Dragon AshやGACKT、HY、SCANDAL、STELLA MAGNAなどを手掛けるレコーディング・エンジニア/プロデューサーの 飛澤正人 氏による『SDX – THE ROOMS OF HANSA』製品レビュー。
Dragon AshやGACKT、HY、SCANDAL、STELLA MAGNAなどを手掛ける 飛澤正人 氏より、『SUPERIOR DRUMMER 3』専用拡張ライブラリ『SDX – THE ROOMS OF HANSA』の製品レビューをいただきました!
- メーカー:TOONTRACK
- カテゴリ:ソフト音源
『SDX – THE ROOMS OF HANSA』をチェックしてみました。この音源がレコーディングされたHANSAスタジオはドイツのベルリンにあるとても伝統的なスタジオで、デビット・ボーイやイギーポップなどの超有名なアーティストの作品を数多く生み出してきた場所です。
『SDX – THE ROOMS OF HANSA』の“音”について
『SUPERIOR DRUMMER 3』の音源は基本的に音のヌケがよく、我々が実際にレコーディングしてきたピュアな状態にとても近いのが特徴です。だからいい意味で“音源っぽくない音”がする訳ですが、今回チェックしたHANSAも音のピュアさは抜群の出来でした。
あと特に印象がよかったのはドラムチューニングですね。ドラムのレコーディングを行う時に一番苦労するのは、音創りよりもこのチューニングなんです。タムやスネアなどは他の音に共鳴したり、余計な周波数帯の音が鳴って邪魔になることも多いのですが、このHANSAのセットはどれも無茶苦茶きれいですね。余分な音が一切なく、逆に共鳴音が心地いいくらいなので、どのくらい混ぜるか“Bleed from Instrument ”でいわゆる“被り”を調整したくなります。特に『タム』のチューニングでいいと思える音源は数少ないのですが、このHANSAのセットはどれも使えますね!質感も素晴らしいです。
レコーディング・スタジオ/収録内容について
収録はHANSAスタジオのつの4ルームすべてで行われていて、一番大きいメインルームの「Meistersaal」、やや小さめで心地いいルーム感の「Marble Room」、ライブな明るめの響きがある「Live Room」、最も狭くデッドなスペースの「Vocal Booth」と、各ルームの響きの特徴を活かすようなドラムセットとチューニングがされているイメージでした。収録数も充実していて7種類のキック、12種類のスネアなど6種類のコンプリートキットが収録されています。
実際に使用してみた感想
ドラム音源の魅力のひとつとして“そのスタジオでしか聴けない響きを体感できること”があると思うのですが、特にメインルームのAmb CloseからAmb Farまでの広がり感、そしてサラウンドポジションに立ったマイクの響きなどはリバーブを付けるよりこちらのルームアンビを加工して使いたくなるほどいい響きをしています。実音キットの収録クオリティの高さと相まってとても心地いいドラムサウンドに仕上がっている印象でした。
またすぐに使えるMIDIグルーブや、グラミー受賞エンジニアのMichael Ilbert氏によるプリセットも収録されているので、手間をかけずに速攻でカッコいいドラムサウンドを手に入れたい人にぜひ手にして欲しい音源ですね。
(レコーディング・エンジニア/プロデューサー)
Dragon AshやGACKT、HY、SCANDAL、STELLA MAGNAなどのRec/Mixを手掛ける。
2017年5月、市ヶ谷から渋谷にスタジオを移転。VRやサラウンドに対応した “PENTANGLE STUDIO” を設立し、これまでの2MIX サウンドでは表現しきれなかった360°定位のバーチャル空間をイメージした3Dミックスを提唱している。
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label HANSA, SDX, SUPERIOR DRUMMER 3, インタビュー, ライブラリ, 拡張音源, 製品レビュー