SONICWIRE

「百人一首」を題材とした和風ボーカル・ライブラリが登場!作曲家・指揮者 多田彰文 氏による『Voice of the Sun – Sunrise』レビュー

2026年3月25日 17:00 by knt

数々のアニメ・ゲーム作品の音楽を手掛ける作曲家・指揮者の多田彰文 氏に、SONICWIRESoundiron共同開発の、「百人一首」を題材とした和風ボーカル・ライブラリ『Voice of the Sun – Sunrise』のレビューをいただきました!

※当製品はKontakt 6.6以上にて動作します。無償のKontakt Playerではご使用いただけませんので、ご注意ください。

■ 『Voice of the Sun – Sunrise』
多田 氏:

Soundironが放つソロ・ボーカル・ラインナップは、これまでも『VOICE OF WIND: COLLECTION』を始めとしたエモーショナルな音源など、特徴的なものが豊富だ。そして新たに、 浅田 祐介 氏プロデュースによる『Voice of the Sun – Sunrise』が加わったことは嬉しい限りである。

■ 「Voice of the Sun – Sunrise Chromatics」パッチ

日本発として誇らしい点はまず、N-Iori 氏による情緒溢れる歌声の素晴らしさであろう。音源タイトルにある通りの、陽光の輝きが「厳かさ」かつ「優しさ」を合わせ持ち、降り注ぐようである。まずは用意されている「Voice of the Sun – Sunrise Chromatics」というパッチでその声を確かめてみたが、発せられる声色のインパクトは創作の時をも忘れ、包み込まれるような幸せを感じずにはいられなくなるはずだ。

コーラスやスキャットとしての使用に十分ほどの素材、具体的には「Sustains」や「Staccatos」の強弱バリエーションなどが用意されており、キースイッチによる切り替えのみでも多彩な構築が可能である。

▲ 「Voice of the Sun – Sunrise Chromatics」パッチ

■ 「Voices Of The Sun – Sunrise Vowel Phrases」パッチ

次に有機的な演出を行うモードとして「Voices Of The Sun – Sunrise Vowel Phrases」パッチを選べば、2通りの基準テンポに加え、3拍子にも対応できるフレーズ素材が数多く揃っている。

その数だけでも有難いのだが、さらにそれらに「OFFSET」(途中からの発音)を加えることにより、ほぼ無限の組み合わせが可能となる。DAWなどのテンポに同期させられることは当然、言うまでもないであろう。

▲ 「Voices Of The Sun – Sunrise Vowel Phrases」パッチ

■ 「Voices Of The Sun – Sunrise Lyrical Phrases」パッチ

そして、この音源でもっとも声を大にして伝えるべき点は、日本の誇らしい伝統的な作品のひとつである、百人一首を題材とした「Voices Of The Sun – Sunrise Lyrical Phrases」パッチだ。「歌かるた」と呼ばれるゲームを通じて知られる、鎌倉時代に編纂された歌集からの引用、表示パネルには英語による意味説明が添えられている。

こちらは100首すべてとはいかないものの、かなり豊富に言葉が引用されており、それぞれに素敵な旋律が備わっている。MIDIキーボードで個別にノートを鳴らし、DAWに記録するのもよいが、「Phase Sequencer」機能をアクティブにすることで、1ノートで連続して歌い上げていく。通常の繋がりだけでなく、「OFFSET」設定などを駆使して、新たに言葉を紡ぎ出すことさえも可能となるだろう。

▲ 「Voices Of The Sun – Sunrise Lyrical Phrases」パッチ

■ FX Rack

最後に紹介しておきたいのが「FX Rack」、つまりエフェクト設定だ。これだけでもプラグインとして、他の音源にかけたいくらいの完成度であると感じた。

多くの人にとって、ボーカル素材のエフェクト処理は難易度の高い作業となるかもしれない。しかし、豊富な種類のエフェクターの選択もさることながら、プリセットは即戦力として力を発揮。補正的なものから積極的なサウンドまでを、網羅しているところがありがたいのだ。

▲ FX Rack

他社の音源とは一味違ったSoundironのラインナップに、新たに華やかさを加える存在として、バランスの良い音源だと思う。一度ぜひ試してみてほしい次第だ。

多田 彰文

(作曲家・指揮者)

幼少よりクラシックピアノを、中学時代よりギターを始める。

1989年手塚治虫原作「火の鳥」舞台演劇にてシンセサイザー演奏デビュー。その後、辛島 美登里をはじめ、西城 秀樹・野口 五郎など、歌手・アーティストのツアーミュージシャンとして演奏活動を行う。

日本大学文理学部英文学専攻科在学中に作曲・編曲活動を始め、新人アーティストのサウンドプロデュースやドラマ・アニメ・ゲーム等の音楽制作を手掛ける。

作・編曲・オーケストレーションを小笠原 寛 氏、指揮法を大澤 健一 氏に師事。キーボード・ギター・ベースはもとより、木管・金管楽器、ヴァイオリン、パーカッションから大正琴まで、あらゆる楽器を演奏し、スタジオレコーディングでの指揮者もこなす、マルチプレイヤーである。

X(Twitter) »

niconico »

代表作

       

  • TVアニメ「よわよわ先生」
  •    

  • ゲーム「ウマ娘 プリティダービー」
  • TVアニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」
  • 劇場アニメ「ポケットモンスター」シリーズ
  • 劇場アニメ「クレヨンしんちゃん」シリーズ
  • TVアニメ「キャプテン翼」
  • TVアニメ「サイボーグ009」

など多数