印象派になぞらえたSPITFIRE新作ライブラリー『IMPRESSIONISM』
SPITFIRE AUDIO『IMPRESSIONISM』
色彩と光を描き、幸福の感覚を呼び起こす「印象派」は、2024年の今年、かつて画家たちが初のグループ展を開催してから150周年を迎えました(音楽における「印象主義」とは少し異なります)。
これにあやかり、SPITFIRE AUDIOは先の『OLAFUR ARNALDS CELLS』で初めて投入した先進的スケール機能を盛り込んだ、ずばり『IMPRESSIONISM』をリリースしました。
重なり合うレイヤーを絵画のインパスト技法に見立て、ある種共感覚的な表現を可能にしたものであり、劇伴向けライブラリーのコンセプトとしてはこれ以上ないものと言えるでしょう。
ユニゾン、和声、動きをコントロール
自由度の高いSPITFIRE AUDIOエンジンで動作する本ライブラリーは、他ライブラリーで活用される主要スライダーの一つ(中央の大きなノブのすぐ左)をDIVERGEなる特殊機能の制御に用います。
また他ライブラリーではテクニック(奏法)選択に使用してきた下部のゾーンは、サウンドの方向性を指す抽象的なアイコンに置き換えられ、華やかなものからファンタジーなもの、少し不穏なものまで、イメージに合わせて切り替え可能。
これらの新機能/新概念によって生まれる効果はプリセットごとに異なり、これまでのような単純強弱として表現されるものもあれば、組み合わせが変わって雰囲気が大きく変容するものもあって、『IMPRESSIONISM』は、単独の楽器では成し得ない、巧みなコンビネーションが綾なす色彩豊かな情緒表現にまでダイナミックに対応するのです。
抽象性を製品のコアコンセプトとして扱っていますが、こうした効果が意外性、偶然性をももたらし、「印象」だけに留まらぬ刺激をユーザーにももたらしてくれます。
あらゆる抽象表現、新たな発見、広がる可能性
光のどけき春の野から、レトロスタイルのSFや特撮映画の背景音、あるいはサウンドロゴなど、漠然とした雰囲気を作家が求められる場面は思いのほか多く、これまで複数のライブラリーを組み合わせたり、フィールドレコーディングを混ぜ込むなど手間暇を掛けて作り上げてきたはず。
『IMPRESSIONISM』は、SPITFIRE AUDIOがこれまでの収録物も織り交ぜつつ、一本のソフト内で「描画」を完成させるよう組み立てた画期的ソフトウェアなのです。
なお、新録分のサンプルはドライ環境で収録しているため、『AIR STUDIOS REVERB』等の良質なリバーブを利用して音場の形成を行えば、インスピレーション源としてだけでなく、本番用トラックとしても充分通用する仕上がりとなります。
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