陰陽混在の美学を形にしたコーラス音源
SPITFIRE『ERIC WHITACRE CONTRAST』
グラミー賞の受賞経験があり、誰よりも音楽の多様性に造詣の深いエリック・ウィテカー氏とSPITFIRE社の合作となる『ERIC WHITACRE CONTRAST』がついにリリース。
AIR StudiosのLyndhurst Hallにて、ハーモニーやトランジションに注目しつつ新たに収録されたソプラノ5、アルト5、テノール5、バス5の19人のシンガー。それもLIGHTとDARK 2パターンのコンセプトでアンサンブルが収められた、変わった切り口のサンプルライブラリーです。
美しいハーモニーから不穏なハーモニー、現代音楽的表現まで、あるいはゲストプリセットの手による実験音楽的表現までもが、この一本でまるっとカバーされます。
本記事最下段のエリック本人によるWALKTHROUGH動画をご覧ください。提案者がここまで興奮をあらわにする実演動画がかつてあったでしょうか。
彼のような冒険心旺盛な音楽家が、どんなフレーズを収録し、どう実装し、どう鳴らして、どう着想を得るのかが漏れ出ており、それだけでも一見の価値あり。
彼の十八番ともいえるクラスターコードやスパッター手法は、SPITFIRE AUDIOによる卓越した実装技術によって見事に体系化され、数本の指で奏でられた音符が時間経過とともに姿を変えてゆくさまは圧巻とすら言えます。
パートごとにセットされたマイクのバランスを調整するだけで、音符に込められた「含み」が大きく変わることも、動画を見るとわかります。
フレーズビルダーを搭載したような、いわゆる「歌わせる」ためのクワイヤ音源もこれまでありましたが、声だから可能なフレキシブルな表現に特化したライブラリーはおそらく初でしょう。
実験音楽、レフトフィールド系の重鎮ともいえるClarkや Ryan Lott、Kaitlyn Aurelia Smithによるゲストプリセットも、このライブラリの実用性をいっそう高めており、否が応でもユーザーのクリエイティビティが刺激されるでしょう。
膨大ながらシステマチックな収録内容については、製品ページをチェックしてください。
また本製品は、人間の声のハーモニーが生む奇跡をキャプチャーしたクワイア音源『ERIC WHITACRE CHOIR』のサウンドパレットをさらに押し広げる内容となっているため、『ERIC WHITACRE CHOIR』のユーザー様も注目です。
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