非常に生々しいサウンドで、
単純に「家でこんな音が鳴っていいの?」って。
— 『SUPERIOR DRUMMER 3』を使ってみていかがでしたか
浅田 祐介 氏: ドラム音源はいくつも持っていますが、この『SUPERIOR DRUMMER 3』は後発ということもあり、他の製品が持っているような特徴を全て兼ね備えていますね。特に、操作性の面では、ウィンドウのリサイズが自由で簡単なのと、キット変更の動作が軽快で良いですね。MIDIライブラリも良くできていて、フィルインはよく使用しています。
ミキサー部分もすごく練られていて、内蔵エフェクトもクオリティが高いですね。他の音源だと、あとでかけなおしとか頻繁にありますけど、そういったことがあまりないですね。特に“EQ84”のローカットのシェルビング、これがすごく使いやすくて良いです。 あと“Comp76”、これよくある1176系のプラグインと違ってちゃんとアナログ的に中域がよく出てきてくれるので、スネアで使い勝手が良いです。よく実機のUREI 1176をボーカルに使用するので、単体プラグインとして発売してほしいくらいです(笑)。ブリーディング(被り)の操作がしやすいのもいいですね。
僕はStudio OneをメインのDAWとして使用しているんですけど、『SUPERIOR DRUMMER 3』のミキサーの挙動/動作が似ていて、例えば「複数のトラックを選択してまとめてフェーダーを操作できる」とか、「ウィンドウサイズ変える時も動作があまり重くならない」とか、当たり前のことなんですけど他の音源だとできないこともあるので、そういった点も直感的で良いですね。
サウンド面は、先ほども言った通り後発音源としてできることはすべてやっているなと感じますね。タムを曲のキーにあわせてチューニングしたときとか、ブリーディングとかアンビエントマイクの定位がぼけたりするケースが多いですけど、『SUPERIOR DRUMMER 3』はそういうことも少ない印象ですね。
— マイクチャンネルはどのように使用されていますか?
最初に曲を作る段階ではルーム系のものはずっと出していますね。ただ、キック、スネア、ハイハットの3点はアンビエントを外して、あとはそのままというのが多いですね。アンビエントのマイクやオーバーヘッドは全体のドラムキットを構成するための肝になるのであんまり下げたくないんですけど、ほかの音源だとシンバルだけにしたり何らか処理が必要なところ『SUPERIOR DRUMMER 3』だとそういった操作は少なく済むというか、アンビエントマイクをそのまま使えるのは良いですね。
作家間で全く同じMIDIで聞き比べたりしたこともありますけど、ほかの音源だとナローで小さかったり、作りこまれすぎていたりして、例えば「RnB用拡張音源」とかだとジャンルがまたげない=RnBにしか使えないって印象だったのが、『SUPERIOR DRUMMER 3』はGeorge Massenburgの技なのか、スピーカーで聴いていてもアンビエントの広がり感がわかりますね。不思議なのは広がり感は見えるのにキック、スネア、ハイハット、タムのピントが合うこと。他の音源だと、アンビエントマイク上げると派手にはなるけど、オケ中に入れるとスネアが存在感が無くなったりとかするので、こんな風に定位もワイドで、周波数レンジも広いというのは、ちょっと衝撃でした。
唯一、拡張音源ごとに切り替え操作が必要な点が惜しいなとは思いました。
DFH SUPERIORの時代から、シンバルチョークがあったり、ブラシもタンバリンも入っているしで、あの当時からすごい便利だと思ってましたけど、最新版になってさらに進化してますね。
— 特にご使用いただいているキットはありますか?
主にドライ系のキットを使用しています。Clean Kitか、Tight & DryのDry Ayotte、Dry Gretsch、Dry Yamaha Rockから始めることが多くて、POPだと Club Kit Basicを使用します。ファーストチョイスはClean Kitの中から選ぶことが多いですね。既に制作でも多用してます。
— 使用されているジャンル/傾向としてはどうでしょうか。
なんといってもGeorge Massenburgなので、歌もので使用しないとなーと思っていて、そういう方向に使っていますね。
— 『SDX - DECADES』はスネアの音など存在感のあるライブラリですが、使い勝手/馴染ませる手間といった観点では、いかがでしょうか?
前に出てきてるものはレベル下げればそもそも引っ込むし、コンプで潰して半歩下がらせることとかはいくらでもできるけど、前に出てないスネアの音を前に出すことはできないので、存在感があるのは嬉しいです。写真と一緒で、ピントが合ってないものは人工知能を使っても鮮明にすることはできないですけど、逆は簡単ですよね。ピントの合い方がさすがAl Schmittだなと思いました。ベロシティへのアーティキュレーションの追従が素直。Al Schmittのファンとして、「あ、あの曲のスネアの音だ!」っていうのがそのまま鳴ってて、これはいい曲書かないとやばいなーと思わせてくれるし、特に僕ら世代は、リファレンスで使っていたスネアの音が鳴るとテンションは上がりますよね。
— 「Tap2Find」であったり、お気に入りな機能はありますか?
浅田 氏: これは知らなかったので、ぜひ使います(笑)
あと機能じゃないですけど、とにかくこれだけできるのに動作が軽いんですよね。
MIDIグルーブを基に、あるいはマウスクリックでフレーズを打ち込み、打ち込んだ内容にマッチするMIDIグループを提案してくれる革新的な機能。
— かなり幅広くご活用いただいている感じでしょうか?
デモ作曲など、生ドラム系の音色でテンプレ作るじゃないですか?それには今SUPERIOR DRUMMER 3を使っていますね。いわゆる生系のポップスとかロックでは間違いなくファーストチョイスですね。
今まではソフト音源を鳴らしても「それなりだな」「まだまだだな」「スタジオで録ったほうがいいな」という感想がほとんどでしたけど、『SUPERIOR DRUMMER 3』がそれを変えてしまいそうですね。
非常に生々しいサウンドで、単純に「家でこんな音が鳴っていいの?」って。
特にAl Schmittのライブラリには良い意味でヤバさを感じますね。
もちろん、エンジニアさんやドラマーさんの個性などが欲しいときはスタジオで録りますけど、そうでないときはかなりの確率で『SUPERIOR DRUMMER 3』を選びますね。
スーペリア・ドラマー 3
更なる進化を遂げた史上最強のドラム音源!
¥49,500
※2025年1月1日(水)17:00までのご購入&製品登録でバンドル以外のお好きな「DRUM MIDI」を1つプレゼント!
2,475pt
SDX - ディケイド
総容量約99GB!あの“Al Schmitt”によって制作された、SDXライブラリ!
¥22,000 ¥17,600(20%OFF)
880pt
1968年東京生。1995年にフォーライフからアーティストとしてデビュー。4枚のアルバムをリリース。サウンドプロデューサーとして、Chara、傳田真央、Crystal Kay、玉置成美、CHEMISTRY 、織田裕二、キマグレン等々、数多くのアーティストでヒット曲を送り出した日本を代表するサウンドプロデューサーの一人。また近年はミュージシャンズxハッカソン、TECHSなどのエンターテック系イベントの企画運営や、デザイナーYUMA KOSHINOとの音楽レーベル「Blind Spot」主宰など、活動の幅を広げている。
ANYTHING GOES ltd. 代表取締役 / 一般社団法人JSPA理事
SONICWIRE取扱い全製品を表示したい場合は、SONICWIREを日本語で閲覧されることをお奨めいたします。