音色のさじ加減が絶妙なのでエレクトロニックミュージックでもバンド系でも使えます。
ロックバンドTHE BACK HORNのギタリスト/作詞家/作曲家として活躍する"菅波栄純 氏"より、SPITFIRE『ORIGINALS CINEMATIC PADS』のレビューを頂きました。
『ORIGINALS CINEMATIC PADS』は、ロンドンの AIR Studios で録音されたシンフォニック・オーケストラの音源を元に、様々なパッドサウンドを生み出すためにデザインを施したシネマティック音源です。
実用的にもアート的にも表現が可能です。
SPITFIREの『ORIGINALS CINEMATIC PADS』はストリングス系のパッドをつくるのにこの音源ほど使いやすいものはないかも。もとになってるストリングスの音も良いし、サウンドの奥行きや質感も簡単に作り込めるのでスピーディーに作業できます。
シンセっぽいニュアンスもミックスされているので実用的にもアート的にも表現が可能。どっちかというとスケールの大きな雰囲気ではあるので劇伴でも役立ちそうだし、生っぽすぎないさじ加減が絶妙なのでエレクトロニックミュージックでもバンド系でも使えますね。
▲『ORIGINALS CINEMATIC PADS』メインページ
「MELLOW」「BRIGHT」「CINEMATIC」の 3つの要素の組み合わせが重要です。
音作りの仕方ですが、気に入ったプリセットを見つけてそこから作り込む感じになると思います。一番大事なのはマイク・ミックスセクションです。「MELLOW」「BRIGHT」「CINEMATIC」の 3つの要素をどう組み合わせるかで全然違う音色になります。
例えばGlacial Marimbiumというプリセット。デフォルトのままだとこういう音色。
Glacial Marimbium - デフォルト
MELLOW=50% BRIGHT=73% CINEMATIC=74% に変えてみました。
Glacial Marimbium - カスタム
音符の動くストリングスアンサンブルで使える音もつくれます。
Glacial Marimbium - カスタム2
リバーブやフィルター、ディストーションも良い感じの効き方なので、活用して更に音を作り込んでいってください。
菅波氏のお気に入りプリセットを紹介。
菅波氏流の使用方法。
自分が使うとしたら、まず定番として生っぽいストリングス音源にPAD的に重ねる使い方。厚みが出るしORIGINALS CINEMATIC PADSの音色自体がとても綺麗なのでフレーズの説得力が増すと思います。あとは、アレンジしていて「コードは欲しいんだけどあんまり主張していてほしくはない」っていう場面が絶対1曲に1箇所はあるので、そういうところで使うのも効果的ですね。世界感もありつつ適度にふんわりと包む感じになります。
もうひとつ、音源でよくある「ピアノ+ストリングスPAD」っていう音色を自分の好みで作り込むのにも適しています。お気に入りのピアノ音源とこのORIGINALS CINEMATIC PADSを組み合わせるのはリッチでオリジナリティーのある音色ができあがるのでとてもおすすめです。バンド音楽だとロックバラードなどでコードの支えでずーっと入れておくのもギタリストが自由に動けてすごく助かる感じになります。
最後に
今後も積極的に『ORIGINALS CINEMATIC PADS』を使って作曲していこうと思っています。皆さんもぜひ導入を検討してみてください。
1979年10月16日生まれ
ギタリスト/作詞家/作曲家
福島県出身。 結成20年を経て活動中のバンドTHE BACK HORN所属。 ギタリスト/作詞作曲者であり楽曲提供・プロデュースも精力的に行っており、ソロプロジェクト“eijun”としても活動中!
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