PROFILE
プロフィール
VIENNA SYMPHONIC LIBRARY 概要
完璧なオーケストラが手の内に!
『ビエナ・シンフォニック・ライブラリ』は、従来のオーケストラ・サンプル・ライブラリのあらゆる限界を打ち破り、 オーケストラ音楽の制作に革命をおこすライブラリです。 DVDファースト・エディション(2003年1月発売)を皮切りに、 DVDプロ・エディション(2003年8月発売)、ソフトウェア・エディション(VIENNA INSTRUMENTS/2006年3月発売)、 更にその上をいく最上位エディションへと段階的なリリースを予定しており、完成形となる最上位エディションでは、 総収録サンプル数が実に150万サンプルを超えると予想され、サイズだけ見ても文字通り”桁外れ”のライブラリになる事は間違いありません。 もちろんクオリティの面においても、本ライブラリの為に建設された特設スタジオにて、音楽の本場ウィーン有数の交響楽団で 活躍する世界トップクラス奏者による演奏を、専属エンジニアが丁寧にレコーディング&編集しています。 これにより、各界のコンポーザーや音楽プロデューサーは、ソロやアンサンブル演奏をその多彩な奏法&細かなニュアンスに至るまで、 すべてリアルに再現可能となるでしょう。
主な特徴
- 音楽の本場ウィーンの有名交響楽団で活躍する一流奏者たちによる演奏
- マルチサンプル+パフォーマンス・エレメンツ
- ソロ演奏はもちろん、アンサンブル演奏も用意
- あらゆる演奏表現&奏法を網羅
- 今までサンプリングされる事がなかった楽器も多数収録
- 24bit/96kHzのステレオ・レコーディング
- 本ライブラリ制作の為に建設されたスタジオ『Silent Stage』にてレコーディング
- スタジオの実質ノイズ0 (遮音性能:平均90dB)
- 名演奏家にしてコンポーザー&ディレクターでもあるHerb Tucmandl氏の監督/指揮
- 30名以上の専属エンジニアによる緻密な波形編集
ビジョン
夢を現実のものに…
完璧なるオーケストラ・サンプル・ライブラリへの道
Herb Tucmandl氏は、映画のカメラマン&ディレクターであり、オーケストラ系の映画音楽コンポーザーとして活躍する優秀な音楽家でもあります。 そして、 Herb Tucmandl氏も例外なく、このような曲作りに携わる人々が常に直面する問題を抱えていました。その問題とは、①本物のオーケストラを雇って楽曲を レコーディングするには莫大な費用がかかり過ぎる、②かといってCD-ROM数枚程度の容量しかない現行のオーケストラ・サンプルでは、臨場感たっぷりの音楽を制作する事に限りがある、という事です。
かつてはウィーン交響楽団の代理チェリストとしての経歴も持つHerb Tucmandl氏は、そのオーケストラ音楽に対しての豊富な知識・経験から、 いつしか"完璧なるオーケストラ・サンプル・コレクション"を自ら制作する事に思いを馳せるようになりました。最初の頃は、完璧なオーケストラ・ライブラリの実現など、 到底達成できない途方も無いアイデアのように感じられました。しかし、何日間も思考錯誤を繰り返すうちに、理想的なオーケストラ・サンプル・ライブラリには何が必要なのか、 ひとつひとつ具体的なコンセプトが見え始めてきたのです。そして今度はそのアイデアが形になる事を証明すべく、自らチェロを手にとってスタジオにこもり、何千というサンプルを レコーディングしました。こうして完成したビエナ・ライブラリの原型は、業界や音楽プロの面々、更には、なかなか首を縦に振らない事で知られる投資家達をも充分に 納得させるだけの力を持っており、ついには夢のビエナ・プロジェクトへ彼らからの惜しみない協力を得る結果となったのです。
こうなると、次に必要となるのは、何ヶ月もの間スタジオにこもって一音一音を根気強く奏でることができるオーケストラ奏者達と、 気の遠くなるような量のサウンド・データの編集に耐えられるエンジニア達を集める事です。しかしこれは、力強いスポンサーを得た事により今や夢の現実に確信を持った Herb Tucmandl氏にとっては、造作もない事でした。
・・・こうして『ビエナ・シンフォニック・ライブラリ』の制作は開始されたのです。
リアリティの追求
ライブラリの頂点に立つクオリティ(質)とクオンティティ(量)
たとえ150万個という莫大な量のサンプルを用意したとしても、楽器が持つあらゆる音のコンビネーション、演奏テクニックや相乗効果をすべて収める事は不可能です。 しかし、この『ビエナ・シンフォニック・ライブラリ』の素晴らしい点は、収録したサンプルを巧みに組み合わせる事で、様々なニュアンスを表現できる様にした事にあります。 マルチ・サンプルとパフォーマンス・エレメンツ(フレーズ用サンプル)には、『ビエナ・シンフォニック・ライブラリ』独自の革新的なプログラミングが一貫して施されており、 本物と寸分変わらずリアルで表現力豊かなオーケストラ・パッセージを、簡単な操作で、しかもリアルタイムに再現していく事が可能です!
マルチ・サンプルについて
1. ダイナミクス(音の強弱)が一定のマルチ・サンプル
- 半音階ごとにサンプル
- 最高6段階のダイナミクス・レイヤー
- 各奏法につき数種類のサンプル・パターンを用意
- 様々な長さのノート
- ビブラート無し/ビブラートあり(ソフト/ハード/変動的ビブラート)(主にソロ・ブラスの場合)ソフト/ノーマル/マルカート
2.ダイナミクス(音の強弱)が変化するマルチ・サンプル
- 半音階ごとにサンプル
- 様々な長さのノート
- 3種類のダイナミクス
- 軽度: pp~p、p~mp、mp~f、f~ff
- 中度: pp~mf、mf~ff
- 重度: pp~ff
- クレシェンド(だんだん強く)~ディミニュエンド(だんだん弱く)
- 例) p<mf>p
- フォルテ・ピアノ(fp)、スフォルツァート(sfz)、スフォルツァンド(sf)
- ビブラート無し/ビブラートあり
パフォーマンス・エレメンツについて
例)ソロ・ブラスの場合
- 半音階ごとにサンプル
- 最高5段階のダイナミクス・レイヤー(p、mf、ff、クレシェンド、ディミニュエンド)
- レガート/ポルタート/スタッカート
- 最高8種類のテンポ・バリエーション(4分音符:60 bpm~16分音符:180 bpm)
- マルチ・リピート、2倍速/3倍速/4倍速
- パフォーマンス・フレーズ: 同一フレーズ内において音の長さを調節可能
2. 複数音のフレーズ
a)2音間
- 半音~1オクターブの間隔でそれぞれ上昇/下降するフレーズ
- 最高3段階のダイナミクス・レイヤー(p、mf、ff)
- レガート/マルカート
- ビブラート無し/ビブラートあり
- 専用のパフォーマンス・ツールを使って、リアルタイムで演奏可能
b) 3音間
- 最高3段階のダイナミクス・レイヤー(p、mf、ff)
- レガート/マルカート
- テンポ: 75 bpm~175 bpm
- 間隔: 修飾音、装飾音、半音階、全音階で上昇/下降するフレーズ
c) スケール
- 全音階ごとのスケール
- 最高3段階のダイナミクス・レイヤー(p、mf、ff)
- レガート/マルカート
- テンポ設定自由(オープン・フレーズ・フラクション)
- スケールの長さ: 1オクターブ/全音域
d) スペシャル・フレーズ
- トレモロ/トリル/グリッサンド/アルペジオ/三和音
- 最高3段階のダイナミクス・レイヤー(p、mf、ff)
- スロー&ファーストのバリエーション、アクセルレーション
- クレシェンド/ディミニュエンドのパッチ
演奏者
『ビエナ・シンフォニック・ライブラリ』の演奏家魂
総勢100名以上に及ぶ一流演奏家達が、『ビエナ・シンフォニック・ライブラリ』の為に、最高1年にも渡る惜しみない年月を費やしてくれています。レコーディングの最中は、彼らの肉体・精神は限界に達し、また、限界を超える事もしばしばでした。しかし、その苦労は決して報われない類のものではありません。「ビエナ・ライブラリの為に半年間吹いていたら、いつのまにか頬の筋肉がすごく強くなっていた。それ以来、一番高いピッチの超ロング・トーンも、息つぎ無しに吹く事ができるようになったんだ。」(テナー・トロンボーン奏者 Johann Schodl氏のコメント)
各インスツルメントの音色を一貫させ、よりリアルに、そしてより高度なサンプルの組合せを可能にする為には、同じインスツルメントのサンプルをすべて同じ演奏者が同じ楽器で演奏する必要があります。つまり、主要インスツルメントの奏者は、少なくとも6~12ヶ月間レコーディングに従事して、約4万種類もの完璧なサンプルを根気強く生み出さなくてはなりません。
そこに至るプロセスはこのような感じです; 1)奏者と音楽ディレクターが綿密な打ち合わせをしながら、インスツルメントの特色を細かなところに至るまで明確にする。 2)サンプルとして形にできる要素をすべてリストアップして分析し、順序だててまとめて楽譜にする。 3) 練習タイム:いかに一流演奏家と言えど、完璧な単音やフレーズを楽器の全音域に渡り一貫させて演奏するには、それなりの練習が必要です。奏者達はこの"有給練習"に通い、数週間後もするとウィーンのトップ奏者でさえテクニックの上達が見られ、そして一貫した音色での演奏が可能になるという訳です。 4)レコーディング: こうして、最高の状態の演奏をビエナ・ライブラリ用に収録する事となります!
SILENT STAGE
サンプル&サンプル・クリエーター達の"家"
およそ3年に渡る事が予想されるレコーディングにおいて、常に最高のレコーディング・コンディションを提供する為にも、そして全く外部ノイズが入らないサンプリング・セッションを実現する為にも、レコーディング用の専用施設を建設する事はプロジェクトの一環として欠かすことのできない事でした。こうして完成した「Silent Stage」は、完璧なサンプルを得ることだけを目的にデザインされたスタジオですので、演奏者、サウンド技術者、音楽ディレクターは、これ以上ない最適な環境でレコーディングを行う事ができます。
レコーディング・ホールの壁は3重構造になっています;外壁と内壁は、両方ともそれぞれに土台を持つぶ厚いレンガ壁で、間に石膏プレートが入れられています。これにより、90dB以上の遮音性能を実現しています。コンサート・ホールは言うに及ばず、どんなに素晴らしいと評判のスタジオでも避ける事はできない風音、鳥の鳴き声、足音などの外部ノイズも、ここでは完全にシャットアウトされます。テストでは、上空のヘリコプターの音さえ遮断されていました。このスタジオで防ぎ様のないノイズと言えば奏者のお腹が鳴る音ぐらいですが、これすらも抜かりはありません。奏者達には、計画的に昼食&夕食を取ってもらうことが義務付けられているからです。
「Silent Stage」のもう1つの大きな特徴は、コントロール・ルームが2つある事です。一室では最大音量でレコーディングの技術的なクオリティ管理が行われ、もう一室では音楽ディレクターが通常の音量で演奏の芸術的なクオリティをチェックしています。それぞれが理想的な状況で、集中した仕事がこなせるようになっています。『ビエナ・シンフォニック・ライブラリ』があらゆる点において最高品位のライブラリとなるように、技術的にも芸術的にも完璧である必要があるのです!
録音
細かなニュアンスをも逃さない最高の機器
『ビエナ・シンフォニック・ライブラリ』では、全てのサンプルを96kHz/24bitでステレオ・レコーディングしています。もちろん、位相の整合とモノラルへの対応にも細心の注意を払っています。
芸術面担当のディレクター、レコーディング・ディレクター、サウンド・エンジニア、指揮者(コンダクター)、演奏者たちの間で常にお互いにコミュニケーションをとりながらレコーディングが運べるように、2つのコントロール・ルームとレコーディング・ルームには、それぞれ3者同時に通話可能なシステムが備え付けられています。
編集
技術者たち
ウィーンのエディット作業所では、30~40名に及ぶエディット専属エンジニアが交代制でサンプルのエディット&仕上げ作業に従事しています。ここで働くのは、我々が追求する高いクオリティ・スタンダードへの理解と、一流奏者達に勝るとも劣らないプライド&目標意識を持った、選び抜かれた技術者たちです。トップ・クオリティを保ちながら莫大な量のサンプルをまとめあげるには、優れた"後処理チーム"を結集するに限ります。チューニングのスペシャリスト、ノイズ処理のエキスパート、特定の楽器の専門エディット・エンジニア・・・その多くは自身が音楽家でもあり、我々が目指すクオリティに向けて自分の持てる技術と芸術的才能をフルに活用しています。
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