【製品ピックアップ】「マルチエフェクト」とは?音がリズミカル&劇的に生まれ変わる『NARCOTIC』紹介
みなさんは「マルチエフェクト」と呼ばれるプラグインをご存知でしょうか?
「マルチエフェクト」はその名の通り、「複数のエフェクトを1つのプラグイン内で同時にかけられる製品」です。ギターにもよく「マルチエフェクター」と呼ばれるものが使用されますが、このマルチエフェクターをDAWに移し替えて、DAW上で「音作り」ができるようなプラグインを指します。
またマルチエフェクトには、EQやコンプなど基本的なものはもちろん、音を劇的に変化させる強烈なエフェクトが収録されていることが多いです。
■マルチエフェクトに収録されるエフェクトの一例
- ビットクラッシャー
音のビット深度(音の滑らかさ)を下げて、粗くレトロなサウンドに変化させる
- フェイザー
位相のずれた音を原音にミックスすることで、音に「うねり」を加える
- ディストーション
音を歪ませる(様々な楽曲でよく耳にするエレキギターのサウンドにも用いられています)
今回はそんなマルチエフェクトの中から、楽曲のリズムに合わせて独特なエフェクトを適用する『NARCOTIC』をご紹介します!
『NARCOTIC』は、32種類のエフェクトが収録された、音をリズミカルに生まれ変わらせるシーケンサー内蔵のマルチエフェクト・プラグインです。強烈なエフェクトのかかりが特徴で、幅の広い音作りができます。
一見複雑そうな見た目ですが、直感的な作りになっているので操作は難しいものではありません。プリセットも多数収録されているため、エフェクト初心者にもおすすめです。
設定に迷った時は、右上のキノコのアイコン(SHROOM MAGICボタン)をクリックすると、ランダムな設定を施し(ランダマイズ)簡単に音作りをしてくれます。
『NARCOTIC』に収録されているエフェクト
画面上部にて最大6つのエフェクトを選択します。選択したエフェクトは左から順に直列で接続され、エフェクト・チェインを形成します。各エフェクトの設定値は個別に設定できるので、こだわった音作りを極めることもできます。また各エフェクトの設定は、曲に合わせてオートメーションでリアルタイムに変更できるため、楽曲の雰囲気に最適なエフェクトを駆使してリズミカルなサウンドを形成できます。
もちろん、オートメーションなしの単純なマルチエフェクターとしてもお使いいただけます。
①ボーカルの場合
ワイドナー(音像の拡張)やリバーブを加えたことで音が左右に広がったのはもちろん、動画の後半ではピッチの下がったボーカルが一緒に鳴っており、さらにテープサチュレーション(薄い歪み)を加えることで声に厚みが出ているのも確認できます。
エフェクトのかかった音(ウェット)の大きさも自由に調整できるので、エフェクトのかかりすぎを心配する必要もありません。
②ドラムの場合
元々パンチーなドラムが、リズミカルなディレイなどの影響によって音が左右に振れ、さらにビートを感じやすいフレーズに生まれ変わりました。
また31秒~のデモサウンドでは、マルチバンド式のドライブによってドラムの高音が強調され、原音に比べ一層明るいサウンドになっています。
③シンセサイザーの場合
厚みのあるシンセサウンドに、フェイザーやフィルターを用いて「うねり」を加えることでさらに特徴的なサウンドに仕上がっています。
21秒~のサウンドでは、左右に振れている細切れになった特徴的な音が聞こえますが、これはディレイの設定値にオートメーションを適用することで再現しているものです。普段よく使うようなエフェクトでも、パラメーターの動かし方次第ではこのような面白い結果が得られます。
手軽にサウンド・メイキングをやってみたい方
『NARCOTIC』は、そのありがちなサウンドから脱却する手段としてお使いいただけます。普段お使いの音源に本製品を挿して、プリセットを適用するだけの2ステップで完了です。既にご紹介したランダマイズ機能を使えば自動でエフェクト・チェインを組んでくれますし、そこから自由に設定を変更することも可能です。手軽に、普段とは違った雰囲気のアレンジへと変化することでしょう。
サウンド・メイキングを時短したい方
本製品で行うようなことをDAW標準のエフェクトで実現しようとすると、何個もエフェクトを立ち上げる必要があり、設定を調整する度に複数のエフェクトを開いたり閉じたりと非常に煩雑です。
しかし『NARCOTIC』を使えばその面倒な作業が本製品内だけで完結してしまうので、よりスマートなサウンド・メイキングが可能です。
また、DAWの標準機能でオートメーションを描くよりもスムーズにエンベロープの構築が可能なため、時短に繋がります。画像のような複雑な形状のエンベロープも、ベースとなるエンベロープをマウスで描き、形状をカスタマイズする5つのスライダーを調整するのみで完成してしまいます。オートメーションの設定自体もプラグイン内で完結するので、DAWとプラグインを行き来する必要もありません。
自分だけのサウンドを追求したい方
従来のマルチエフェクトと比べると独自性が強く操作もユニークですが、それ故に型破りでオリジナリティの高いサウンド・メイキングが可能という強みがあります。また機能の多さに対して非常に洗練されたGUIと簡便性を備えており、操作方法の習得にもあまり時間を要することは無いでしょう。
SONICWIREをはじめとする弊社流通品をお買い求めいただいた方は、日本語の操作ガイドやテクニカルサポートをご利用いただくことが可能です。
『NARCOTIC』製品詳細ページ »
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