しています。
※表示サイズによって記される小節番号は変化します。
※DAWによって、小節数以外に秒数などの表示に切り替え可能なものがあります。
「小節線」の中に「拍子」
小節の中には、拍子に応じた数の拍が存在します。4/4拍子の場合、1小節を4等分した4つの拍が存在します。
※拍子は多くの場合デフォルトで4/4が設定されていますが変更可能です。
このように「ピアノロール」は五線譜が読めなくても「楽譜」を視覚的に分かりやすく表現したものになります。
今回は、Presonus社のDAW『Studio One』を例にご紹介します。
主に使用する「ツール」は以下の4つで、ほとんどのDAWや『初音ミク NT』などバーチャルシンガーの歌声を編集するボーカルエディタ「Piapro Studio」にも同じ機能が備わっています。
選択ツール
打ち込んだ音を選択したいときに使うツールで、選択した後にドラッグで音の移動やノートの長さの変更ができます。
ピアノロール上の何もない位置でマウスを左クリックした後ドラッグする事で、まとめて範囲選択ができます。
鉛筆ツール
音を打ち込んだり、強弱などの各種パラメータを入力するためのツールです。
消しゴムツール
打ち込んだ音やパラメータを消すためのツールです。
↓消した後
ナイフ(分割)ツール
入力した音をカット(分割)するツールです。
↓分割後
これらのツールを使用すれば、ピアノロール上で自由にメロディーを作成できます。今回はノートの入力や編集に必須の基本的なツールのみご紹介しましたが、DAWにはそれぞれ様々な便利機能が用意されています。
音楽未経験の方やDTMを始めたばかりの方にとっていきなりメロディーを作るのは難しいと思いますが、実際に「手を動かすこと」が大切なので、まずはピアノロールの見方やツールを覚えて「打ち込み」に慣れていきましょう。
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