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【重要】eLicenserサービス終了に伴う、VSL社製品のiLok認証への移行について

2025年5月20日 12:00 by shi

Steinberg社が提供するライセンス管理システム「eLicenser」は、2025年5月20日(火)本日をもってサービスを終了します。
現在 VIENNA SYMPHONIC LIBRARY社(以下「VSL社」)製品をeLicenser認証でご利用の方は、eLicenserドングルに故障が見られないうちは現状のままご利用いただくことが可能です。ただし現在ご利用中のeLicenserドングルが故障した場合や、マシンのOSアップデートによりeLicenserの一連の機能が正しくお使いいただけなくなった場合は、PACE社のiLok認証へライセンス移行が必要になります。(後述)

本記事では、eLicenserおよびiLok認証の概要と、eLicenser認証からiLok認証への移行手順についてご紹介いたします。


■ eLicenserとは?

eLicenserは、Steinberg社が提供するライセンス認証システムです。対応製品のライセンス認証には、「USB-eLicenser(eLicenser ドングル / Vienna Key)」や「Soft-eLicenser(インストールしたコンピュータへのソフトウェア認証)」を使用します。
VSL社製品では、2022年3月17日(木)以前に購入された製品にはeLicenser向けのアクティベーションコードが発行され、長い間「USB-eLicenser(またはVienna Key)」での認証方式が採用されていました。

※2025年5月20日現在、最新のVSL社製品では「iLok」による認証方式を採用しています。


■ iLokとは? iLokを使用するメリット

VSL社は、eLicenserに代わる新しいライセンス管理システムとして、PACE Anti-Piracy社が提供する「iLok」を採用しています。
iLokには、以下の認証方式があります。

iLok Cloud:オンライン上のクラウド(iLok Cloud)でライセンスを有効化する認証方法。常時のインターネット接続が必要です。(USBドングル不要

マシン認証:マシン本体への認証方法です。
注:VSL社製品はこの認証方法に非対応

iLok USBドングル:物理的なUSBドングル(USBキー)による認証方法。
注:VSL社製品は第2世代以降のiLok USBドングルに対応


※iLok Cloudをお使いの場合、同一アカウントの製品ライセンスを同時に複数のマシンで有効化いただくことはできません。すでにiLok Cloudをご利用中で、他のマシンでiLok Cloud認証を有効化した場合は、元々ご利用いただいていたマシンの認証は自動的に解除されます。

※上記iLok Cloud の仕様のため、同一製品のライセンスを複数のマシンで同時にご利用いただく場合は、最低でも「お持ちの製品数 – 1個分」のUSBドングルが必要となります。

例:『VIENNA ENSEMBLE PRO 7』のライセンスを3つお持ちの場合、iLok Cloudへ1台分を認証、USBドングル2本に1つずつ認証いただくことになります。

iLokを使用するメリット:

  • 物理的なUSBドングルが不要(iLok Cloud認証)
    クラウド上でライセンスを有効化できるため、ドングル購入の手間や紛失リスクがありません。
  • ライブラリ管理が効率化
    iLokへの移行を行うことで、VSL社製品のダウンロード・インストールなどを一手に担うアプリ「Vienna Assistant」をご利用いただけるようになります。このアプリでは、VSL アカウントに登録されている製品の内、インストール済み / 未インストールを一覧表示し、ワンクリックでライブラリのインストール / アップデートなどが可能になります。
  • ライセンス管理が容易に
    iLok認証を用いたライセンスを一元管理できるソフトウェア「iLok License Manager」では、現在お持ちのライセンスを一覧表示したり、複数のライセンスをまとめてアクティベート / ディアクティベートできます。また、同一アカウントでご利用中のiLok Cloud やiLok ドングル間でライセンスの移動もドラッグ&ドロップで容易に行うことができます。
  • 将来的な製品のアップデートにも対応しやすい
    eLicenser版のVSL社製ソフトウェアは、アップデートの提供が終了しています。iLok版に移行いただくことで、引き続き将来登場するOSや製品に対応した最新のアップデートをお使いいただけます。

■ eLicenserサービス終了による影響

Steinberg社、及びVSL社の公式情報にて公開されている、eLicenserサービス終了に伴って発生するVSL社製品への影響をご紹介します。

Steinberg社公式サイトより

  • 複数の USB-eLicenser をお持ちで、ライセンスを一つの USB-eLicenser にまとめたい場合は、サービス終了前にその手続きを行ってください。
  • eLicenser サーバーが停止しますと、新たなライセンスのアクティベーションや、ライセンスの移動などの操作は一切行えなくなりますので、あらかじめご注意ください。

VSL社公式サイトより

  • 今後はeLicenser用ライセンスの販売は行いません。※2022年3月17日(木)をもって販売停止済み
  • eLicenserライセンスは、既存のシステムやソフトウェアでは引き続き動作します。
    ※eLicenserのご利用に必要なソフトウェア「eLicenser Control Center」がお使いのOSの更新に伴って利用できなくなったり、USB-eLicenserが故障した場合はその限りではございません。
  • 「Vienna Protection Plan」(ドングル故障時の保証サービス)は販売を終了しております。トラブルが発生した場合は、VSL社のサポートチームが個別に対応いたします。

■ eLicenserサービスの終了 / iLok移行に関するFAQ

Q:未使用のeLicenser用のアクティベーションコードが手元に残っています。eLicenserサービス終了後に登録できますか?
サービス終了後はeLicenser Control Center内でのアクティベーションや、USBドングル間のライセンス移行が行えなくなります。必ずお早めに登録・iLok移行の手続きをお済ませください。

Q:eLicenser サービスの終了後も、VSL社製品を使い続けられますか?
– eLicenserサービス終了後も、USB-eLicenserが正常に動作している限り製品を引き続きご使用いただけます。しかしUSB-eLicenser(またはVienna Key)を故障・紛失なさった場合、サポートのご提供はできかねますのでご注意ください。
※USB-eLicenserが故障・紛失した場合でも、(次項に記載された製品を除き)iLokライセンスへと移行いただくことで引き続き製品をお使いいただけます。

Q:VSL社の製品はすべてiLokへ移行できますか?
– いいえ。以下のような一部の旧製品は、ライセンスをiLokに移行できません。

 - 「Vienna Ensemble Pro」バージョン6以前
  ※最新版『VIENNA ENSEMBLE PRO 7』はiLokに対応しています

 - MIR Pro Plug-in(※Vienna Ensemble Proに統合されているバージョンは除く)
  ※最新版『VIENNA MIR PRO 3D』、『VIENNA MIR PRO 3D (24) 』はiLokに対応しています

 - Numerical Sound FORTI / SERTI(2014年に販売終了)

 - INSP:IR(2014年に販売終了)


■ iLok認証への移行方法

iLok認証への移行に関しては、VSL社サイトのマイページよりライセンスをiLokへ変換いただく必要がございます。

詳しくは「VSL社 旧USB-eLicenserライセンスのiLokへの移行方法」より画像付きで移行方法をご確認いただけます。

※iLokへの移行時はすべてのソフトウェアやライブラリを再インストールする必要があり、eLicenser版とは別製品として認識されます。進行中のプロジェクトがある方はあらかじめご注意ください。


繰り返しとなりますが、eLicenserは、2025年5月20日(火)をもってサービスの提供が終了します。
VSL社製品をお持ちでiLok認証に移行していない方は、お早めにライセンスを移行なさることを強く推奨いたします。