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【SONICWIREスタッフ厳選】おすすめオーケストラ総合音源10選!

2022年2月18日 14:34 by yuk

楽器/カテゴリ別におすすめ音源を紹介するレコメンド記事シリーズ。今回は、数多くのオーケストラ総合音源の中からおすすめの10製品を紹介いたします。


はじめに

オーケストラ総合音源とは、オーケストラで用いられる楽器を包括的に収録した音源です。

オーケストラは主にストリングス(弦楽器)、ブラス(金管楽器)、ウッドウィンズ(木管楽器)、パーカッション(打楽器)で構成されており、それぞれヴァイオリンやクラリネット等、多数の楽器で構成されています。

オーケストラ総合音源では、これらの楽器がまとまって収録されているため、導入後すぐにオーケストラ楽曲の制作を始められます。また、このほかにも以下のようなメリットがあります。

  • 個別で揃えるよりも安価な場合が多い
  • 調整なしに一貫性のある音が得られる
  • オーケストラ全体を鳴らす機能を搭載している製品もある

オーケストラ総合音源は、多数の楽器を一度に制作環境に導入できるため、特に初心者にとっては非常に有用です。また上級者にとっても、各楽器が単体製品レベルで打ち込み可能な『BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL』や、楽曲のモックアップ制作に有用な『PALETTE – SYMPHONIC SKETCHPAD』『THE ORCHESTRA COMPLETE 2』といった存在も見逃せません。

その反面、「ストリングスの音だけが欲しい」といったケースには、ストリングス音源から製品を選択することで、より求めるサウンドや機能が得られる場合があります。そんな方は、各単体音源のおすすめ記事もチェックしてみてください。

まずは各音源の基本スペックをチェック

音源毎の特徴を見ていく前に、今回ご紹介する製品の基本的なスペックを下表からチェックしてみましょう。

  • マイク・ポジション: 楽器に近いマイク、遠いマイクなどを複数収録している製品は、音作りの幅が広くなります。
  • パッチ構成: 楽器毎に打ち込みを行う「セクション」、楽器がある程度まとまった状態になっている「アンサンブル」、オーケストラ全体を1トラックで打ち込む「トゥッティ」があります。「セクション」はパート毎の演奏を詳細に作りこめますが、それに伴い打ち込みの作業量も増加します。
  • 編成: 1名による演奏の「ソロ」、小規模な編成の「チェンバー(室内楽編成)」、コンサートホールで聞かれるような大きい編成の「オーケストラ」に大別しました。チェンバー編成は複数人の演奏でありながら角の立った鮮明なサウンドが特徴で、ポップス楽曲に多く用いられます。
SYNCHRON-IZED SPECIAL EDITION VOL. 1
BIG BANG ORCHESTRA ANDROMEDA
ALBION ONE
BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL
THE ORCHESTRA COMPLETE 2

現地定価
€295
€165
$449
$999
€459

サイズ
63.6GB
13.8GB
55GB
631.3GB
14.8GB

マイク・ポジション
1
11
4
19
1

パッチ構成
セクション
トゥッティ
アンサンブル
セクション
セクション

編成
ソロ/オーケストラ
オーケストラ
オーケストラ
ソロ/オーケストラ
オーケストラ

CHRIS HEIN ORCHESTRA COMPACT
PALETTE – SYMPHONIC SKETCHPAD
GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5
ORCHESTRAL ESSENTIALS 1
NOTE PERFORMER 3

現地定価
€399
$299
$149.95
€199
$129

サイズ
41.2GB
26.6GB
4.3GB
8GB
660MB

マイク・ポジション
1
3
1
1
1

パッチ構成
セクション
アンサンブル
セクション
アンサンブル
セクション

編成
ソロ/チェンバー/オーケストラ
チェンバー/オーケストラ
ソロ/オーケストラ
オーケストラ
ソロ/チェンバー/オーケストラ


1. Vienna Symphonic Library『SYNCHRON-IZED SPECIAL EDITION VOL. 1』

VSLの最新ベスト盤!スタンダードなフルオーケストラ音源!
税込価格 ¥41,140
  • メーカー:VIENNA SYMPHONIC LIBRARY
  • カテゴリ:ソフト音源

Vienna Symphonic Library『SYNCHRON-IZED SPECIAL EDITION VOL. 1』は、オーケストラの基本的な表現が高品位に再現可能な、スタート・ポイントに最適なライブラリーです。

こんな方におすすめ

  • 品質、収録内容、操作性全てを兼ね備えた万能ライブラリが欲しい!

最上級シンフォニックサウンドの、欠点なき中核

楽器の種類や奏法のバリエーションが織りなす無限のダイナミズムがオーケストラの真骨頂。しかしいざDTM環境に導入するときのはじめの一歩がわかりにくいのも事実です。本製品は、弦、金管、木管、打楽器の一般的な奏法を網羅したもので、奇を衒った音楽でない限り、充分な内容がたった1つのライブラリーで揃えられます。

ライブラリーのポテンシャルを簡単に引き出せるように、徹底的に操作性を追求してVSL社が独自開発した「SYNCHRON PLAYER」エンジンを使用。セクションや全体の一体感を保ちつつ、柔軟に表情を切り替え、抑揚をかたどり、効率よく音楽を組み立てていくことができます。

比較的手ごろな価格でオーケストラ作曲の基本環境を構築し、必要に応じてシリーズを追加していく、そんな導入方法には最もマッチしたライブラリーといえます。

本エディションにおける編成は、弦はバイオリン(14)、ビオラ(10)、チェロ(8)、コントラバス(6)、木管はいずれもソロ、金管はトランペット(3)、トロンボーン(3)、ホルン(4)、チューバ(ソロ)となっており、この価格帯ではパート毎の打ち込みを行いたい人へのファーストチョイスとなりえます。

2. Vienna Symphonic Library『BIG BANG ORCHESTRA: ANDROMEDA』

無償音源『BIG BANG ORCHESTRA』を拡張するTuttiライブラリ!
税込価格 ¥22,660
  • メーカー:VIENNA SYMPHONIC LIBRARY
  • カテゴリ:ソフト音源

Vienna Symphonic Library『BIG BANG ORCHESTRA: ANDROMEDA』は、Synchron Stage Vienna で収録された表現豊かなオーケストラサウンドを手軽に扱える魅力的なライブラリーです。

こんな方におすすめ

  • 1トラックでハイクオリティな「オーケストラ全体」のサウンドを表現したいならこれ!

オーケストラが苦手でもすぐに使える、“勝てる”ライブラリー

フリーで配布された『BIG BANG ORCHESTRA』を爆発的に機能増強するシリーズ。その先鋒に当たる ANDROMEDA は、VSL社が所有する世界最高峰のスタジオ「Synchron Stage Vienna」で収録された、臨場感溢れる大迫力のオーケストラ・セクションを瞬時に呼び出せる便利なライブラリーです。リアリティに驚いた次には、データサイズと価格にもう一度驚いてしまうでしょう。

オーケストラのセクション個別に打ち込みができない反面、ピアノを弾く感覚でオーケストラ全体のサウンドを得ることができ、さらにミックス・プリセットを用いれば欲しいサウンドを瞬時に構築できます。自然さ、実用性、操作性が徹底追求され、もちろんVSL社謹製の「SYNCHRON PLAYER」で快適に動作します。

オーケストラの仕組みが充分にわからない方にとって、初めて導入するライブラリーとしてはイチオシの完成度です。より具体的な楽器の組み合わせや演出を深堀りしたい方に向け、多くの姉妹品が続々登場していますので、将来的な環境拡張にも応えられます。

3. Spitfire Audio『ALBION ONE』

壮大な世界を創造する、新世代シネマティック・オーケストラ音源
税込価格 ¥70,224
  • メーカー:SPITFIRE AUDIO
  • カテゴリ:ソフト音源

Spitfire Audio『ALBION ONE』は、映画音楽的なサウンドをフィーチャーした「ALBION」シリーズの代表的な製品であり、実用的なオーケストラ・サウンドのダイジェスト的なライブラリです。

こんな方におすすめ

  • 最近の映画音楽で聴かれるような「静粛」から「衝撃」までをカバーしたオーケストラ、シンセサイザー・サウンドが欲しい!

完成度を高めるための、あらゆる道筋を提供

Spitfire Audio の名を世に知らしめたのは、作曲家目線で優美かつ繊細なオーケストラ・サウンドを提供したことですが、それ以外にもう1つ、遊びと冒険心に溢れたライブラリー構成を見せつけたことも大きな理由です。『ALBION ONE』は Spitfire Audio の名刺代わりのような製品でもありますが、クラシック的なアプローチとは異なる映画音楽的な迫力のあるオーケストラやシンセサイザーのサウンドを内包するなど、現代の音響的発想が躊躇なく詰め込まれたショウケースとしての価値も持っています。

控えめサイズのデータながら、音響に定評のあるロンドンの AIR Studios で109人の演奏陣によってレコーディングされた弦、管、打楽器のさまざまな奏法が網羅されています。また、映像をサウンドで演出するには欠かせないシンセ・サウンド、ループまでも大量に収録されており、静寂から衝撃まであらゆる場面におけるスコアリングのみならず、さまざまな演出方法を提示して、強力に支援します。

管弦楽隊はストリングス、ブラス・ロー/ミッド/ハイ、ウッドウィンズ・ロー/ハイで分けられており、パート毎に打ち込むスタイルではなく、手ごろにオーケストラ・サウンドが欲しいという制作スタイルにマッチ。より具体的で脚色の少ない打ち込みが可能な『SPITFIRE CHAMBER STRINGS』等の同社製品を揃えるための第一歩としても非常に優秀です。

  • アカデミック・ライセンス対象製品

4. Spitfire Audio『BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL』

英国BBC交響楽団を精緻にキャプチャーした、歴史的オーケストラ音源!
税込価格 ¥156,255
  • メーカー:SPITFIRE AUDIO
  • カテゴリ:ソフト音源

Spitfire Audio『BBC SYMPHONY ORCHESTRA PROFESSIONAL』は、その類稀なる技術力を駆使して、名門BBC交響楽団の楽器・奏法すべてを網羅した贅沢なライブラリーです。

こんな方におすすめ

  • オーケストラ・サウンドの作り込みにとことんこだわりたい!

名演を自宅で実現させるための宝具

創立から90年を迎えた老舗の放送管弦楽団、BBC交響楽団とのパートナーシップを機に、その本拠地である Maida Vale Studios にて、長期プロジェクトの末に楽器・奏法のすべてを収録した、歴史に残る完全無欠のライブラリーです。

非常に安価ながらもオーケストラ全体を表現可能な Discover エディション を試した方なら、それを凌ぐ Core、そしてこの Professional エディションでは一体どこまでの表現力が得られるのかと期待に胸が弾むはず。収録楽器数、奏法、マイク・セレクト、ソリストなど最大級の制作環境が含まれており、一見して高価に感じる本体価格ながら、それぞれ単体音源を揃えるのに比較すると高いコストパフォーマンスを誇ります。

KONTAKTに対応した同社製品と異なり、Spitfire Audio 独自開発のプラグインでは大きなウィンドウにコントローラーやインジケーターが見やすく配置されているため、視認性・操作性も充分。マシンスペックは相応に高いものが求められるものの、これ一本でプロクオリティのオーケストラ作曲が可能な、ハイクオリティ+全部入りパッケージともいえる充実の内容です。

エディションごとの収録内容の違いについては製品ページでご確認ください。

  • NKS対応
  • アカデミック・ライセンス対象製品

5. Best Service『THE ORCHESTRA COMPLETE 2』

コンセプチュアルな楽曲にも対応可能な総合オーケストラ音源!
税込価格 ¥61,050
  • メーカー:BEST SERVICE
  • カテゴリ:ソフト音源

Best Service『THE ORCHESTRA COMPLETE 2』は、映像作品向けのスコアリングを神速で仕上げるための“タネ”が満載されたオーケストラライブラリーです。

こんな方におすすめ

  • フレーズを並べてスピーディにスコアリングしながらも、セクション毎の打ち込みにも対応した音源が欲しい!

リアルタイムでフルオーケストラを操る、新次元のライブラリー

リフを構築し、オーケストラ全体規模で抑揚をコントロールするのは、充実したライブラリーになればなるほど労力が費やされるプロセスです。Best Service『THE ORCHESTRA COMPLETE 2』は、各セクションで自由に打ち込みできる一般的なオーケストラ・ライブラリーとしての使い方に加えて、「Orchestral Rhythms」「Animated Orchestra」という一種の自動演奏プログラムを備えています。テンポへの同期やモジュレーションホイールでの抑揚コントロールをその場で行いながら旋律を紡ぎ上げることのできる、未来志向のオーケストラ・ライブラリーです。多彩なエフェクトを活用することで、短時間で一気に完パケまで仕上げることが可能。一種の飛び道具、もっとリアルに言えばある種の仕込み刀と言えるでしょう。

ハンガリー、ブダペストの「Studio 22」で収録された重厚なオーケストラ・サウンドは、ダイナミクスの大小を忠実に再現でき、よりドラマチックな演出を現実のものとします。最初は「THE ORCHESTRA」エンジンのフレーズ演奏の力を借り、慣れてきたら楽器個別のパッチを使用して詳細な打ち込みにチャレンジできる、ステップアップにも適した音源です。

姉妹製品との比較を含めた収録楽器についてはこちらの表でご確認ください。

  • 「THE ORCHESTRA」シリーズを所有する方は、アップグレード版の購入が可能

6. Best Service『CHRIS HEIN ORCHESTRA COMPACT』

低価格なクリスハインオーケストラシリーズ音源!
税込価格 ¥60,170
  • メーカー:BEST SERVICE
  • カテゴリ:ソフト音源

Best Service『CHRIS HEIN ORCHESTRA COMPACT』は、高級感溢れる温かい響きが特徴の管弦楽対応ライブラリーです。

こんな方におすすめ

  • 優雅でゴージャスな管弦楽の響きを手にしたい!

艶やかな彩りで聞き手を魅了する管弦楽ライブラリー

古くから多くの楽器のサンプリングを完成させてきた Chris Hein氏 による、弦、管楽器の大聖典『CHRIS HEIN ORCHESTRA COMPLETE』。そこから汎用性の高いアーティキュレーションを選び抜き、広がりや奥行きをしっかり捉えたサウンドクオリティをそのままに、手ごろな価格帯に抑えたダイジェスト版がこの COMPACT エディションです。

華やかさやハジけるような勢いこそ他に譲るものの、デフォルトでサンプリングされた抑揚込みのサウンドは、不自然さのない抜群のリアリティを実現します。抑揚の制御はベロシティとMIDI CCによる連続的な制御の両方に対応し、特徴的な「ノートヘッド」機能によりノートのアタック成分を強調してフレーズに明瞭感を付加することも容易です。

弦、管で操作感が一貫しているため、操作方法の習得は楽なものとなっており、作曲中に右往左往してインスピレーションを取り逃すリスクは最低限に抑えられます。打楽器は収録されていないものの、ソロパッチが豊富な点は他製品にはない魅力です。

  • COMPLETE版 へのアップグレードは Best Service社 直販のみ

7. Red Room Audio『PALETTE – SYMPHONIC SKETCHPAD』

現代的なシンフォニックのスケッチに必要不可欠なサウンドを網羅!
税込価格 ¥51,447
  • メーカー:RED ROOM AUDIO
  • カテゴリ:ソフト音源

Red Room Audio『PALETTE – SYMPHONIC SKETCHPAD』は、オーケストラを中心に幅広く楽器を収録し、簡単操作で完パケまで詰めてゆける便利なKONTAKT用ライブラリーです。

こんな方におすすめ

  • 高い品質のオーケストラ・トラックを素早く、効率的に構築したい!

初心者でもその日から満喫できる、オーケストラ音源

オーケストラは発音機構や技法の異なるさまざまな音の集合体であるため、専門用語がわからないと使いこなせないと思うかもしれません。しかしRed Room Audio『PALETTE – SYMPHONIC SKETCHPAD』は、市販のシンセと同じようにパラメーターをいじるだけで、本格的なオーケストラサウンドが素早く・簡単に鳴らせるように作られています。

リバーブ等のエフェクトによって活用の幅を広げられるよう、全体的にドライ気味のサウンドで収録。またこれとは別に小編成のセクション、すなわち「チェンバー(室内楽編成)」サウンドも用意されているため、一本のソフトで様々なシチュエーションでの演奏を紡ぎ出すことができます。

本製品は一般的なオーケストラおよびシンセやFX等で構成されていますが、より具体的な表現を求める方には追加ライブラリーが用意されています。初心者にとっては幅広い表現力を持ちながらも扱い易い音源として、熟達した作曲家にとっては文字通り「スケッチ・ツール」としての役割を果たします。

ストリングス、ブラス、ウッドウィンズはそれぞれひとまとめとなっており、各パートを打ち込むことはできないものの、1トラックで驚くような本格アンサンブル・サウンドが得られます。また、ピアノやクワイアまでをも収録しているため、持っていて出番がなくなることも少ない音源となっています。

  • NKS対応

8. Garritan『GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5』

コンピュータ一台で手軽にフル・オーケストラを実現!
税込価格 ¥25,795
  • メーカー:GARRITAN
  • カテゴリ:ソフト音源

Garritan『GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5』は、楽器そのもののドライな音にフォーカスし、ARIAプレイヤーの機能をフルに活かせる音源です。

こんな方におすすめ

  • 幅広いジャンルに対応できるオーケストラ・サウンドがほしい!

ARIAプレイヤーによる自由な脚色が醍醐味

シンプルなインターフェースながら調律やエフェクト、EQ、オートレガート、リバーブやアンビエンスなど楽曲の完成度を高めるための有用な機能を備え、各楽器でほぼ共通のコントロールチェンジ・パラメーターを備えたARIAプレイヤー。その機能をフル活用するように、『GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5』は構成されました。

他のオーケストラ音源と比べて楽器にかなり接近したサウンドを収録しており、ホールの選択やレガートなど演奏内容に対する音響面での自然で自由な演出が可能になっています。

キースイッチによる各種アーティキュレーションの変更に対応した管弦打楽器以外に、ハープ、ピアノ、ハープシコード、チェレスタ、グラスハープ、パイプオルガン、クワイヤ(男女および児童)と幅広い音色を収録。白眉はフル・ストリングスの生々しいセクション・サウンドで、オーケストラに限らず、ポップスやR&B、ソウルなど新旧様々なジャンルの音楽制作への応用が期待できるサウンドとなっています。

9. Project SAM『ORCHESTRAL ESSENTIALS 1』

緑トラック: 本製品、赤トラック: 『ORCHESTRAL ESSENTIALS 2』

大迫力のサウンドを凝縮したオーケストラ音源!
税込価格 ¥26,741
  • メーカー:PROJECT SAM
  • カテゴリ:ソフト音源

Project SAM『ORCHESTRAL ESSENTIALS 1』は、「シネマティック音源」のパイオニア的存在である同社が送る、オーケストラ・ライブラリとして完成度の高い逸品です。

こんな方におすすめ

  • 映画音楽調のド迫力なシンフォニック・サウンドが欲しい!

クラシカルと最先端を両立させる有能ブレーン

映画音楽をコンセプトとしたメーカーの中でも、オーケストラの表現力が高く評価されている Project SAM。長年の蓄積を単なるダイジェスト版としてまとめるのでなく、多機能な KONTAKT の仕組みをフル活用し、加工技法の自由度も備えた製品です。即戦力としての価値がより一層高まったものといえます。

インストゥルメント単体としての活用の幅も充分ですが、インストゥルメントが複合されたマルチ・パッチでの利用が断然おすすめです。優美繊細なメロディーから大迫力のトゥッティ・サウンドまで、幅広いダイナミズムに応えたサウンドセットが瞬時にセットアップされるため、MIDIの打ち込みどころかMIDIキーボードをさらりと弾くだけで、たちまち名曲誕生の準備が整います。

今や定番となった、モジュレーションホイールによるダイナミクス・コントロールに対応しているため、打ち込み済みのデータにも大きく手を入れることなく本製品にアサインし直すことが可能です。

一歩先に進みたい方にも、新たな領域に踏み込みたい方にも有効なアイテムとなる製品です。

  • NKS対応

10. Wallander Instruments『NOTE PERFORMER 3』

SIBELIUS, FINALE, DORICO 用オーケストラ総合音源!
税込価格 ¥22,198
  • メーカー:WALLANDER
  • カテゴリ:ソフト音源

Wallander Instruments『NOTE PERFORMER 3』は、AIに基づく譜読み機能を作曲ソフトに与えることで、作曲者の労力を大幅に省く最先端のソフトです。

こんな方におすすめ

  • ノーテーション(楽譜作成)ソフトウェア用の音源ならこれ!

高度な文脈解析機能がもたらす未来の標準

Sibelius、Finale、Dorico といった記譜ベースの作曲ソフトを、現代の先端技術を借りて無双ツール化してくれるのが、スウェーデンの Wallander Instruments社 による『NOTE PERFORMER 3』です。ベートーベンからジョン・ウィリアムズまで、古今東西の名曲を分析して得られた知見に基づき、自然な演奏を簡単に実現できるよう、1音単位で音の立ち上がりや強弱を自動で調整してくれます。

大所帯のオーケストラの作曲におけるパート/セクション間での抑揚のコピー&ペーストは、一般的なDAWを含む作曲ソフトにおいて避け難い時間のかかるプロセスですが、『NOTE PERFORMER 3』は楽譜記号や音程、楽器の組み合わせ等から自動的に楽曲内の文脈を理解します。更に、旧WIVIシリーズでも好評を博した一線級のサウンド・クオリティで演奏してくれるため、こうして省かれた労力や時間を、作曲家は自身の作品クオリティの向上に注げることになります。

物理モデリング音源のため、メモリ消費はごくわずかで、非力なノートPCでも軽快に記譜作業を進めていけるのも魅力です。日常的に記譜ベースの作曲ソフトを使われる方にとっても夢のような製品ですが、既存の自作曲をオーケストラ・アレンジしたい人にとっても強力な武器になってくれる、未来の標準といえるソフトです。

  • Sibelius、Finale、Dorico 専用音源です。DAWではご使用いただけません。

まとめ

本記事では、オーケストラ総合音源を10製品ご紹介しました。

サウンド・クオリティと収録楽器に目が行きがちですが、制作スタイルに合致しているか否かも重要なポイントです。本格的なオーケストラ・スコアリングを志向するのか、ジャンルの幅を広げるために取り合えず楽器を揃えるのか、シチュエーションによって製品が変わってくることがお分かりいただけたと思います。

また、右も左もわからず、制作を通して自分にあった音源を探す場合には、長らく入門音源として定番の座を譲らない『VIENNA SPECIAL EDITION VOL.1』の「SYNCHRON PLAYER」移植・刷新版、『SYNCHRON-IZED SPECIAL EDITION VOL. 1』が攻守共に優れている印象です。比較的手ごろな価格帯ながら多くの楽器と主要な奏法を収録しているため、各楽器の特性を実感を伴って学びながら、自分に必要な表現が何かを探っていくのに最適です。また、ミキサー・プリセットから「default」を選択すれば非常にドライな(残響がない)サウンドが得られ、好みのリバーブ・エフェクトを適用したいシチュエーションにも適応できます。

SONICWIREでは、この他にも数多くのオーケストラ音源を取扱いしております。本記事ではベーシックなものを中心にご紹介しましたが、コンセプチュアルな製品も数多く取り揃えておりますので、是非チェックしてみてください。

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