【制作の裏側を公開!後編】初音ミク「マジカルミライ 2026」楽曲コンテスト受賞クリエイター4名に聞く、楽曲制作のこだわり
初音ミク「マジカルミライ 2026」楽曲コンテストにて、数多くの応募作から選ばれた7曲の受賞作品。
本ブログでは前後編の2回にわたり、グランプリ・準グランプリを受賞したクリエイター7名のインタビューをお届けします。楽曲への想いや音作りの工夫、使用したプラグインやソフトウェアまでそれぞれの制作の裏側をご紹介。
後編となる今回は、夏山よつぎさん、ど~ぱみんさん、鶴三さん、Twinfieldさんの4名にお話を伺いました。受賞作品はどのように生まれたのか。
クリエイターたちのこだわりや制作プロセスを、ぜひ楽曲とあわせてお楽しみください。
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日本の音楽家/作詞・作曲・編曲家。ジャズポップを基調としたVOCALOID楽曲で支持を集め、代表作『ころしちゃった!』は自身初となるYouTube再生数1,000万回を突破。オリジナル作品の制作・発表のほか、楽曲提供やコラボレーション、ライブ/DJ出演など幅広く活動するマルチクリエイター。
ど~ぱみんです!Bass House、エレクトロスウィングなど、ボカロ×ハウスミュージックに重きを置いた作風を中心に制作しています!
楽曲の特徴・注目ポイント
夏山よつぎ
VOCALOIDはただのソフトウェアで、空っぽだからこそ、作り手のすべてを受容することができて、そして命を持たないVOCALOIDは、その託された想いをいつまでも歌い続けることができる。そんな僕のVOCALOIDへの思いから歌詞を書きました。最後にクリプトンボカロ全員で合唱する演出がお気に入りです。
ど~ぱみん
シンセ、吹奏楽、バイオリン、ギターなど、多種多様な音楽が一気に放出されるサビ部分!ど~ぱみんらしさと、合作相手の夏山よつぎらしさが互いに調和している部分だと思います。
制作で意識したポイント

夏山よつぎ
調声は普遍的なロボット風にするか迷いましたが、この楽曲のテーマである「VOCALOIDに宿る作者の思い」を表現するにあたって、敢えて作り手の個性が出やすい人間らしい調声を目指しました。
ど~ぱみん
1サビと2サビで楽器編成の対比を強調することで、楽曲全体の展開に深みを持たせています。
1サビでは、ピアノがコードやアルペジオを担当し、ブラスがウワモノを担っています。
2サビではシンセがコードを担当し、ギターがパワーコードを担当しています。このように、各セクションで使用する楽器の役割を大きく入れ替え、同じ楽器の併用をあえて少なくしています。
そのため、展開ごとに新たな楽器が加わる構成となっており、結果としてトラック数もまあまあ多くなってしまい….

ど~ぱみん
2A以降になかなかに長めの尺を使ってバイオリンソロを入れました。オートメーションでビブラートのかかり方、音量差などをかなり細かくいじっています。楽しかったです。
以下楽器編成です。
- バイオリン:メインリード、ハモリ①、ハモリ②
- ビオラ:ハモリ③
- チェロ:ハモリ④
- コントラバス:低音、ベース
制作で使用した主な製品① – Xfer Records『Serum 2』

ど~ぱみん
1サビのリースベース(ぶぉおおん…と鳴ってるやつ)
2サビのdonkベース(ッコ°ンッコ°ンと鳴ってるやつ)
全体を通してなっているシーケンサーのようなアルペジオ、サブベースなど…かなり多方面に活用しています。昨今のDTMにおいてかなりキープラグインなのではないかと!
制作で使用した主な製品② – FabFilter『Saturn 2』

ど~ぱみん
ベースの縁の下の力持ち的エフェクトプラグイン!
本作はもちろん、僕の楽曲のベース部分で絶対に使っています。もともとトラップ的な808系のベースメイキング用に購入したプラグインですが、どんなベースでもいい塩梅で音圧を稼いでくれます。UIもスタイリッシュで好きです。
制作で使用した主な製品③ – oeksound『soothe 2』

ど~ぱみん
みなさんご存じダイナミックレゾナンスサプレッサー/ディエッサーです。 初音ミクの初々しく可愛らしい歌声がよりクリアに聞こえます。
また、ディエッサーということで初音ミクの初々しく可愛らしい歯擦音もやさしい耳ざわりに加工してくれます。
詳しくはSONICWIRE公式ページにございます『Dios/シグナルP様のインタビュー』をご覧ください!
本作ではsoothe 2を使用しておりますが、新作のsoothe 3も最近発売されました。 興味のある方はぜひ…!
楽曲制作やボカロ制作に取り組んでいる方へ向けて、一言メッセージをお願いします。
夏山よつぎ
ボカロPは一人で音楽を作ることが多いと思います。でも、たまに誰かと一緒にやってみると、自分にはないアイデアや技術を取り入れることができて楽しいです。
ど~ぱみん
楽曲制作では、時代のトレンドを取り入れつつも、自分ならではの表現や個性を失わないことを第一に意識しています。
皆様も自分らしさを大切にしながら、楽しく健やかにDTMに取り組んでいただければ幸いです。
楽曲の特徴・注目ポイント
鏡音リンによる、切なくてチルなポップスを目指して作りました。リズムが立つ少ないトラック数だからこそ生まれるノリの一体感と、のびのび歌うリンに浸って欲しいです!
制作で意識したポイント

シンプルなコード進行でもちょっとだけ浮遊感を出したくて、ハッとするボイシングを所々入れてます。繰り返しの多いメロディーでも、響きのアクセントでフレッシュな耳で楽しんでもらえたら嬉しいです!
制作で使用した主な製品① – Spectrasonics『KEYSCAPE』

超有名なピアノ音源、コード担当としてこのウーリッツァーを使ってます。音色はもちろん、アタック、リリースの機械的な響きも最高で弾いててとても気持ちがいいです!
大きな音色メイクも必要なく、そのままでも即戦力になるので使い勝手も◎
制作で使用した主な製品② – Celemony『Melodyne』

こちらも超有名ですが…「VOCALOID editor」で鏡音リンの調声をした後、さらに細かいエディットをするために必ず使ってます。
細かい音量や、歯擦音等をここでしっかり確認できるので、その後の作業もよりしやすくなりますね。なんと言っても、ピッチやグルーヴ感がうまくはまっていく感覚が曲作りの中で一番好きです!
楽曲制作やボカロ制作に取り組んでいる方へ向けて、一言メッセージをお願いします。
メロディも音作りも思い切り、振り切りが一番だと思います。頭で鳴らしたいものに正直に向き合うことでオリジナリティも磨かれていく気がします。自己表現が創作だと思うので、難しく考えず内なるものを曝け出していただきたいですね…自分もそうあれるよう精進します!
楽曲の特徴・注目ポイント
一番見て、聴いてほしいところはメロディと歌詞になります。理不尽な生きづらさやモヤモヤを感じる人たちへのエールをテーマに、疾走感のあるメロディと譜割に乗せて表現できればと思い制作しました。もう一つは、飽きられないような展開を作れれば、と思い、各パートをガラッと変えるイメージでアレンジをしました。
制作で意識したポイント

シンプルな進行の中に少しだけ違和感を乗せたコード進行を心がけました。メロディについては記憶に残りやすく、疾走感を出しつつ聴き取れるギリギリのラインで譜割するイメージで制作しました。構成はなるべくシンプルにしつつ飽きさせないように、そしてエレクトロの芯の重さは含めつつ、何度でも聴ける軽快さを意識しながら音選びをしました。
制作で使用した主な製品① – Plugin Alliance『SPL BiG』

シンセサイザーのステレオ幅を少しずつ強化して、アレンジ全体の立体感と広がりを出すために使用しています。位相を気にせずステレオ幅を広げて、トラックに迫力を出すことができます。
制作で使用した主な製品② – Spectrasoonics『Omnisphere3』

同社の『Keyscape』『Trillian』と併用して一緒に使っています。総合音源なのでシネマティックな生音からシンセ、ドラムまでほぼどんな音でも出せますが、僕はリッチなアンビエントを出したい時に重宝しています。曲中ではピアノ、Bパート等で使用してます。
『Omnisphere3』になってより多機能になり、プリセットも膨大になったので、使い甲斐のあるプラグインです。
制作で使用した主な製品③ – Xfer Records『Serum 2』

僕から紹介する必要もないくらい言わずと知れたソフトシンセサイザーです。どんなプロジェクトでも、よっぽどこだわりがない限りベースもリードもその他キラキラとしたパーティクルも、デジタルシンセの領域はほぼすべてを担っています。
特筆すべきは、圧倒的な音の視認性とミックスの中で決して埋もれない音の明快さにあります。操作性も抜群で創作のブレーキになることがありません。
どんな作家でも即戦力たり得るパワフルなシンセサイザーなので、持っていない方は是非!
楽曲制作やボカロ制作に取り組んでいる方へ向けて、一言メッセージをお願いします。
僕は常に自分の勉強不足と力量不足を痛感し、制作のたびに激しい苦悩に苛まれています。ただ、その苦悩から逃げずに向き合うことこそが、良いものを作るための不可欠なプロセスだと信じています。
創作が上手く進まない時、それを才能の欠如や悪いことだとネガティブに考えず、成長のための必要な痛みだと考えることが大事だと思います。
そして形が悪くてもいいので、まずは強引にでも曲を書き切ること。作曲は、仕事であれ趣味であれ、決して楽のできるものではありません。しかし、泥臭く書き終えた者にしか見えない景色が、その先に必ず待っていると思います。その景色を一つずつ積み重ねることが大事だと考えます。
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