PREMIER SOUND FACTORY
開発者インタビュー
「上質であれ、迫真を求めよ。」をミッションに優れたソフトウェア音源の制作を続ける、生粋の国産ブランド“PREMIER SOUND FACTORY”。同社からリリースされ、高い人気を誇る箏音源『箏姫かぐや』について、CEOのichiro氏にお話を伺った。(2018年12月)
『箏姫かぐや』について、相当なセールスを記録したとお聞きしています。SONICWIREでも人気です。
ichiro氏:ありがとうございます。SONICWIREのお客様にマッチする製品であったということかと思いますが、光栄です。お箏は、一般的なエンジニアさんが西洋楽器のセオリーで録音するとどうしても音が硬く、細くなりがちなんです。自分も以前はそうでした。ですので本来のお箏のリッチな美しさをちゃんと録音した音源は、希少だったのかもしれません。
あらためて、どのような点がオススメの音源なのでしょうか。
アップデートされたとのことですが、詳細を教えていただけますか。
各つまみの数値表示/数値入力に対応しました。KONTAKTを複数立ち上げて複雑な打ち込みをする場合など簡単にリコールが出来ます。それから通常のオフィシャル・サードパーティNative Instruments音源は、内部設定に鍵がかかっていて一切アクセスできないのですがそれをオープンにしました。このキーのこのベロシティのピッチをちょっといじりたい、、、という様な細かい調整を自由に行えます。その他にも、お寄せいただいたフィードバックを元に、細かいバグ修正・機能追加をしました。多数のご意見、有難うございました。
どのくらいの時間で制作/レコーディングされたのでしょうか。
和楽器の調律や奏法には、奏者でないと分からない部分が非常に多く存在します。そのため、サンプリングの際は、実際の録音よりも調査や実験、打ち合わせにエネルギーを注ぐような形になります。制作のタイミングもあって急遽NKSに対応したり、実質発売開始が大幅に遅れてしまって。想定外に半年くらい多くかかったかな、という感じですね。もう考えたくありません(笑)
箏や尺八と、日本的な楽器が揃ってきました。海外への展開についてはどのようにお考えでしょうか。
うちは“小さな工房”みたいなものですから、ほとんど営業や宣伝の経験がありません。しかしこれからは努力してみようかなと思っています。一部かもしれませんが海外でも和楽器の需要もあるようで、仮にも日本のメーカーとして、そうした需要に対するスタンダードな存在になれたら誇らしいですね。また、海外の某メジャー音楽院さんでの導入、といったお話なども実現しつつあり、まだまだ多様で楽しい展開もあり得るのかな、と感じています。
しかし自分はビジネス下手の工房職人なので、音と向き合って遊んでいる方が向いているのかな、とも思いつつ。まあ気長にやっていきます。
ありがとうございました!
SONICWIRE取扱い全製品を表示したい場合は、SONICWIREを日本語で閲覧されることをお奨めいたします。