SOUNDIRONより、ニッチに切り込むライブラリー3製品がリリース
常時フルスロットル中のSOUNDIRONより、魅力に満ちた3製品が新たにリリースされました。
前作に引き続き「ほぼ共通の機能」(過去記事 » SOUNDIRONより、時間も空間もひとっ飛びの3製品がリリース | SONICWIRE BLOG)を搭載し、楽器固有のサウンドの魅力と、妙なる音に加工しうる奥深き機能を両立した製品群。心ゆくまで堪能ください!
ほぼ共通の機能とは
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KONTAKT以外でも自由に使えるオーディオファイルをサンプルとして収録するオープンフォーマット(サンプルパック製品に限る)
楽器音色レイヤーと、シンセパッドやドローンなどのAMBIENCE/SUB-SYNTHレイヤーを重ねた、最大4レイヤーの音色を作成可能
レイヤーごとにLFO、フィルター、アルペジオ、スケールロックを調整可能
レイヤーをA/Bの2タイプに割り当てて、ダイナミックにバランス変更可能
オリジナルの楽器の音域を超えた演奏を可能にするEXT.RANGE機能
マルチサンプルの1つだけをチョイスして音程付きで鳴らせるストレッチサンプル機能
ラック内で内蔵エフェクトを自由にカスタマイズ可能
本記事で取り上げる製品中では『HYPERION STRINGS OKTOBASS』のみ専用のインターフェースを搭載しています。
『SANDY CREEK ORGAN』
オルガンのソフト音源というと重厚なパイプオルガンやハモンドオルガンがほとんどですが、本製品は初期のオルガン(トーマス・モンティチェロ)を修復し、他ではまず手に入らないその飾り気のない澄んだ音を完全復元したもの。
ベーシックな3種類の音色以外に、球場オルガン風のレズリースピーカーの音色、モーター音やスイッチ音を収録。
AMBIENCESとSUB-SYNTHのレイヤーを重ねたり、豊富なリバーブを加えれば、得も言われぬ天上の音楽が容易に奏でられるようになります。
うっかり浄化されてしまわないように注意しましょう!
『CHROMA BELLS』
続いて、雪風景を闊歩する怪獣の絵が妙に目を引くベル/チャイムに特化したライブラリー『CHROMA BELLS』。
シンセでは表現困難なロールやミュートなどのベル音色を音程つきで奏でることができ、一見マニアックながら実は最も汎用性に富んでいます。生楽器ならではの微細なピッチの揺らぎが音楽に奥行きと生気を加え、描きうる世界観を押し広げます。
最大3レイヤーまで異なるベルの音色を重ねられ、アタックやオフセット、フィルターやアルペジエイターを駆使すれば、さらに複雑でテクニカルなフレージングが可能になります。
『HYPERION STRINGS OKTOBASS』
イタリアはミラノまで赴いて Jean Baptiste Vuillaume 設計による OKTOBASS を収録した、ある意味問題作、ある意味話題作といえる超低音弦楽器のライブラリーです。
固有のインターフェースで低音を演奏可能なNKIと、先の『DRONE FLUTE』『CORE MICRO』と同系統でフレーズサンプリングを自在に再生可能なNKIの2つから成ります。
珍しい楽器ゆえに出番を選びはしますが、かといって収録に一切手は抜かずサステインもスピッカートもピチカートも、はてはFXと楽器の隅々まで収められており、実用に充分応えうる出来となっています。
SOUNDIRON のライブラリーは、製品名に掲げられる楽器のサンプリングクオリティや実用性は当然のこととして、(ほぼ)共通して搭載された機能がもたらす示唆性、可能性は、尋常でなく奥行きの深いものです。
サンプルライブラリーとサンプルパックの二面を持ちつつ、KONTAKTの機能を十二分に活かしてユーザビリティを確保し、なおかつユーザーの感性を刺激しようという開発力とセンスには、感服するばかり。
ここまで完成度の高い機能を伴って登場するSOUNDIRON製品に、今後も期待しないわけにいきません。