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バーチャルシンガー・初音ミクの最新バージョン『初音ミク NT』2020年夏発売決定!特設WEBページを公開し、ダウンロード製品の予約受付を開始。

2019年12月25日 16:45 by wat

 特別にカスタマイズされた歌声表現技術/ボイスライブラリー/ソフトウェア・インターフェイス/ボイスエフェクターによって構成される新パッケージ『初音ミク NT(ニュータイプ)』の情報公開と、ダウンロード製品の予約受付を開始させて頂きました。クリプトン・フューチャー・メディア・初音ミク企画開発プロデューサーの佐々木です。

 『初音ミクNT』ダウンロード製品をご購入頂くと、2020年3月中旬にプロトタイプ版が、その後8月下旬には正規版がダウンロード可能となります。プロトタイプ版は開発が完了した機能群をまとめた先行バージョンとなっており、搭載される「Piapro Studio for NT」はスタンドアローンバージョンのみであったり、新たなエフェクトが制限されていたり、データベースが「ORIGINAL VOICE」のみであったりと、メジャーリリース版に比べて機能は少ないのですが、基礎的な『初音ミクNT』の機能に触れることが出来ます。

※「Piapro Studio for NT」はVOCALOIDトラックの読み込みは出来ません。
※「初音ミク NT」パッケージ製品については、2020年夏頃に予約開始される予定です。

 
>>『初音ミクNT』の詳細については、こちらの特設ページをご覧下さい

 
…この中で、私なりに『初音ミクNT』のコンセプトで、音楽クリエイターさんにアピールしたい事をまとめさせて頂きました。


■データベース及びソフトウェア開発側では、全ての発音の子音の長さや音量、発声スピード感、周波数特性などを把握した上で、各種チューニングを行っています。これにより、音符のアップダウンが激しかったり、短い音符が連続することにより、発音崩れなどが起こらないよう細心の注意を払っています。

■開発中のエフェクトの中には、歌の動き(ピッチの動き)に合わせて制御されるものが多く、歌の流れに合わせて自然で柔軟な効果が得られる見込みです。

■新機能「表現スタイル」により、いわゆるベタ打ちの状態(歌詞とメロディだけが打ち込まれたプレーンな状態)に、スローバラードなのか、アップテンポなのか、エクストリームな高速ロックなのか…などテンポ感/ビート感に合わせたスタイル”設定を選ぶ”ことで、歌い方のアタックの押し出し感/スピード感、レガート具合などが調節できます。このように「表現スタイル」でベーシックなバランス調声がなされ、発音の良さも保たれている状態から、ユーザーの皆様が、各種エフェクトなどで声色のディレクション&コントロールが出来るので、より楽しく自由な発想で歌声を操作して頂ける…という新しいワークフローの提案を目指しています!

■下記、今回のデモソングは、そんな「表現スタイル」の基礎を使って、プログレッシブなメロディに対して「表現スタイルβ」で調節を行っています。調節はワンタッチで可能なので、どなたでも簡単に使えます。今回のデモソングは、発音の種別で抑揚が自動制御されている部分もあり、聴き取りやすさを保ちつつ、旧来のミクよりグルーブ感のある表現が加味されていると思います。
※スタッカート具合や発音補正のバランスなどもユーザーが詳細設定できるようになる見込みです。
※複雑でピッチの変化などが付いて、曲がエディットしにくくなることはありません。


※『ユジーさん/ミルククラウン・オン・ソーネチカ』→『R Sound Designさん/帝国少女』→『蝶々Pさん/え?あぁ、そう。』のショートバージョンが順番に流れます。


 
…如何でしたでしょうか?

 
 なにぶん開発中のソフトウェアですので、至らないところが修正されたり、変更/更新されたりしていく事も多いと思いますが、ご了承頂ければ幸いです。なお、既存のV4Xシリーズを始めとしたVOCALOID製品は引き続き販売を続ける他、YAMAHA様ともより良い協業を続けていけるよう、密にお話をさせて頂いております。

 我々、クリプトン・フューチャー・メディア:音声チームでは、今後、より一層『初音ミク、鏡音リンレン、巡音ルカ、MEIKO、KAITO』らバーチャル・シンガーのそれぞれの個性や可能性を伸ばしていきたいと考え活動を続けています。

 各シンガーの「テクニックの拡張」、「こんな表現、あったらいいな」を上手く組み込んだり、逆に「歌のキャラクター性」を損なわないようバランスさせていく事に心血を注ぎ、クリエイターの皆さんや応援してくださる皆さんのご期待に添えるよう、努力を続けて参ります。どうぞ今後とも宜しくお願いいたします。

追伸:『初音ミクNT』ソフトウェアの開発にあたり、産業技術総合研究所の後藤真孝さんと中野倫靖さんにご協力を頂き、基礎技術の一部について開発/提供をして頂きました。

企画開発プロデューサー:佐々木渉(wat)

 
>>『初音ミクNT』の詳細については、こちらの特設ページをご覧下さい