SOUNDIRONより、自由度重視のドラム、ベース音源登場
アメリカ西海岸の”とんでもない”デベロッパー、 SOUNDIRON から、クリエイターの発想力に着火するドラム、ベース音源がリリース。
リアリティ/クオリティの達成を最低条件とし、KONTAKTにおける最大限のカスタマイズ能力を上乗せした、これからのサンプルライブラリーとして無視できない製品群となっています。
『ALTO XYLOPHONE』以降の製品はほぼ共通の機能を持つので、いずれかの製品で操作に慣れてしまえば、あとは好みに応じて買い足してゆくだけで描ける世界がぐんぐん広がっていきます。
ほぼ共通の機能とは
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KONTAKT以外でも自由に使えるオーディオファイルをサンプルとして収録するオープンフォーマット(サンプルパック製品に限る)
楽器以外に、シンセパッドを含めた最大4レイヤーを重ねた音色を演奏可能
レイヤーごとにLFO、フィルター、アルペジオ、スケールロックを調整可能
レイヤーをA/Bの2タイプに割り当てて、ダイナミックスにバランス変更可能
オリジナルの楽器の音域を超えた演奏を可能にするEXT.RANGE機能
マルチサンプルの1つだけをチョイスして音程付きで鳴らせるストレッチサンプル機能
ラック内で内蔵エフェクトを自由にカスタマイズ可能
サンプリング元の楽器の特性に合わせ、これらは製品ごとにわずかながら違いがあります。基本機能と異なる点については、以降の説明中で触れることにします。
『DRUMS OF ST PAUL』
サンフランシスコのSt. Paul’s Catholic Churchにて収録されたドラムのライブラリー。
ドラムのライブラリーとはいうものの特殊な構造をしており、キック、スネア、タムでのショット、リムショット、サイドスティック等の各奏法を近接マイク、中距離、遠距離の3つのマイクポジションで収録した打音をレイヤー別に管理し、個別のエンベロープ、ピッチ、パン等のパラメーター、フィルター、アルペジエイターで調整可能となっています。
ドラムサウンドと同時に内蔵シンセ音を鳴らしたり、気に入った打音をストレッチサンプルとして用いるなど、通常ならばDAWの機能をあれこれと駆使して奏でられる表現が、ワンマンバンドのように製品単体で実現可能です。
工夫次第で、”とんでもない”音響表現がいくらでも生み出せる魅惑のライブラリーといえるでしょう。
『KNOCKOUT DRUMS』
続いてこちらは王道タイプのドラムのライブラリーですが、王道なだけでなく、アルペジエイターとフィルター、ミキサー、エフェクターを備え、ドラムサウンドに個性を加える仕組みを内包しています。
スネアはデフォルトでサブスネアをサポート、タムやシンバルは叩く位置を数種類収録、シンバルのチョーク、各種エフェクトシンバル、ハイハットのオープン度合、さらにはパッチを切り替えることなくスネアやシンバル等の種類を変更できます。もちろんキー配列も変更可能。
フルにメモリを使うHi-memパッチ、エコ版にあたるLiteのパッチが取り揃えられている以外に、パッチ内のミキサーにはパージ機能が備わっており、メモリを消費しがちなドラム音源でも不使用分をばっさり解放できるようになっています。
次世代のドラムフォーマットと呼んでも差し障りない、デキ過ぎなライブラリーです。
『VOLTAGE BASS』
指弾きとピック弾き、ミュートやハーモニクスも収録し、EXT.RANGE機能で音域制限も取り払えるベース音源。
エレキベース用のレイヤーと、エテリアルなアンビエンスシンセ用のレイヤーが各2枚ずつ備わり、いまだかつてないプログレッシブなベースサウンドがほとばしり出ます。
他の同社製品同様、エフェクトの設定を伴ったCustom FXフォルダには、実用的なパッチから前衛的なパッチまで、機能の粋を尽くしたパッチが用意されています。
価格以上の価値をぜひ感じ取ってください。
製品名に掲げられる楽器のサンプリングクオリティや実用性は当然のこととして、(ほぼ)共通して搭載された機能がもたらす示唆性、可能性は、尋常でなく奥行きの深いものです。
サンプルライブラリーとサンプルパックの二面を持ちつつ、KONTAKTの機能を十二分に活かしてユーザビリティを確保し、なおかつユーザーの感性を刺激しようという開発力とセンスは、数あるデベロッパーの中でも圧倒的。
今後のSOUNDIRON製品にも期待し続けましょう。
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